ZTE AxonPad 5Gレビュー。世界初、5G通信可能な8+ Gen 1タブレット

ZTE AxonPad 5G

ZTE AxonPad 5G 中兴员工特别版を購入しました。

珍しい5G対応高性能タブレット

ZTE AxonPad 5GはSnapdragon 8+ Gen 1搭載のAndroidタブレットで、5G・4Gデータ通信に対応しています。

8+ Gen 1搭載の高性能タブレットというだけでも珍しいのに、みちびきを含むGPS 位置情報取得にも対応しており屋内でもバッチリ掴めます。

また、タブレットでは珍しいSnapdragon Sound with aptX Losslessに対応しており、高音質なBluetooth音楽再生を楽しめます。

最大の欠点は…「法人向けなので一般人はまず買えない」ことです。

このレビューは8GB+256GB版・MyOS13.0.15MR_PA01で行っています。

  • 高性能なSnapdragon 8+ Gen 1
  • 5Gデータ通信対応
  • 12.1インチ120Hzディスプレイ
  • USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
  • 高速なGPS位置情報取得が可能
  • Snapdragon Sound with aptX Lossless対応
  • 購入ルートがほぼない
  • 普段使い優先でゲーム向き設定はない
  • 通話は不可
  • 指紋認証センサー・microSDカード対応なし
ZTE AxonPad 5G (PA01・P898P01)
OS Android 13
RAM 8GB / 12GB LPDDR5
ストレージ 256GB / 512GB UFS 3.1
SoC Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ 12.1インチ
2560 x 1600
アスペクト比 16:10
120Hzリフレッシュレート
LCD
サイズ 279 × 181 × 6.5mm
重さ 605g (実測619.5g)
SIM nano SIM
リアカメラ 13MP (Hynix hi1336)
フロントカメラ 16MP (Hynix hi1634)
バッテリー 10,000mAh
USB端子 USB Type-C (USB 3.2 Gen1)
バンド 5G:n1/n5/n8/n28/n41/n78
4G:B1/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B20/B34/B38/B39/B40/B41

ZTE AxonPad 5G

説明書、充電ケーブル、充電器などが付属しています。

保護フィルムは貼り付けられていません。

中兴员工特别版 (ZTE従業員特別版) では別途保護ガラスと保護ケースが付属しています。

付属品

充電器は100V地域では45Wまでの急速充電に制限されます。

充電器

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ディスプレイ:綺麗な12.1インチ大画面

ZTE AxonPad 5Gは12.1インチ 2560 x 1600解像度のディスプレイを搭載しています。

手で持ったときに誤操作しにくいようベゼルが残されています。

ZTE AxonPad 5G

LCDですがところどころ丸く削られている部分があるようです。

特に見た目に影響しているようには感じず、色合いや視野角は良いです。

LCD

明るさ自動調整オンでの全白表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大503nitsに達しました。

屋内用途では十分です。

明るさ

nitとは?

明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。

屋内では400~500nits程度、屋外では800~1000nits程度でないと見にくいとされています。

ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。

リフレッシュレートは120Hz対応です。

リフレッシュレート

WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は24.4ms、画面描画遅延は32.3msで合計56.7msでした。

少し遅延が大きめです。

タッチ遅延

タッチ遅延とは?

画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。

この数値が小さいほど、素早く反応するということです。

ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。

Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。

DRM

残念ながら顔認証のみの対応で、指紋認証センサーは搭載していません。

セキュリティ

背面:メタリックで指紋が付きにくい

背面デザインはメタリックで、指紋汚れなども気にせずに済みます。

別途スタイラスペンを購入すれば背面に装着できます。

メタリック

重さは619.5gです。

重さ

カメラ:メモ用途に使いやすい

ZTE AxonPad 5Gは13MP (Hynix hi1336)カメラを搭載しています。

大げさなデザインの割には豆粒センサーです。

カメラ

最短撮影距離が結構短く、近いものにもフォーカスが合いやすいのでメモ用途で使いやすいです。

    カメラ

    スピーカー:低音が比較的強め

    ZTE AxonPad 5Gはクアッドスピーカー搭載です。

    低音が比較的強めで、小さい低音も聞こえやすいですが音量を上げると背面が振動し出します。

    高音は少し控えめで他の音に負けてしまうことがあるように感じます。

    スピーカー

    Awinic aw882xx SmartPAを搭載しています。

    サウンド

    WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると33.1msでした。

    オーディオ

    BluetoothではLDACのほかAAC / aptX / aptX HD / aptX Adaptive / aptX TWS+などにも対応しています。

    Bluetooth

    Snapdragon Sound with aptX Lossless対応です。

    Snapdragon SoundaptXコーデックの設定を細かく行えるタイプで、aptX Adaptiveの96KHzサンプリングレートモードを有効化したり、アプリ毎に高音質かゲーミングモードか選択することもできます。

    オーディオDTS:X Ultra対応です。

    サウンド

    ポート:5Gデータ通信や映像出力も対応

    ZTE AxonPad 5GはUSB 3.2 Gen 1のポートを搭載。

    DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。

    USB Type-C

    nano SIMカードは1枚のみ挿入できます。

    設定からデータプランを7.9CNY~で購入することもできます。WeChat PayかAliPayでしか支払えませんが…。

    SIMカード5Gデータ通信ができます。

    VoLTEに対応しているのでSIMを挿すだけで良いものの、通話機能が無効化されているので通話はできません。

    データ通信

    docomo回線では5Gという表示ですが実際は4G接続でした。

    転用以外の5Gエリアが近くにないのでn78で接続できるかは不明です。

    4G

    GPS、みちびきなどでの位置情報取得ができ、A-GPS対応で屋内であっても素早い測位が可能です。

    GPS

    電源ボタンと音量ボタンは左上に配置されており、電源ボタンはギザギザとしていて押し間違えにくくなっています。

    ボタン下部にはキーボードケース装着用のピン・マグネットが付いています。

    下部

    性能:バッテリー持ち優先の調整

    ZTE AxonPad 5GはSnapdragon 8+ Gen 1を搭載していますが、元々オフィス用途で使うことを前提とした法人モデルなため、ゲーム関連の機能は用意されていない上に普段のパフォーマンスは制限されています。

     

    Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア814・マルチコア2549、通常版でシングルコア1741・マルチコア4567でした。

    かなり大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。

    通常版スコアでも他の8+ Gen 1スマホに比べると低めで、最低限の性能に抑えることで消費電力が削減されています。

    Geekbench

    パッケージ名偽装の必要性

    AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。

    通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。

    メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。

    そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。

    こちらの記事で詳しく解説しています。

    Geekbenchのスコアとは?

    背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。

    普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。

    2023年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。

    ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。

    Geekbench MLにてTensorFlow Lite・NNAPIで計測したAI性能は、スコア314でした。

    ML

    パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア2777→1944で、温度上昇は33℃→42℃ (9℃上昇)でバッテリー消費は7%でした。

    Xiaomi Pad 6 Proに比べると性能が控えめな反面、発熱が少なくバッテリー消費も抑えられています。

    3DMark

    3DMarkのスコアとは?

    Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。

    スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。

    発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。

    2023年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。

    あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。

    ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア10553でした。

    PCMark

    PCMarkのスコアとは?

    ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。

    高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。

    2023年現在は8000以上あれば十分です。

    UFS 3.1ストレージ、LPDDR5メモリを搭載しています。

    そこそこの速度です。ここでも消費電力削減のため抑えられているのかもしれません。

    CPDT

    ストレージ性能とは?

    シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。

    ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。

    原神を最高画質・60FPS設定・スメールでプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、平均51.7FPSで1FPSあたり155.86mWの消費電力でした。

    バッテリー温度は最大42℃程度まで上昇しました。

    省電力チューニングかつパフォーマンスモードもないので、8+ Gen 1タブレットとしてはゲーム性能が少し低めです。

    スメール

    電力効率と平均FPSとは?

    1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。

    電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。

    ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。

     

    平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。

    (細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)

    OS:日本語はADB設定が必要

    ZTE AxonPad 5Gは英語と中国語ぐらいしか言語を選べないものの、開発者向けオプションでUSBデバッグを有効化し、adb shellでsettings put system system_locales ja-JPを実行して再起動することで日本語にできます。(設定などはほぼ英語のままでアプリのみ日本語になります)

    フォントもディスプレイ設定から変更すれば日本語フォントになります。

    中兴员工特别版 (ZTE従業員特別版) であっても特段中身がカスタマイズされているわけではなく、プリインストールアプリは少なめです。

    アプリ

    メーカーカスタムだと潰されていることが多い、アプリ毎に言語を設定する機能はMyOSだと使えるようになっています。

    言語

    ダブルタップで画面オンオフや三本指で画面分割するジェスチャー操作を使えます。

    モーション

    Z-SmartSidebarというサイドバー機能では、好きなアプリを登録しておくことで素早くフローティングウインドウ表示できます。

    スマートバー

    このようにゲーム中にブラウザを開いて調べる、というような使い方も簡単です。

    ウインドウ

    Emergency modeという、一部のハードウェアが故障してもそこをスキップすることで最低限の通信はできるようにする機能が用意されています。

    緊急モード

    独自のセキュリティチップやデュアルOS搭載と宣伝されていて期待していたのですが、設定やセットアップガイドでもそれらしきものは見つかりませんでした。

    ジェスチャーなどでロックを掛けられるデータストレージやアプリ複製機能はあったので、大げさに言っているだけかもしれません。

    まとめ

    • 高性能なSnapdragon 8+ Gen 1
    • 5Gデータ通信対応
    • 12.1インチ120Hzディスプレイ
    • USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
    • 高速なGPS位置情報取得が可能
    • Snapdragon Sound with aptX Lossless対応
    • 購入ルートがほぼない
    • 普段使い優先でゲーム向き設定はない
    • 通話は不可
    • 指紋認証センサー・microSDカード対応なし

    ZTE AxonPad 5GはSnapdragon 8+ Gen 1で格安タブレットとは比較にならない性能を出しつつも、普段は省電力になるよう調整されておりバッテリー持ちは良いです。

    5G・A-GPS対応で高速な位置情報取得ができたりaptX Lossless対応だったりと他のタブレットでは見かけない機能もありますし、個人向けに販売されないことが残念です。

    ZTE AxonPad 5Gは中国の法人なら3499CNY+税~で購入できます。

    ZTEグローバル

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