YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiを購入しました。
14.5インチOLEDでノッチなし
Lenovo YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqi (YOGA Pad Pro 14.5 AI元启版) はLenovo初となる独自SoC SS1101搭載のタブレットです。
MediaTek Dimensity 9300に近い性能ながら電力効率は大きく劣っており、SoC性能だけ見れば愛国心のある中国人ぐらいしか買わなさそうなスペックです。
ただしディスプレイやポート面では他社タブレットに比べて優位性があり、14.5インチ3000 x 1876解像度でノッチのないOLEDディスプレイにより映像やゲーム、マンガなどを大画面で楽しめます。
USB 3.2 Gen 2ポートでのモニターへの映像出力に加えDisplayPort入力が可能なUSB Type-Cポートも搭載していることで、YOGA Pad Pro 14.5のディスプレイをWindows PCなどのモニターとして使うこともできます。
このレビューは16GB+512GB版・TB571FU_CN_SEC_USER_H0414_V_ZUXOS_1.1.11.039_ST_250521で行っています。
コードネームはTitansです。前モデルにあたるY900ではInception (アクション映画タイトル) だったのでティターンズではなくタイタンズのほうだと思います。
- 鮮やかでクリアな14.5インチOLEDディスプレイ
- ノッチなし
- 実測1087nitで明るい
- 大容量12,300mAhバッテリー
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力&映像入力対応
- 性能はそこそこ
- 電力効率は悪い
- バイパス給電非対応 (80%止めは可能)
| Lenovo YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqi (TB571FU) | |
|---|---|
| OS | Android 15 |
| RAM | 16GB LPDDR4X? |
| ストレージ | 512GB UFS 3.1? |
| SoC | Smarter Silicon SS1101 |
| ディスプレイ | 14.5インチ 3000 x 1876 アスペクト比 16:10.01 120Hzリフレッシュレート OLED |
| サイズ | 327.1 × 210.44 × 5.45mm |
| 重さ | 実測718.1g |
| リアカメラ | 13MP (OMNIVISION OV13B10) + 8MP (超広角 GalaxyCore GC08A8) |
| フロントカメラ | 32MP (GalaxyCore GC13A2) |
| バッテリー | 12,300mAh |
| USB端子 | USB Type-C (USB 3.2 Gen 2 / DisplayPort出力) + USB Type-C (DisplayPort入力) |
目次
保護フィルムはPDA工房などから発売されています。
ディスプレイ:クリアで見やすい
YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiは14.5インチ3000 x 1876解像度のOLEDディスプレイを搭載しています。
107% NTSC、コントラスト比2,000,000:1、DeltaE<1とのことで、確かに前モデルのLenovo Legion Y900に比べるとより色が鮮やかでクリアに見えるよう改善されていました。
色温度などは調整可能で、ダブルタップで画面オンオフに対応しています。
Xiaomi Pad 7 Ultraと違ってノッチがないため、マンガやウェブサイトなどを見るときにコンテンツを邪魔するものは何もありません。
ダイヤモンドピクセルではなくShift BRBG配列です。
EverDisplay (EDO) 製のHX5329パネルでした。
明るさを最大にして全白画像を表示した状態で輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1087nitに達しました。
日中の屋外でも十分見やすいです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは平均120Hz程度でした。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら高めで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計55.7msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオなどで高画質なストリーミング再生ができます。
背面:ツートン仕様
背面はマット加工されており、指紋汚れなどが付きにくいです。
カメラがある部分は横幅一杯に出っ張っているので、机に置いたときにあまりガタガタしません。
重さは718.1gです。
スピーカー:6基搭載
6基のスピーカーを搭載しており、17cc・34Wとのことです。
Harman KardonによるチューニングがされていてDolby Atmosに対応しています。
音の広がりがよく、低音は強くドラムやベースもしっかり聞こえます。
高音はやや控えめな印象ですが十分クリアに聞こえます。
デフォルトだと少しこもったように聞こえることがあったため、Dolby Atmosの設定で「音楽」にしておいたほうが良さそうです。
内部パーツはほぼ中国メーカーのものが使われています。
AW88396とCirrus Logic CS47L90を採用しているようです。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / LDACに対応していました。
ポート:映像出力と入力どちらも対応
YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiは12,300mAhという大容量バッテリーを搭載しており、68W急速充電対応です。
バッテリー残量を40~60%の間で維持するモードのほか、80%になったら充電を停止するモードもありますが、残念ながらバイパス給電には対応していません。
前モデルLenovo Legion Y900では40~60%の間で維持するモードしかなく、2年間充電器に繋ぎっぱなしにするとサイクルカウント196・最大容量87%となっていました。
80%で充電停止するモードではある程度の電力は充電器から直接給電してくれるようなので、Y900よりバッテリー寿命は長くなりそうです。
USB 3.2 Gen 2ポートで高速なデータ転送ができ、DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。
下の端にあるほうのUSB Type-CポートはDisplayPort-In対応で、YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiのディスプレイをWindows PCなどのモニターとして使えます。
より大画面でAndroidアプリを表示したい、ノートPCやミニPCの映像をどこでも綺麗に表示できるサブモニターが欲しい、という2つを一台で叶えられるのは素晴らしいです。
映像モードはタブレットとモニターで同じ映像を表示する「ミラーモード」に加え、タブレットとモニターで別々の表示をする「拡張モード」も選べます。
電源ボタンや音量ボタンは正面左上のほうにあります。
性能:電力効率はまだまだ及ばず
YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiは『SS1101』というLenovo独自SoCを密かに搭載しており、2 x 3.29GHz・3 x 2.83GHz・2 x 1.9GHz・3 x 1.71GHzでGPUにはMali-Immortalis-G720を採用したユニークな構成になっています。
製造にはSmarter Silicon (Shanghai) Technologies Co., Ltd.が関わっているようで、SoCメーカーはLenovoではなくSmarterSiliconと記載されていました。
CPU性能はGoogle Tensor G3やMediaTek Dimensity 9300+などと同程度、GPU性能はSnapdragon 8 Gen 2をやや上回る程度でそこそこ良いですが、電力効率は消費電力が高めで悪いです。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1892・マルチコア4376、通常版でシングルコア2020・マルチコア6859でした。
特にマルチコアで大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
シングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア3694→3004でした。
安定度は81.3%で、41℃までバッテリー温度は上昇していました。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア14705でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
8000以上あれば十分です。
メモリとストレージの規格は明かされていませんが、CPDT Benchmarkで計測した結果的にはLPDDR4X・UFS 3.1以下、もしくは性能を最大限活かせていない状況と思われます。
体感できる速度としてはそれほど大きな影響はないとはいえ、Legion Y900からほぼ進化していないのは残念です。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・ナタ (ムアラニでスキルを使って道なりに移動) で30分プレイしてScene 8で計測すると、平均55.5FPSで1FPSあたり232.43mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大39.6℃程度まで上昇しました。
Snapdragon 7+ Gen 3を搭載したALLDOCUBE iPlay 70 mini Ultraに劣る平均FPS・電力効率のため、ユーザー目線で言えば独自SoCを採用するメリットは全くなく、ただ中国の国策である内製化を実現する足がかりにしかなりません。
今後の発展に期待したい…と言いたいところですが、アメリカによる中国への制裁が始まっており最新技術を使えない状況にあるため、よほどのブレイクスルーがない限りはQualcommとMediaTekの足下にも及ばない状態が続くと思われます。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをパフォーマンスモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して30分プレイすると平均39.7FPSでした。
4分ほどでもう40FPS以下に制限されていて、発熱は39.4℃に抑えられているとはいえ動作的には快適ではないですし電力効率も悪いです。
OS:日本語はADBで設定可能
YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiはZUX OSを搭載し、デフォルトでは英語や中国語しか選べませんが、こちらの方法を使うことで日本語にできます。
Lenovo Legion Y700 Gen 4では日本語化してもクイック設定などが英語のままになっていたものの、YOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiではちゃんと日本語表示になります。
APKMirrorなどでPlayストアのAPKをダウンロードしてインストールしたあと、Google Play開発者サービスを有効化するとPlayストアを使えます。
Lenovo独自の連携機能により、Y700などの画面をミラーリング表示したり、ファイルやクリップボードの内容を転送したりできます。
まとめ
- 鮮やかでクリアな14.5インチOLEDディスプレイ
- ノッチなし
- 実測1087nitで明るい
- 大容量12,300mAhバッテリー
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力&映像入力対応
- 性能はそこそこ
- 電力効率は悪い
- バイパス給電非対応 (80%止めは可能)
Lenovoタブレット初の独自SoC SS1101はMediaTek Dimensity 9300と同程度の性能で電力効率は劣っているため、前モデルからの性能面での大きな改善は見られません。
Lenovo以外にXiaomiもXRING O1という独自SoCをXiaomi 15S Pro・Xiaomi Pad 7 Ultraに搭載していますが、こちらも電力効率の悪さが指摘されています。
制裁回避のため各社が独自SoC開発に乗り出したのでしょうが、結局はトップメーカーには簡単には追いつけないことを見せつけられるだけの結果となりました。
『明るく綺麗な14.5インチOLED』『モニターとしても使える』というところが魅力的に感じられるならYOGA Pad Pro 14.5 AIYuanqiは唯一無二ですし、おすすめです。
大きい画面ならLCDでも構わない、ゲームも快適にプレイできる高性能タブレットが欲しい、という場合は13.2インチでSnapdragon 8 Elite搭載のOnePlus Pad 3のほうが安くて高性能です。
中国では4999元 (税込 約10.6万円)~で購入できます。





























