Xiaomi 14 Ultra 中国版を購入しました。
13 Ultraから全体的にパワーアップ
Xiaomi 14 UltraはSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、Xiaomi 13 Ultraと同じ1インチではあるもののダイナミックレンジや消費電力などを改善したSony LYT-900をメインカメラとしています。
さらに望遠はフローティングフォーカスレンズを採用した75mm (3.2x) とペリスコープ望遠の120mm (5x) を搭載し、13 Ultraではできなかった10cmマクロ撮影ができるようになりました。
ワイヤレス充電は80Wにも対応し、バッテリー残量80%までで充電をやめるオプションも追加。Xiaomi 13 Ultraをより洗練した仕上がりとなっています。
このレビューは12GB+256GB版・OS1.0.3.0.UNACNXMで行っています。
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 3
- 実測1200nitの明るいディスプレイ
- 1インチセンサー + 可変絞りカメラ
- テレマクロ撮影も可能な望遠とペリスコ両搭載
- ワイヤレス充電対応5,300mAhバッテリー
- 80%で充電停止する機能が追加
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力対応
- IP68防水防塵
- スペックを考えると妥当だが重い
- 発熱時はフレームが熱くなる
- スピーカー穴が塞がりやすい
- 長時間スリープ中はタスクキルされやすい
Xiaomi 14 Ultra | |
---|---|
OS | Android 14 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 3 |
ディスプレイ | 6.73インチ QHD+ 3200 x 1440 アスペクト比 20:9 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 161.4 × 75.3 × 9.2mm |
重さ | 224.4g |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony LYT-900) + 50MP (超広角 Sony IMX858) + 50MP (OIS / 3.2x望遠 Sony IMX858) + 50MP (OIS / 5xペリスコープ望遠 Sony IMX858) |
フロントカメラ | 32MP |
バッテリー | 5,300mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.2 Gen 2) |
バンド | 5G:n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79 4G:FDD-LTE:B1 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B26 / B28a / B66 TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 / B48 3G:WCDMA:B1 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19 2G:GSM:B3 / B5 / B8;CDMA 1X:BC0 |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。
充電器は日本でも90W充電できるタイプです。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
ホワイトだと半透明なケースが付いているため、見た目をあまり変えることなく保護できます。
下部は保護されていないので、フレームもすべて保護したければ別途ケースを探さないといけません。
ディスプレイ:14 Proと同様の4辺カーブ
Xiaomi 14 Ultraは6.73インチQHD+ 3200 x 1440解像度のディスプレイを搭載しています。
Xiaomi 14 Proと同じディスプレイを採用しているようで、4辺とも微妙に曲面になっています。
そのため通常の保護フィルムだと端まで保護できず、端をあきらめて種類が豊富な通常タイプを貼るか、種類が少ないものの端まで覆える曲面対応タイプを使うしかありません。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1295nitに達しました。
屋外では高輝度モードが発動し、826nitになることを確認できました。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
アプリ毎に120Hzリフレッシュレートを使うかどうか選べるようになっています。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは240Hz程度でした。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は13.5ms、画面描画遅延は27.8msで合計41.3msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
ゲームモードには「高速タップ応答」「安定化アルゴリズム」といったオプションがあるのですが、有効化してもWALTの計測上は特に変化ありませんでした。
特定のゲームのうちの特定のシーンにしか効果がないのかもしれません。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。
Bootloader Unlockした後でも有効です。
画面内指紋認証センサーを搭載しており、認証は高精度です。
残念ながらまだ光学式で、超音波式ではありません。次モデルでは認証エリアが大きい超音波式になると良いですね…。
指紋認証センサーのアイコンが眩しくならないよう、暗い場所では明るさを下げるオプションもあります。
背面:段差がなくなりスッキリ
ブラック・ホワイトの場合は背面はレザーで、指紋汚れなどが付きにくいです。
ブルーの場合はセラミックガラス採用となっています。
Xiaomi 13 Ultraではなだらかな段差があったため、挟み込んで固定するタイプの三脚に取り付ける際などに邪魔になることがありましたが、14 Ultraでは段差がなくなりスッキリとしています。
重さは226.9gです。
4つの50MPカメラでうち3つがOIS搭載、さらに5,300mAhバッテリー採用で重たくなるのは仕方がないものの、やはり220g超えは重たいです。
カメラ:テレマクロ撮影が可能に
Xiaomi 14 Ultraは
- 50MP (OIS / Sony LYT-900)
- 50MP (超広角 Sony IMX858)
- 50MP (OIS / 3.2x望遠 Sony IMX858)
- 50MP (OIS / 5x中望遠 Sony IMX858)
というクアッドカメラ構成です。
カメラリングには金色があしらわれており、高級感があります。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
可変絞りを搭載しており、通常の写真モードだとf/1.63・2.0・2.8・4.0の4段階で選べます。
プロモードでは0.01刻みで細かく調整できるようになっています。残念ながら夜景モードでは絞りの選択肢すらなく、EVしか弄れません。
可変絞りが搭載されているのはメインカメラのみです。
Xiaomi 14 Proの可変絞りだと強い光源のものを撮影したときの光芒があまりに長く、ギラギラして下品に感じる場面もあったのですが、Xiaomi 14 Ultraでは羽根の形状が微妙に変わったおかげか少しおとなしくなっているように感じます。
光芒が主張しすぎない程度に収まることが多いため、個人的にはこのスタイルのほうが好みです。
太陽がある方向を撮影したときもゴーストが若干出る程度で、全体的には綺麗に撮影できます。
絞りを調整することで、料理を撮影したいときなどに「中央にだけピントがあって周りがボケてしまう」というのを防ぐこともできます。
Xiaomi 13 Ultraではできなかったテレマクロ撮影にXiaomi 14 Ultraではついに対応。
3.2x望遠では約10cm、5xペリスコープ望遠では約30cm離れた位置から撮影できます。
個人的にはテレマクロ性能が一番求めているものなので、3.2xと5xのどちらでもテレマクロ撮影しやすくなったのは嬉しいところです。
望遠で撮影しているときには浅いDOFと拡張深度の2つを選べるようになることがあります。
被写体との距離などで自動判定されるようで、テレマクロ撮影時にボケすぎてしまうのを防げます。
メインカメラと超広角・望遠カメラを比較すると色合いが異なることがあるものの、超広角・望遠カメラは同じIMX858であることもあり色味が変わりにくいです。
シャープネスを強くしすぎない調整のようで、ソフトな印象で映ることが多いです。
マクロや望遠時のレンズ切り替えはオフにすることもできます。
ウルトラズームという生成AIを使ったズーム機能が用意されており、30倍ズーム以降で有効になります。
このウルトラズームが厄介な機能で、ウルトラズームを使ったかどうかは撮影時のUIでは分かるものの、撮影した写真の透かしには一切表示されません。
ぱっと見は綺麗に撮影できるので良さそうに思えますが、下の写真の「NETIS登録」やその下の文字を見てもらうと分かるとおり、生成AIでそれっぽいディテールを追加しているだけなので現実とは異なるものが写ることになります。(例えば人混みを撮ると顔面が暗黒になったホラー写真になることも…)
これで他社スマホと比較してしまうと、一方は「撮影したデータを元にパラメータ調整」するだけなのにXiaomiは「画像処理に加え、あるはずのないディテールを生成AIで生み出して追加」することになり不公平になってしまいます。
AIで偽のディテールを追加するのはすでにスーパームーンモードで実装されていたものの、これからは30倍ズーム以降の写真比較でも「ウルトラズームが使われていないか」を確認しないといけなくなります。
ウルトラズームを使ったことをわざと隠して「○○のズーム性能は低い!」と主張する人も出てきますし、Xiaomiは透かしを入れるべきだったと思います。
ウルトラズームをオフにした状態でのvivo X100 Proとの30倍ズーム比較では、Xiaomi 14 Ultraのほうが若干細かい文字まで写せているようでした。
色合いはvivo X100 ProのZEISS ナチュラルのほうが実際のものに近いです。
vivo X100 Proのほうがシャープネスを強めることが多く、見比べるとXiaomi 14 Ultraはソフトな印象でピンボケしたかのように見えることがあります。どちらが良いかは好みの問題でしょう。
ファストショットモードも用意されており、実際に保存するエリアの周りもプレビューで表示する拡張ビューファインダーを使ったり、焦点距離を指定して素早く撮影したりできます。
監督モードを使うとヒストグラムや残りの撮影可能時間を表示したり、ホワイトバランスなどを調整したりできます。
スピーカー:奥行きがあるサウンド
Xiaomi 14 Ultraはステレオスピーカーを搭載しており、上部にスピーカー穴があるタイプで左右非対称です。
横持ちしたときに左側は手で覆われてしまいやすいため、持ち方に気をつけないといけません。
Cirrus Logic CS35L43アンプを搭載しています。
音の広がりがよく、奥行きがあるように感じられます。
音量は十分でドラムやボーカルは聞こえやすいものの、ベースは若干聞こえにくく高音のクリアさは少し欠ける印象です。
大きなスピーカーを搭載する余裕がないカメラスマホとしては上出来で、vivo X100 Proより綺麗なサウンドです。
Dolby AtmosとXiaomiサウンドの両方に対応しており、どちらでも空間オーディオ・イマーシブサウンドを使えます。
基本的にはDolby Atmosのままで良いでしょう。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると13.5msで小さめでした。
BluetoothではLHDC / LDACのほかAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptiveなどにも対応しています。
自社製品だけに制限するOPPO/realme/OnePlusなどと違って、Xiaomi製品以外でもLHDCを使えます。
ポート:ついに80%充電が可能に
Xiaomi 14 UltraはIP68防水防塵で、多少の水濡れは問題ありません。
90W急速充電対応で、80Wワイヤレス充電も可能です。
DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。
80%までで充電をストップする「制限付き充電」機能が追加されたため、AccAなどroot化が必要なアプリを使わなくてもバッテリー寿命を延ばしやすくなりました。
対応バンドは
- 5G:n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79
- 4G:FDD-LTE:B1 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B26 / B28a / B66
- TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 / B48
- 3G:WCDMA:B1 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19
- 2G:GSM:B3 / B5 / B8;CDMA 1X:BC0
でY! mobileやSoftBank、LINEMO
VoLTE通話も可能です。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
電源ボタンは触ったときに分かりやすいようギザギザのデザインになっています。
性能:高い性能を発揮するが発熱しやすい
Xiaomi 14 UltraはSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、カメラだけでなく普段使いのアプリやゲームも高速に処理してくれます。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア2181・マルチコア6480、通常版でシングルコア2149・マルチコア7068でした。
あまり大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア4502→4009で、温度上昇は24℃→52℃ (28℃上昇)でバッテリー消費は16%でした。
やはりこれまでのXiaomiスマホと同様GPU性能を高く発揮し続けようとする傾向にあり、バッテリー温度が50℃を突破しても制限をあまり強めようとしません。
フレーム部分が金属なので熱くなって持ちにくくなるため、もう少し早い段階でサーマルスロットリングして発熱を抑えてもらいたいものです。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。
2024年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア15971でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2024年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
シーケンシャルライト・ランダムライトが他社ハイエンドに比べるとやや遅めなものの、シーケンシャルリードはトップクラスの速度です。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 7で計測すると、平均59.3FPSで1FPSあたり90.56mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大39℃程度まで上昇しました。
基本的には余裕で原神を動かせる性能を発揮し続けられており、一瞬だけ45FPSに落ち込む場面がありましたが少し画質設定を下げるだけでよりスムーズになりそうです。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
原神については特別にレンダリング解像度を上げるオプションがGame TurboのGPU設定で表示されるようになっています。
対応するパッケージ名がハードコーディングされており、原神以外では使えません。
ResolutionをHighestにすると、全体的にぼやっとしていたのがクッキリとした表示になります。
スクリーンショットだと分かりにくいかもしれませんが、実機だとクッキリしているのがすぐ分かりました。(下が通常の解像度)
他社のようにグラフィックチップを使ってアップスケーリングするのではなく、レンダリング解像度自体を変更しているためかなりの負荷がかかります。
60FPSだとすぐ発熱してプレイできなくなると判断したのか、高解像度時は30FPSまでしか出せなくなります。
低フレームレートなおかげで発熱は酷くないものの、60FPSに慣れていると30FPSでは遊びにくいので上限設定はしないでもらいたかったです…。
崩壊:スターレイルを最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で15分プレイすると平均53.1FPSでした。
ピノコニーはグラフィックが豪華で、60FPS安定するには8 Gen 3でさえパワー不足になるほどの負荷が掛かっているようです。
崩壊:スターレイルはGPU負荷が高く、GPUは発熱しやすいためバッテリー温度も最大45℃と高くなっています。
フレームはじんわり暖かい程度で、熱くなりすぎて持ちにくくなる13 Ultraの時のような不快感はあまりありませんでした。15~30分程度のプレイなら良いですが、1時間以上プレイするともっとバッテリー温度が上がるので、長時間プレイ時に持ちにくくなりやすいことに変わりはなさそうです。
OS:相変わらずタスクキルが酷い
MIUIからXiaomi HyperOSになってアニメーションが滑らかになったものの、バックグラウンドに移したアプリが数時間経つと強制終了されてしまう問題は相変わらずです。
バッテリー最適化オフ、自動起動許可、アプリ履歴でのロックなどをしても駄目で、クセが強いことで有名だったOriginOSを搭載するvivo X100 Proのほうがメモリにアプリが残りやすいという逆転現象が起きています。
他社ではゲームなどを優先的にメモリに残すオプションを用意しているところも出ているぐらいですし、ガワだけでなく中身も現代的にアップデートしてもらいたいですね…。
中国版は初期状態では英語ぐらいしか言語を選べないものの、My device→Detailed info and specs→OS versionを7回連打してDeveloper optionsを出し、Additional settingsからDeveloper optionsを開いてUSB debugging・USB debugging (Security)を有効にした上でPCまたはWeb ADBを使ってadb shell
にてsettings put system system_locales ja-JP
を実行して再起動することで日本語設定にできます。
APKMirrorなどでPlayストアのAPKをダウンロードしてインストールするだけでPlayストアを使えます。Playプロテクト認定済みのため銀行アプリ等も使えます。
フォントについてはテーマストアでMcMejiro・Robotoなどをインストールすれば日本語フォントになります。
ニアバイシェアやロケーション履歴などは利用できません。root化して私が作ったMagiskモジュールを入れると有効化でき、システムも大体日本語になります。
ただ、残念なことに中国版Xiaomi HyperOSではBootloader Unlockが実質的に不可能になっており、ncunlock.comのようなサービスセンターのアカウントを横流しした非正規サービスを使わなければいけません。
グローバル版であれば制限が緩いものの中国版との価格差がかなり大きく、消費税や非正規サービス料金を含んでもまだ中国版のほうが安いぐらいです。
Xiaomi HyperOSではBLUするとOTAが来ない制限があるものの、Play Integrity Fixなどを入れていればBLU判定を回避できフルサイズのOTAが降ってきます。
Xiaomi 14 UltraはSoC内蔵の機能を使った超解像やMEMC フレーム補間に対応しています。
外付けのグラフィックチップに比べれば効果は小さめですが、無いよりはマシです。
設定→追加設定→フローティングウィンドウ→サイドバーで動画アプリとして設定したアプリで有効化できます。
ステータスバーの通知アイコンはデフォルトだと1つしか表示されませんが、「Number of notification icons shown」を変えれば3つまでは表示できます。
MIUIだと強制的にアプリアイコンが使われる問題があったものの、HyperOSではアプリ側が指定した動的アイコン (例えばバッテリー監視アプリだと残量の数値など) を出せるようになっています。色は強制的にモノクロになります。
通知領域は通知とクイック設定タイルのページが分かれたスタイルになっており、AOSPスタイルに慣れていると使いにくいです。
まとめ
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 3
- 実測1200nitの明るいディスプレイ
- 1インチセンサー + 可変絞りカメラ
- テレマクロ撮影も可能な望遠とペリスコ両搭載
- ワイヤレス充電対応5,300mAhバッテリー
- 80%で充電停止する機能が追加
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力対応
- IP68防水防塵
- スペックを考えると妥当だが重い
- 発熱時はフレームが熱くなる
- スピーカー穴が塞がりやすい
- 長時間スリープ中はタスクキルされやすい
Xiaomi 13 Ultraでは出来なかったテレマクロ撮影や80Wワイヤレス充電、80%での充電停止など、より使いやすくなっています。
GPUを使うゲームだと発熱しやすいところは相変わらずなものの、省電力な8 Gen 3搭載のおかげで13 Ultraの時よりはフレームの熱さでプレイしにくくなることは少なくなっています。
LYT-900搭載のカメラ重視スマホの中では唯一Bootloader Unlock・root化できるため、カスタマイズして遊びたい方にもおすすめです。
Xiaomi 14 Ultraはグローバル版に技適マークが付いており、日本でも正式に発売されました。
中国では6499元 (税込 約14.7万円) ~ で購入できます。
中国版はBootloader Unlockが難しくグローバルROMを焼くのも一苦労するため、普段使いするなら基本的には日本版を買った方が良いと思います。