評価: 5
vivo X90 Pro+を定価で購入しました。
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8 Gen 2と1インチIMX989カメラで隙のないスペック
vivo X90 Pro+はSnapdragon 8 Gen 2を搭載したスマートフォンです。
Snapdragon 8+ Gen 1をも超える高性能・省電力なSoCでゲーム性能がかなり高い上に、1インチSONY IMX989カメラやV2チップ搭載のおかげでカメラ性能も最高峰です。
IP68防水防塵に2K E6材料のAMOLEDディスプレイ、Hi-Fi DAC搭載でUSB 3.2 Gen 1など、隙がありません。
このレビューは12GB+256GB版で行っています。
- 圧倒的な性能を誇るSnapdragon 8 Gen 2
- 1インチSONY IMX989 + ペリスコープ望遠搭載
- フレア・ゴーストを抑えるZEISS T*コーティング
- 実は144Hzリフレッシュレート対応
- 実測1019nitsの明るいディスプレイ
- 低タッチ遅延
- 超高速な超音波式指紋認証
- IP68防水防塵
- USB 3.2 Gen 1ポート搭載
- 日本キャリアのVoLTEに対応
- 重たい
- スピーカーは微妙
- OSのクセが強い
vivo X90 Pro+ V2227A | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 12GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.78インチ QHD+ 3200 × 1440 アスペクト比 20:9 LTPO 120Hzリフレッシュレート (隠れ144Hz対応) AMOLED |
サイズ | 164.35 × 75.29mm × 9.7mm |
重さ | 221.0g |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS・Sony IMX989) + 50MP (ポートレート OIS・Sony IMX758) + 48MP (超広角 Sony IMX598) + 64MP (ペリスコープ望遠 OIS・OmniVision OV64B) |
フロントカメラ | 32MP (Samsung S5KGD2) |
バッテリー | 4700mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.2 Gen 1) |
バンド | 2G GSM: 850/900/1800/1900MHz 2G CDMA: BC0/BC1 3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42 4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20 B25/B26/B28/B66 5G:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78/n79 |
目次
付属品は保護ケース、充電器、USB Type-C to Cケーブル、SIMピン、説明書です。
保護ケースは本体と同じ手触りのレザーになっており、ちゃんとZEISSロゴも付いているためデザインを損ねることなく保護できます。
付属の80W充電器はUSB Type-Cポート搭載です。
USB PD対応です。
Quick Charge 2.0に対応しているほか、vivo独自のVFCPで80W充電できるようになっています。
実は144Hzリフレッシュレート対応の2K AMOLEDディスプレイ
vivo X90 Pro+は6.78インチQHD+ (3200 × 1440) 解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。
Samsungの社外向けとしては最新世代であるE6材料を使用しており、鮮やかな発色で綺麗です。
ダイヤモンドピクセル配列です。
画面の色温度設定ではZEISS Natural Colorも選べるようになっています。
vivo X90 Pro+は正式には120Hzリフレッシュレートまでの対応のはずなのですが、何故か内部的には144Hzリフレッシュレートに対応しています。
adb shellで
settings put system peak_refresh_rate 144.0
settings put system min_refresh_rate 144.0
settings put global vivo_screen_refresh_rate_mode 144
を実行するとゲームアプリなどで144Hzリフレッシュレートになります。
144Hzに正式対応しているiQOO 11 Proと同じパネルを使い回しているのかもしれません。
ピーク輝度は1800nitsとされており、実際に明るさ自動調整オンでのHDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1019nitsに達しました。
ピークと全白では差があるもののかなり明るく、屋外でも十分見やすいです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計27.6msでした。
ROG Phone 6などのゲーミングスマホに並ぶレベルの低遅延です。
120Hz時の計測結果なので、144Hz対応ゲームであればさらに低遅延になる可能性があります。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
一発で指紋登録、超高速な画面内指紋認証
vivo X90 Pro+は超音波式の画面内指紋認証センサー、Qualcomm 3D Sonic Sensor Maxを搭載しています。
何度も指紋登録しなくても一度押すだけで登録が完了します。
認証もかなり高速で、一般的な光学式センサーとは比べものにならない精度です。
少し濡れているときなど光学式センサーだと認証に失敗しやすいシーンでもvivo X90 Pro+なら問題ありません。
指紋認証できる範囲も広いため、快適です。
レザーで指紋が付きにくい背面
vivo X90 Pro+の背面はレザー調で、指紋が付きにくいです。
黒の他に赤色もあります。
重さは224.9gと重たいですが、カメラの出っ張りが大きいため指を引っかけて持ちやすいです。
1インチセンサーと64MPペリスコープ望遠で中距離も綺麗に
vivo X90 Pro+は
- 50MP (OIS・Sony IMX989)
- 50MP (ポートレート OIS・Sony IMX758)
- 48MP (超広角 Sony IMX598)
- 64MP (ペリスコープ望遠 OIS・OmniVision OV64B)
というクアッドカメラです。
Xiaomi 12S Ultraと同じ1インチセンサーを搭載し、ペリスコープ望遠がたった8MPだったvivo X80 Proから64MPへと大幅にアップグレードされています。
レザー調なので仕方がないところもありますが、カメラ周りが周囲のレザー部分から浮いており少し不格好な感じがします。
すべて手持ちで撮影した写真はこちらに保存しています。
ZEISSとコラボすることでZEISS ナチュラルカラーモードも搭載しています。
ZEISS ナチュラルカラーをオンにすると彩度を抑え、よりリアルな色彩で撮影できます。
ZEISS ナチュラルカラーをオンオフして撮影してみると、確かにオンのほうが空や紅葉の色のビビッドさが抑えられていることが分かります。
実際の色合いに近いのはZEISS ナチュラルカラー オンの色合いでした。
同じIMX989搭載でLEICAコラボのXiaomi 13 Proとの比較では、vivo X90 Pro+のほうが実物に近い色合いでした。
ZEISS ナチュラルカラー以外にも様々なカメラモードが追加されています。
料理向けのFOODモードでは、通常よりも濃い色に調整されるようです。
「ZEISS風景&建築物」の中にはフォーカスの合っている部分以外のボケをなくして鮮明に写すZEISS EDoF、建物の遠近感を補正してくれるZEISS APCなどもあります。
残念ながらZEISS EDoFは等倍でしか撮影できません。これこそズームして使いたいのに…。
vivo独自の映像処理チップV2のおかげで各種映像処理は高速に行われます。
1x、2x、3.5x、100xの順にズーム撮影してみると、3.5xの段階で空の色が水色に近くなってしまったものの、ディテールの潰れは少なめです。
100xではさすがに電柱に変な模様が出てしまっています。
8~9x程度までなら綺麗に写せるため、少し離れた位置から影にならないよう物撮りする用途にも良さそうです。
3.5xズーム中も手ぶれしにくく、鳥が飛んでいるのを見て慌てて撮影した写真でもくっきり映っています。
夜景撮影でも綺麗にズームできます。
明るい時間帯に比べると細部の潰れが発生しやすいものの、ほぼ光源のない曇り空で3.5xズームしても紅葉の形や壁の模様がはっきり分かりやすいです。
Xiaomi 13 Proと比較してもかなり明るく、ディテールも良いです。
ZEISS T*コーティングのおかげでフレア・ゴーストに強く、直射日光でもかなり抑えられています。
Xiaomi 13 Proだと同じようなシチュエーションで太陽の周りにエフェクトが大きく出ていることが分かります。
ライトを含む夜景撮影でも白飛びしにくいです。
夜景モードでは星空モードや長時間露光なども使えます。
夜景撮影では電線周りの処理も綺麗で、ノイズが少ないです。
最大8K動画まで撮影でき、Dolby Visionでの撮影も可能です。
日本キャリアのVoLTEに対応
vivo X90 Pro+は下部側面にスピーカー、USB Type-CポートとSIMスロットがあります。
80W急速充電に加え、50Wでのワイヤレス充電も可能です。
なんと日本キャリアでもVoLTEが利用でき、APNも豊富に登録されているためSIMカードを入れるだけで5G通信までできちゃいます。
対応バンドは
- 2G GSM: 850/900/1800/1900MHz
- 2G CDMA: BC0/BC1
- 3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19
- 4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42
- 4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20 B25/B26/B28/B66
- 5G:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78/n79
で、Y! mobileやSoftBank、LINEMO
ただしOCN モバイル ONEの場合はAPN設定に注意が必要です。
新コース向けのAPN設定になっていないため、
- APN … ocn.ne.jp
- ユーザー名 … mobileid@ocn
- パスワード … mobile
- 認証タイプ … CHAP
- MVNOタイプ … SPN
に設定しておかないと通信が不安定になります。
スピーカーはイマイチ
vivo X90 Pro+はステレオスピーカーではあるものの、左右対称ではなく通話用と兼用タイプです。
低音はあまり出ておらず、スカスカとした音に感じます。
約13万円するスマホとしては期待外れです。
Hi-Fi DAC CS43130搭載です。
USB Type-C接続のイヤホンを使用する際、設定でHi-Fiを有効化しておけば利用できます。
電源ボタンと音量ボタンは右側面にあります。
最高画質の原神も軽々60FPSでプレイできるSnapdragon 8 Gen 2
vivo X90 Pro+が世界初搭載したSnapdragon 8 Gen 2は、Snapdragon 8+ Gen 1をも超える高い性能を持ちながらも省電力となっています。
Geekbench 5では原神偽装版でシングルコア1492・マルチコア5171、通常版でシングルコア1487・マルチコア5189でした。
パッケージ名判定での大きな性能制御は行っていないようです。
Geekbench MLにてTensorFlow Lite・NNAPIで計測したAI性能は、スコア659でした。
Snapdragon 870搭載のOPPO Find X3よりも低いというよく分からないスコアのため、OriginOSのNNAPIではうまくハードウェア性能を引き出せていないのかもしれません。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア13390で、温度上昇は23℃→52℃ (29℃上昇)でバッテリー消費は17%でした。
妙に温度が高いため、ベンチマーク実行中であることを検知して熱制御を緩めているのかもしれません。
【追記】実際にパッケージ名を変更してテストし直したところ、熱制御を緩めていることを確認しました。
また、3DMarkではシステム設定にかかわらず常に144Hzリフレッシュレート固定になるよう設定されています。通常のユーザーが設定できない・普段使いからかけ離れた構成でのデータになってしまうため、これでは他機種との公平な比較に使えません。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア3741→2436で、温度上昇は23℃→37℃ (14℃上昇)でバッテリー消費は11%でした。
Playストア版の3DMarkでは安定度95.4%で温度は最大49℃と、偽装版 (=通常アプリと同じ扱い) とは大きくかけ離れた結果になっています。
Playストア版の結果を鵜呑みにすると「vivo X90 Pro+は性能の安定度が高いが爆熱」と結論づけてしまいかねませんが、実際の使用環境ではそのような結果にはならず、「平均フレームレートを維持しつつ発熱を抑える調整がされている」という結果になります。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア12641でした。
世界初となるUFS 4.0ストレージ搭載で、メモリもLPDDR5Xです。
メモリ性能は他のLPDDR5メモリ搭載機種よりもかなり高いものの、ストレージ性能ではシーケンシャルライト以外だとUFS 3.1スマホを圧倒するほどの速度ではありませんでした。
LPDDR5X初搭載のrealme GT2 Explorer Master Editionもメモリ性能が出ていませんでしたし、初物だとうまく性能を引き出すチューニングが間に合っていないのかもしれません。
vivo X90 Pro+のゲームモードではBOOSTモードにしてフレームレートを安定化させやすくしたり、タッチサンプリングレートを上げたりできます。
リフレッシュレートの上限も調整できますが、あくまでも上限の調整であって120Hz非対応ゲームを120Hzで動かせるわけではありません。
BOOSTモード、タッチサンプリングレート最大の状態でゲームプレイした結果を測定します。
原神を最高画質・60FPS設定でプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、なんと平均60.0FPSで1FPSあたり77.61mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大でも33℃程度までしか上昇せず、サイドフレームも熱くならないので快適でした。
Snapdragon 8+ Gen 1のXiaomi 12S Ultraだと平均58.8FPS・消費電力82.5mW・バッテリー温度41℃だったため、高い性能を発揮しつつも発熱を抑え、消費電力も少ないことが分かります。
Snapdragon 8 Gen 2以外を搭載したゲーミングスマホはもはや過去のものとなりました。
World of Tanks Blitzでは、120FPS設定・グラフィック設定すべて最高値でプレイしたところ平均120.2FPSで、1FPSあたり40.77mWの消費電力でした。
中国製以外のゲームでも高性能・省電力を発揮できています。
日本語対応、ただし通知を来させるには複雑な設定が必要
vivo X90 Pro+が搭載するOriginOS 3は日本語対応です。
設定のディスプレイ→フォントスタイルで経典字体を選べば日本語フォントになりました。
日本語訳が微妙に間違っている箇所があり、Apple (iOSのほう) をりんごと訳したり、続行を復元と誤訳したりしています。
PlayストアはAPKMirrorなどからダウンロードしてきてインストールすれば使えます。余計なアプリを入れる必要は全くありません。
vivo中国版OriginOSで好きなフォントを使う方法。ブラウザなども変更可能 – AndroPlus
中国向けOSに共通の問題ですがニアバイシェアやGoogleマップのロケーション履歴は使えません。
通知もかなり制限されており、「バックグラウンドの高電力消費」の許可やcom.vivo.pem節電アプリの無効化などをしないといけません。
システムアプリの無効化は基本はpm uninstall --user 0 パッケージ名
でできるのですが、一部はservice call package 131 s16 パッケージ名 i32 0 i32 0
でないと無効化できないようです。
また、ホームアプリ変更時の警告やユーザー補助が勝手にオフにされる問題を回避するにはservice call package 131 s16 com.vivo.daemonService i32 0 i32 0
を実行してvivoサービスを無効化してください。
vivo X Foldレビュー。ZEISSカメラに両画面120Hz対応、折り目が目立たない最高峰の折りたたみスマホ – AndroPlus
サードパーティ製のプリインストールアプリはすべて一括アンインストールできます。
残るのはvivo製のものぐらいですが、XiaomiのMIUI 14に比べると残るアプリが結構多いです。
ジェスチャー操作はかなり豊富で、ダブルタップで画面オンオフや耳に当てて受話はもちろん、文字を書いてアプリを起動するジェスチャーも使えます。
ただ残念ながら文字を書いて起こすアクションは固定で、他のアクションには変えられません。
まとめ
- 圧倒的な性能を誇るSnapdragon 8 Gen 2
- 1インチSONY IMX989 + ペリスコープ望遠搭載
- フレア・ゴーストを抑えるZEISS T*コーティング
- 実は144Hzリフレッシュレート対応
- 実測1019nitsの明るいディスプレイ
- 低タッチ遅延
- 超高速な超音波式指紋認証
- IP68防水防塵
- USB 3.2 Gen 1ポート搭載
- 日本キャリアのVoLTEに対応
- 重たい
- スピーカーは微妙
- OSのクセが強い
vivo X90 Pro+はSnapdragon 8 Gen 2を搭載しているおかげで重たいゲームも軽々と動かせられる上に、消費電力や発熱もかなり抑えられています。
ディスプレイはゲーミングスマホ並の低遅延で144Hzリフレッシュレートにまで対応しており、超音波式の画面内指紋認証センサーのおかげでロック解除もスムーズです。
カメラは1インチセンサーに64MPペリスコープ望遠にアップグレードされたおかげでズームしても綺麗な写真を撮影でき、様々なZEISSカメラモードでより楽しく印象的な写真撮影が可能です。
220g超えで重たいこと、スピーカーが微妙なことがマイナスではあるものの、それを上回るメリットが多く早くも2023年ベストバイスマホになり得るほどです。
vivo X90 Pro+は中国では6499元~で販売されています。
残念ながら廉価モデルでの発火事故の影響で京東からは購入できないため、AliExpress等で購入するしかありません。