nubia Z60 Ultraレビュー。画面下カメラで穴なし全画面を実現した8 Gen 3スマホ

nubia Z60 Ultra

nubia Z60 Ultraを貸し出していただきました。

完全なる全画面スマホ、ただし超重量級

nubia Z60 Ultraは画面下カメラを採用することでノッチ・パンチホール・エッジ・角丸すべてを排除した、真の全画面スマホです。

映像を邪魔するものはなにもなく、フラットディスプレイなので端から端まで見やすく操作しやすいです。

また、Snapdragon 8 Gen 3を搭載しており、原神や崩壊:スターレイルも余裕で60FPSプレイできる高い性能も持っています。

バッテリー容量も6,000mAhと大容量なのですが、その分実測247.5gとかなりの重さです。

このレビューは16GB+512GB版・MyOS14.0.8MR2_NX721J_GBで行っています。

  • 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 3
  • パンチホールのないフラットディスプレイ
  • 64MP 望遠 & 50MP 超広角カメラ搭載
  • 6,000mAhバッテリー
  • バイパス充電やUSB PD 60W対応
  • USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
  • IP68防水防塵
  • 240g超えでかなり重い
  • スピーカー音質は微妙
  • 日本語訳が洗練されていない
nubia Z60 Ultra (NX721J)
OS Android 14
RAM 8GB / 12GB / 16GB LPDDR5X
ストレージ 256GB / 512GB UFS 4.0
SoC Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ 6.8インチ
2480 x 1116
アスペクト比 20:9
120Hzリフレッシュレート
AMOLED
サイズ 163.98 x 76.35 x 8.78mm
重さ 246g (実測247.5g)
SIM nano SIM + nano SIM
リアカメラ 50MP (OIS / Sony IMX800)
+ 50MP (OIS / 超広角 OMNIVISION OV50E40)
+ 64MP (OIS / 望遠 OMNIVISION OV64B40)
フロントカメラ 12MP (OMNIVISION OV12D2Q)
バッテリー 6,000mAh
USB端子 USB Type-C (USB 3.2 Gen 1)
バンド NSA:n41/n77/n78(3.3~3.6GHz)/n7/n40;
SA:n41/n77/n78(3.3~3.6GHz)/n1/n3/n5/n8/n28/n2/ n7/n40/n66/n38
FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/ 26/28/66;
TDD:B34/39/40/41/38;
UMTS:B1/2/4/5/8;
GSM:B2/3/5/8;
CDMA :BC0

nubia Z60 Ultra

説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。

残念ながら保護ケースは上下のフレームしか保護できず、左右はノーガードです。

保護フィルムは最初から貼り付けられています。

nubia Z60 Ultra

充電器は100V地域でも約80Wでの急速充電ができるタイプです。

充電器

ディスプレイ:インカメラがほぼ見えない

nubia Z60 Ultraは6.8インチ 2480 x 1116解像度のディスプレイを搭載しています。

nubia Z60 Ultra

インカメラは白背景・黒背景どちらの時でも見えず、画面が暗くなったときに少し見えやすくなる程度に隠されています。

端から端まで見やすいため、ゲーム中や動画再生時などに没入感が高まります。

ただしインカメラ画質はやはり悪く、白くもやがかかったような写真になるので自撮りには向いていません。

インカメラ

デフォルトが一番良いので調整する必要はないと思いますが、画面下カメラの部分の輝度を下げたり色を変えたりすることもできます。

輝度

配列はダイヤモンドピクセルです。

配列

明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、971最大nitに達しました。

明るさ

nitとは?

明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。

屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。

ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。

リフレッシュレートは120Hz対応です。

リフレッシュレート

タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにInput Event Invoke Rateは120Hz、Movement Rateは240Hz程度でした。

タッチ

WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は14.2ms、画面描画遅延は28.3msで合計42.5msでした。

タッチレイテンシー

タッチ遅延とは?

画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。

この数値が小さいほど、素早く反応するということです。

ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。

Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。

Widevine

背面:指をひっかけやすい

背面はマット加工されており、指紋汚れなどが付きにくいです。

背面

カメラの出っ張りは2段になっており、指をひっかけると少し持ちやすくなります。

左右どちらのカメラも同じ程度の厚みの出っ張りなので、机に置いたときのガタつきは少し抑えられています。

カメラ

重さは247.5gです。

バッテリー容量が大きいとはいえ、折りたたみスマホを超えるレベルの重さとは…。

重さ

カメラ:フィルター多数

nubia Z60 Ultraは

  • 50MP (OIS / Sony IMX800)
  • 50MP (OIS / 超広角 OMNIVISION OV50E40)
  • 64MP (OIS / 望遠 OMNIVISION OV64B40)

というトリプルカメラ構成です。

カメラ

手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。

やや彩度が高めの傾向です。

「番地」モードもとい「ストリート」モードではピントを固定したりフォーカスピーキングでピントが合っている部分を把握しやすくしたりできます。

ストリート

超広角でも綺麗に撮影しやすいように思います。

デジタルズームは弱いようで、塗り絵気味な印象になることが多いです。

超広角

プロモードでISO等を調整すれば月も撮影できます。

プロモードでは最大30倍までズームできます。

40cmほど離さないとペリスコープ望遠レンズでは撮影できないため、テレマクロ撮影には向いていません。

月

月を大げさに強調するムーンライト、光量を調整できる電子絞り、星空モードなど様々な撮影モード・フィルタが用意されています。

色々な表現方法を試せて良さそうですね。

フィルター

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スピーカー:低音が弱い

nubia Z60 Ultraはステレオスピーカー搭載です。

通話用と兼用タイプで、左右非対称です。

低音と高音が弱く、ボーカルが目立つ印象です。

音量を上げると背面が振動してしまうため、少し不快感があります。

スピーカー

WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると33.8msでした。

WALT

BluetoothではLDACをはじめとしてAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptiveなどにも対応しています。

コーデック

ポート:多様な映像出力モード

nubia Z60 UltraはIP68防水防塵で、多少の水濡れは問題ありません。

ポート

USB 3.2 Gen 1ポートで、DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。

映像出力モード

単純にミラーリングするだけでなく、nubia Z60 Ultraの画面をタッチパッドやコントローラーとして使うモードや、モニターとnubia Z60 Ultraで別々のアプリを表示できるモードなども用意されています。

大手メーカーでも映像出力時の使い勝手にメスを入れているところは少ないですし、色々な使い方に対応できるというのは良いと思います。

タッチパッド

バッテリー容量は6000mAhと大容量で、USB PDでも60W急速充電ができるため付属の充電器を使わなくても済みます。

小型充電器やモバイルバッテリーなど、充電器の選択肢の幅が広がるので良いですね。

USB PD

急速充電を使うには設定で「ターボチャージ」をオンにしておく必要があります。

アプリをバックグラウンドで動作させ続けるための設定は「アプリの最適化」でできます。

充電

充電分離をオンにすれば、バッテリーを充電せずに直接電力供給できるようになるため、発熱を抑えつつバッテリー残量を気にすることなくゲームプレイできるようになります。

充電分離

電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。

ボタンスライドスイッチもあり、カメラアプリを開いたりマナーモードにしたりできます。

スイッチWi-Fi 7・6GHzでの高速な通信が可能です。

TP-Link Deco BE85に接続するとリンク速度は2882Mbpsでした。

Wi-Fi

性能:原神やスタレも60FPS余裕

nubia Z60 UltraはSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、8 Gen 2を遙かに超える高い性能でありつつも電力効率は同じ程度です。

ゲーミングスマホを名乗っていないものの、原神や崩壊:スターレイルといった重量級ゲームも60FPSで快適にプレイできます。

 

Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア2276・マルチコア7060、通常版でシングルコア2286・マルチコア7185でした。

大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。

Snapdragon 8 Gen 3の中でもトップクラスのCPU性能です。

CPU

パッケージ名偽装の必要性

AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。

通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。

メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。

そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。

こちらの記事で詳しく解説しています。

Geekbenchのスコアとは?

背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。

普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。

2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。

ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。

パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア5077→3498で、温度上昇は22℃→39℃ (17℃上昇)でバッテリー消費は10%でした。

発熱で性能を抑えられた時点でさえ、Snapdragon 8 Gen 2のピーク時並の性能を維持できています。

3DMark

3DMarkのスコアとは?

Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。

スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。

発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。

2024年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。

あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。

ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア15596でした。

PCMark

PCMarkのスコアとは?

ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。

高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。

2024年現在は8000以上あれば十分です。

UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。

リード・ライト共にトップクラスの速度です。

CPDT

ストレージ性能とは?

シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。

ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。

原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 6で計測すると、平均59.6FPSで1FPSあたり99.5mWの消費電力でした。

バッテリー温度は最大36℃程度まで上昇しました。

水中で左右にカメラを動かしたときなどにFPSが落ちることがあったのが少し気になったものの、全体的にはスムーズなプレイができています。

原神

電力効率と平均FPSとは?

1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。

電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。

ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。

 

平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。

(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)

崩壊:スターレイルを最高画質・仙舟「羅浮」で15分プレイすると平均60.1FPSでした。

スタレは原神よりもGPUを使う傾向にあり、消費電力も発熱も大きく上がっています。

スマホクーラーを使うか、少し設定を下げてプレイしたほうが良さそうです。

HSR

OS:日本語訳が微妙

nubia Z60 Ultra グローバル版はプリインストールアプリが最低限に抑えられており、Google系アプリ以外ではファイルマネージャーやブラウザといった基本アプリが入っています。

余分なゲームアプリやFacebookなどが入っていないので、アンインストールの手間が省けます。

アプリ

壁紙やアイコンはもちろん、アニメーションやエフェクトなどのカスタマイズも可能。

ただしフォントスタイルは変更できません。

初期ファームウェアだと中華フォントになってしまうため、購入したらまずアップデートしましょう。

テーマ

nubia Z60 Ultraは日本語対応なのですがカメラアプリの「番地」を筆頭として、色々な部分におかしな日本語訳が混じっています。

誤訳は少ないので致命的なデメリットというほどではないものの、ハイエンドスマホで翻訳が微妙だと残念な気持ちになってしまいます。

おそらく今の日本語翻訳チームは実機を持たずに英文だけを見て翻訳しているのでしょう。実機があれば一発で誤訳と分かる箇所が多いですし、翻訳に参加させて欲しいぐらいです…。

ストリート

アプリ複写機能を使うとLINEなどのアプリを2つのアカウントで使えるようになります。

すべてのアプリで対応しているわけではないようです。

アプリ複写

ダブルタップで画面オンオフなどのジェスチャー機能も豊富です。

ジェスチャー

まとめ

  • 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 3
  • パンチホールのないフラットディスプレイ
  • 64MP 望遠 & 50MP 超広角カメラ搭載
  • 6,000mAhバッテリー
  • バイパス充電やUSB PD 60W対応
  • USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
  • IP68防水防塵
  • 240g超えでかなり重い
  • スピーカー音質は微妙
  • 日本語訳が洗練されていない

 

nubia Z60 Ultraはゲームや動画に没入できる美しいディスプレイを搭載しており、原神や崩壊:スターレイルなども余裕で60FPS維持できるほどにゲーム性能もかなり高いため、普段使いもゲームも快適にしたい方におすすめです。

電力効率が良いうえにバッテリー容量が6,000mAhと大容量なのは良いものの、240g超えの重量級スマホなので腕が疲れやすいのが少しネックです。

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