評価: 4.5
Xiaomi Civi 3 Disney100 Editionを購入しました。
ディズニー100周年記念モデル
Xiaomi Civi 3はMediaTek Dimensity 8200-Ultraを搭載しており、ディズニー100周年記念モデル「Xiaomi Civi 3 Disney100 Edition (迪士尼100周年限定版)」ではミッキーマウスとコラボしています。
重さ176.4g、厚み7.56mmという薄型軽量スマホで、大画面・高性能でこの薄さ・軽さを実現しているスマホはなかなかありません。
このレビューは12GB+512GB版・V14.0.6.0.TMICNXMで行っています。
- 十分高性能なMediaTek Dimensity 8200-Ultra
- 176.4gと軽量
- 屋外実測1207nitsの明るいディスプレイ
- 4K@30fps動画も撮影できるデュアルフロントカメラ
- モノラルスピーカーで音の広がりは悪い
- 1xと2xズーム時の写真の色合いが異なる
- 高負荷時は発熱しやすい
- Widevine L3
Xiaomi Civi 3 (23046PNC9C) | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 3.1 |
SoC | MediaTek Dimensity 8200-Ultra |
ディスプレイ | 6.55インチ FHD+ 2400 x 1080 アスペクト比 20:9 120Hzリフレッシュレート OLED |
サイズ | 158.75 × 71.7 × 7.56mm |
重さ | 173.5g (実測176.4g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony IMX800) + 8MP (超広角 Sony IMX355) + 2MP (マクロ OmniVision ov02b10) |
フロントカメラ | 32MP (78°広角 Samsung S5KGD2) + 32MP (100°超広角 Samsung S5KGD2) |
バッテリー | 4,500mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G:n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n41 / n77 / n78 4G:FDD-LTE:B1 / B3 / B4 / B5 / B8 / B18 / B19 / B26 TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 3G:WCDMA:B1 /B4 / B5 / B6 / B8 / B19 CDMA EVDO : BC0 2G:GSM:B3 / B5 / B8 CDMA 1X:BC0 |
目次
外箱はミッキーマウス・クラブのデザインで、側面にミッキーマウスのシルエットなどが描かれています。
ディズニーの正規ライセンス品であることを示すシールも付いています。
箱を開けるとまずミッキーマウス型のSIMピンが出てきます。
SIMピンが付いている箱の中に説明書、保護ケースやステッカーが入っており、スマホ本体の下に充電ケーブルと充電器が入っています。
シリアルナンバーもあり、私の個体はNo. 04332でした。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
保護ケースは少し固めでしっかりとしています。
裏側にはミッキーマウスのシルエットがデザインされており可愛らしいです。
充電器はUSB Type-A to Cケーブルで67W急速充電できるタイプです。
ディスプレイ:屋外でも見やすい明るさ
Xiaomi Civi 3は6.55インチ FHD+ 2400 x 1080解像度のディスプレイを搭載しています。
残念ながらエッジディスプレイで、緩やかなほうなのでマシですが端の部分が反射します。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1109nitsに達しました。
屋外ではさらに高輝度モードが発動し、1207nitsになることを確認できました。日中の屋外でもかなり見やすいです。
ミドルハイ機種でもハイエンド並の明るいディスプレイを搭載してくれているのは良いですね。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nits程度、屋外では800~1000nits程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は10.5ms、画面描画遅延は20.0msで合計30.5msでした。
MediaTek SoCでは特に画面描画で遅延が発生しやすい傾向にあるのですが、Xiaomi Civi 3の場合は遅延が低めです。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L3なのでDisney+などではHD画質でのストリーミング再生ができません。
最近のXiaomiとしてはL3なのは珍しいのですが、ネット接続したり再起動したりしてもL1になりませんでした。
画面内指紋認証センサーを搭載しており、認証は速めです。
指紋認証時のアニメーションは蝶の形の「ドリーム」が初期設定されています。ディズニーっぽさはありますがコラボ用に用意したものではなさそうです。
背面:指紋が付きにくいメタリックな背面
背面にはミッキーマウスのイラストが大きく描かれています。
通常版はツートンカラーで落ち着いた色合いのため好みが分かれそうです。個人的には黒と赤のツートンカラーで来るのかと思っていました。
重さは176.4gです。
最近のミドルハイ以上の機種は大抵200g近くですし、高い性能や4,500mAhバッテリーを搭載しつつもこの程度の重さに収めたのは素晴らしいです。
7.56mmと薄いこともあり、かなり軽く感じます。
カメラ:ズームで色味が変わりやすい
Xiaomi Civi 3は
- 50MP (OIS / Sony IMX800)
- 8MP (超広角 Sony IMX355)
- 2MP (マクロ OmniVision ov02b10)
というクアッドカメラ構成です。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
こちらの記事のXiaomi 13 Ultraが映っている写真はXiaomi Civi 3で撮影したものですが、13 Ultraで撮影した写真と比べると妙に暖色寄りの色合いになりやすいようです。
温かみのある印象の写真を撮れるようにしようと考えたチューニングなのかもしれません。
2倍ズームでもなかなか綺麗に撮影できるものの、1xと色合いがかなり違っており2xでは彩度が低くなりやすいように感じます。
フロントカメラは32MP (78°広角 Samsung S5KGD2) + 32MP (100°超広角 Samsung S5KGD2)というデュアルカメラで、綺麗な撮影ができ超広角のおかげでグループ撮影も楽にできそうです。
Xiaomiスマホではこれまで不可能だった、フロントカメラでの4K@30FPS動画の撮影も可能です。
ポートレート撮影時はフレッシュ・フィルムの2種類のモードを選べます。
より現実に近い写りが良ければフィルムモードのほうが良いでしょう。
スピーカー:モノラルで音はまぁまぁ
Xiaomi Civi 3はステレオスピーカーではなくモノラルスピーカー搭載です。
モノラルのため音の広がりに欠けますが高音はクリアで、低音もそれなりに出ています。
Dolby Atmos対応で、スピーカー時にオフにできるタイプです。
モノラルではDolby Atmosの効果が薄いので、実質的にはほぼイヤホン専用です。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると125.7msでした。
通常は10~40msほどなのでかなり遅延が大きいです。
ポート:薄型ながら67W急速充電対応
4500mAhのバッテリーを搭載しており、67W急速充電対応です。
薄型で通常のスマホよりバッテリー設計が厳しい中、容量や充電速度の大きな低下がないので使い勝手は損なわれていません。
対応バンドは
- 5G:n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n41 / n77 / n78
- 4G:FDD-LTE:B1 / B3 / B4 / B5 / B8 / B18 / B19 / B26
- TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42
- 3G:WCDMA:B1 /B4 / B5 / B6 / B8 / B19
- CDMA EVDO : BC0
- 2G:GSM:B3 / B5 / B8
- CDMA 1X:BC0
でY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamo、IIJmioなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
電話アプリで*#*#86583#*#*とダイヤルすることでVoLTEを有効化できます。
電源ボタンと音量ボタンは右側面にあります。
OS:ミッキーマウス一色のホームやアニメーション
Xiaomi Civi 3 Disney100 Editionではホーム画面のアイコンや壁紙、充電アニメーション、AODといった部分がミッキーマウスのデザインになっています。
中国系アプリを中心に、ミッキーマウスモチーフのアイコンにカスタマイズされています。
比較的元のアプリアイコンに近いデザインなので、コラボにありがちな「デザインを優先しすぎてもはや何のアプリか分からない」ということはあまりないと思います。
残念ながら通知音や着信音は通常通りで、ミッキーマウスはしゃべってくれません。
起動時にハハッ!などと一声出してくれるだけでも面白そうなのに…。
中国版は初期状態では英語ぐらいしか言語を選べないものの、MIUIバージョンを7回連打してDeveloper optionsを出し、Additional settingsからDeveloper optionsを開いてUSB debugging・USB debugging (Security)を有効にした上でPCでadb shell settings put system system_locales ja-JP
を実行して再起動することで日本語設定にできます。
APKMirrorなどでPlayストアのAPKをダウンロードしてインストールするだけでPlayストアを使えます。
システムはカメラアプリ等を除き英語のままですが、Playストアからインストールしたアプリなどは日本語になります。
フォントについてはテーマストアでMcMejiro・Robotoなどをインストールすれば日本語フォントになります。
性能:ミドルハイとしては十分な高い性能
Xiaomi Civi 3はMediaTek Dimensity 8200-Ultraを搭載しており、ゲームを60FPS貼り付きでプレイするには物足りないものの、画質オプションを少し下げれば十分快適にプレイできる程度の性能を持っています。
同じ薄型軽量スマホでもXiaomi Mi 11 Lite 5Gの頃はゲームが全く快適にプレイできませんでしたが、Xiaomi Civi 3なら問題ありません。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1242・マルチコア3424、通常版でシングルコア1228・マルチコア3464でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2023年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
Geekbench MLでのテストは途中で強制終了してしまいました。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア1547→1252で、温度上昇は29℃→42℃ (13℃上昇)でバッテリー消費は8%でした。
最高画質の原神など高負荷なゲームを50FPS台での安定したプレイをするには少し足りない、という程度の性能で、画質を落とせば大抵は問題なくスムーズにプレイできます。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度とバッテリー消費が少ないものが理想です。
2023年現在はスコア約2000以上を安定して出せる端末だとグラフィック処理が重たいゲームも快適にプレイできる傾向にあります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア14033でした。
Snapdragon 8+ Gen 1搭載スマホ並の処理性能が出ています。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2023年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 3.1ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
LPDDR5Xメモリはあまり最大限の性能は発揮できていないようです。
シーケンシャルライト・ランダムライトがなかなか高速で、写真撮影時の保存時間短縮を重視したチューニングなのかもしれません。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・スメールでプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、平均49.4FPSで1FPSあたり104.82mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大45.7℃程度まで上昇しました。
電力効率はそこそこ良いのですが、発熱による性能低下が起きてジャンクが発生しやすい (→体感の滑らかさが落ちてカクツキを感じやすい) ので、最高画質でプレイするのは諦めて少し画質を落としたほうが良いと思います。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
まとめ
- 十分高性能なMediaTek Dimensity 8200-Ultra
- 176.4gと軽量
- 屋外実測1207nitsの明るいディスプレイ
- 4K@30fps動画も撮影できるデュアルフロントカメラ
- モノラルスピーカーで音の広がりは悪い
- 1xと2xズーム時の写真の色合いが異なる
- 高負荷時は発熱しやすい
- Widevine L3
Xiaomi Civi 3は高い性能を持ちつつも176gという軽さで、Mi 11 Lite 5Gをより実用的にしたようなスペックです。
重さはMi 11 Lite 5Gから多少増えているものの、それ以上に性能差が大きいですし「最高性能までは求めないが、ちょっとしたゲームもプレイできる軽量な大画面スマホが欲しい」という方におすすめです。
日本でも発売してもらいたいところですが、グローバル版の発売予定も今のところ確認されていないのでなかなか厳しそうです。
Xiaomi Civi 3 ディズニー100周年限定版は中国では2899CNY~で購入できます。