Redmi Note 13 Pro 5Gグローバル版をいただきました。
ゲーム以外は快適
Redmi Note 13 Pro 5GはSnapdragon 7s Gen 2を搭載しています。
Snapdragon 778Gからの性能向上はほぼなく、電力効率の面では劣っているほどでゲームには不向きです。
ただ120Hzリフレッシュレート対応の明るいディスプレイ、67W急速充電を搭載しつつも重さは187gに収まっているため、普段使いはそれなりに快適です。
ゲームをプレイしない方には良い選択肢だと思います。
このレビューは8GB+256GB版・V14.0.3.0.TNRMIXMで行っています。
- 1100nitの明るいディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート
- 5100mAhバッテリー搭載で重さ187g
- 67W急速充電対応
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- ゲーム性能は低い
- 彩度が高すぎるカメラ
- 背面が鏡面で指紋汚れが目立つ
- 対応バンドが少ない
Redmi Note 13 Pro 5G (2312DRA50G) | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB / 256GB UFS 2.2 |
SoC | Snapdragon 7s Gen 2 |
ディスプレイ | 6.67インチ FHD+ 2712 x 1220 アスペクト比 20.01:9 120Hzリフレッシュレート OLED |
サイズ | 161.15 × 74.24 × 7.98mm |
重さ | 187g (実測189.7g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 200MP (OIS / Samsung S5KHP3) + 8MP (超広角 Sony IMX355) + 2MP (マクロ OMNIVISION OV02B10) |
フロントカメラ | 16MP (OMNIVISION OV16A1Q) |
バッテリー | 5,100mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | SA:n38/40/41/77/78/1/3/5/8/28a NSA:n38/40/41/77/78/1/3/5/8/28a LTE FDD:1/3/5/8 LTE TDD:38/40/41 WCDMA:1/5/8 GSM:3/5/8 |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。
付属ケースが透明ではなく黒なので、黄ばみの心配がありません。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
ディスプレイ:格安ながらも狭ベゼル
Redmi Note 13 Pro 5Gは6.67インチ 2712 x 1220解像度のディスプレイを搭載しています。
画面占有率は94%でベゼルが細めです。
Corning Gorilla Glass Victusが採用されており、1920Hz PWM調光で目の負担が軽減されています。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1126nitに達しました。
廉価モデルでも1000nitを超える明るさを出せるとは素晴らしいです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにInput Event Invoke Rateは120Hz、Movement Rateは240Hz程度でした。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は12.1ms、画面描画遅延は28.4msで合計40.5msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:指紋汚れが目立ちやすい
ブラックの場合、背面が鏡のように反射するタイプのため指紋汚れなどが目立ってしまいやすいです。
汚れていないときは昔のXperia XZ Premiumのようで高級感はあるものの、汚れが気になる方は背面保護フィルムを貼らないといけません。
重さは189.7gです。
最近のスマホは200gを超えることが多いため、大画面・5100mAhバッテリーでありつつも190g未満に抑えられているのは好印象です。
カメラ:日中は十分綺麗だが彩度高め
Redmi Note 13 Pro 5Gは
- 200MP (OIS / Samsung S5KHP3)
- 8MP (超広角 Sony IMX355)
- 2MP (マクロ OMNIVISION OV02B10)
というトリプルカメラ構成です。メインカメラ以外は数合わせのようなものですね。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
彩度が高めで、実際よりも鮮やかに映ってしまいます。
SNS用には良いと思います。
4倍ズームだと10cmほどの距離からマクロ撮影できます。
ペリスコープ望遠レンズがないものの、200MPのおかげでなかなか綺麗に撮れます。
マクロモードだと全く寄れない上に汚いので、マクロ撮影する場合はマクロモードをオフにして4xで撮影したほうが良いです。
夜景モードでは肉眼に近い暗さで、明るく撮影はできませんでした。
スピーカー:低音が弱い
Redmi Note 13 Pro 5Gはステレオスピーカー搭載です。
左右非対称で、下部スピーカーのほうがやや音が大きいです。
低音やボーカルが弱く、高音がやや目立ちやすいです。
上部にはイヤホンジャックがあります。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると32.4msでした。
BluetoothではLHDC / LDACのほかAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptiveなどにも対応しています。
ポート:67W急速充電に対応
Redmi Note 13 Pro 5GはIP54防水防塵です。
67W急速充電に対応した5100mAhバッテリーを搭載しており、廉価モデルながらも充電時間に悩まされることなく快適に使えます。
急速充電するにはバッテリー設定で「充電を高速化」をオンにする必要があります。
対応バンドは
- SA:n38/40/41/77/78/1/3/5/8/28a
- NSA:n38/40/41/77/78/1/3/5/8/28a
- LTE FDD:1/3/5/8
- LTE TDD:38/40/41
- WCDMA:1/5/8
- GSM:3/5/8
でY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線向きです。
VoLTE通話も可能です。
背面とは異なり、マットで指紋がつきにくいようになっています。
性能:ゲームは無理だが普段使いには十分
Redmi Note 13 Pro 5GはSnapdragon 7s Gen 2を搭載しており、名前こそ立派ですが性能面では2021年発表のSnapdragon 778Gとほとんど変わりません。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1033・マルチコア2966、通常版でシングルコア1032・マルチコア3008でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2023年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア802→796でした。
Snapdragon 778Gから2年経つというのにほぼ進化しておらず、Snapdragon 870のサーマルスロットリング後の性能を出すのがやっと、といったところです。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。
2023年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア12051でした。
3Dゲームには不向きであるものの普段使いにはそれほどGPU性能は要らないため、3DMarkのスコアは悪い一方PCMarkでは十分なスコアとなっています。
実際の使用感でも、ゲーム以外のウェブサイト・SNS閲覧や動画再生などはスムーズにできました。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2023年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 2.2ストレージ、LPDDR4Xメモリを搭載しています。
そこそこの速度です。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 6で計測すると、平均34.5FPSで1FPSあたり138.26mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大34℃程度まで上昇しました。
Google Tensor G2と同じくらいの電力効率の悪さで、同じ作業でもバッテリー消費が大きくなってしまいます。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
崩壊:スターレイルを最高画質・仙舟「羅浮」で15分プレイすると平均14.9FPSでした。
GPU性能が低すぎるので、画質をかなり下げないとプレイは不可能です。
ちなみにBootloader UnlockしようとするとMi Unlock状態でアカウント紐付けする段階で「The system in being upgraded , please try again later.」と表示され拒否されてしまいます。
Xiaomi HyperOSプリイン機種と同様のBootloader Unlock制限をされているようです。
まとめ
- 1100nitの明るいディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート
- 5100mAhバッテリー搭載で重さ187g
- 67W急速充電対応
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- ゲーム性能は低い
- 彩度が高すぎるカメラ
- 背面が鏡面で指紋汚れが目立つ
- 対応バンドが少ない
ゲーム性能こそ低いものの、ディスプレイは明るく綺麗で滑らかな120Hzリフレッシュレート対応、5100mAhバッテリーで67W急速充電に対応しつつ重さは190g未満と、普段使いでのストレスを低減する機能が色々搭載されています。
Redmi Note 13 Pro 5Gは普段ゲームはプレイしない、普段使いが快適ならそれでいいという方にはおすすめです。