評価: 3
TCL 10 Proグローバル版をいただきました。
目次
カメラが横一列でありながら出っ張りは無し
Pixel 6シリーズには横一列にカメラが配置されたカメラバーが搭載されていますが、実は「横一列のカメラ配置」はTCL 10 Proのほうが先に実現していたデザインです。
TCL 10 ProではPixel 6と違ってカメラの出っ張りがなく、6.47インチのディスプレイを搭載しつつも重さは178gと軽量です。
- カメラの出っ張りがなくガタガタしない
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- microSDカード対応
- Widevine L1、アマプラHD画質対応
- 60Hzリフレッシュレートのみ対応
- 映像向けなのにモノラルスピーカー
- 広めのエッジディスプレイ
- 視野角が狭い
TCL 10 Pro T799H | |
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OS | Android 11 |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB UFS 2.1 microSDカード対応 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 675 |
ディスプレイ | 6.47インチ FHD+ AMOLED |
サイズ | 158.5 x 72.4 x 9.2mm |
重さ | 177g (実測178.2g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 64MP + 16MP (広角) + 5MP (深度) + 2MP (マクロ) |
フロントカメラ | 16MP |
バッテリー | 4500mAh |
USB端子 | USB Type-C |
付属品はケース、USB Type-Cケーブル、充電器、説明書です。
格安ながらもAMOLEDディスプレイ搭載
TCL 10 Proは格安でありながらもAMOLEDディスプレイを搭載しており、鮮やかな発色で映像を楽しめます。
TCL独自の「NXTVISION」機能でコントラストや鮮明さが自動的に調整されます。
自分でカラーモードや色温度を変更することもできます。
ただ、写真を見ると分かるとおり両端が広めのエッジになっており、曲面部分に光が反射してしまって画面が見にくくなることがあります。
「映像を楽しむ」という観点ではエッジには全く何のメリットもなく、邪魔なだけです。
また、視野角があまり広くないようで正面から少しでも外れると画面が青っぽく変色してしまいます。
TCL 10 Proのサブピクセル配列はSamsungのダイヤモンドピクセル配列と似ていますが、緑が楕円形になっています。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオでもHD画質でストリーミング再生できることを確認しました。
画面内指紋認証センサー + 顔認証
TCL 10 Proは画面内指紋認証センサーを搭載しており、認識からロック解除までのアニメーションに時間が掛かることがあるものの、認証自体はなかなか素早くできます。
顔認証とも併用できるので、マスクを付けた状態では指紋認証、家の中なら顔認証という使い方ができます。
出っ張りがほぼないカメラ配列
TCL 10 Proは横一列に64MP + 16MP (広角) + 5MP (深度) + 2MP (マクロ)の4つのカメラを搭載しています。
カメラ部分は出っ張りがなく、両端のライトだけがわずかに出っ張っているため、机に置いたときにガタガタしません。
最近のスマホは平気で片側に出っ張ったカメラを配置することが多いですが、TCL 10 Proのスタイルは美しさと実用性を両立しており素晴らしいです。
格安機種なので仕方がないものの、若干白飛びしやすいように感じます。
TCL 10 Proで撮影した写真はこちらに保存しています。
夜景撮影はあまり強くなく、暗い場所ではそのまま暗く撮影されます。
音は外部機器任せでモノラルスピーカー
TCL 10 Proは映像を楽しむ用途をメインとして作られている…はずなのですが、モノラルスピーカー搭載です。
下側のスピーカーからしか音が聞こえないためバランスが悪く、音の広がりもありません。
どうやらTCLとしては「スマホのスピーカーなんてどうせ役に立たないのだから、Bluetoothスピーカーを使ってくれ」というスタンスらしく、Bluetoothで最大4台までのスピーカーに接続できることが堂々とアピールポイントに書かれています。
確かにそれはそうなのですが、モノラルとステレオでは聞こえ方に大きな差があるので、スマホ単体で楽しめるよう選択肢を用意してもらいたかったです。
上部には3.5mmイヤホンジャックがあり、有線イヤホンで音楽再生することもできます。
IRポートもあるので、赤外線対応であればTCL 10 Proをテレビやエアコンなどのリモコンとして使えます。
国内キャリアのVoLTE対応
TCL 10 Proはグローバル版ではnano SIM + nano SIMのデュアルSIMかnano SIM + microSDカードのスタイルで使えます。
グローバル版の対応バンドは
- 4G: B1/3/5/7/8/20/28/38/40/41
- 3G: B1/2/5/8
で、Y! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線向きです。
TCL 10 Proはグローバル版であっても国内キャリアのVoLTEに対応しており、LINEMOでVoLTE通話できることを確認しました。
左側面にアシスタントキーあり
左側面にはGoogleアシスタントを起動できる専用キーが用意されています。
設定から画面オフ時でも押すだけで即Googleアシスタントを起動できるようにできます。
Googleアシスタントを使っている人には便利だと思います。私の場合は押し間違いが多発したのでオフにしましたが…。
電源ボタンと音量ボタンは右側面にあり、音量ボタンのほうが上側に配置されています。
TCL 10 Proの重さは実測178.2gで、大画面ながらも軽めです。
GPU性能が特に低め
TCL 10 Proが搭載しているSnapdragon 675はロー~ミドルレンジクラスで、特にGPUは弱いようです。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア411→409で、2~3FPSでした。
Geekbench 5ではシングルコア499、マルチコア1620でした。
Snapdragon 835にはぎりぎり勝っているレベルです。
Androidスマホ ベンチマーク結果まとめ。CPU・メモリ・ストレージ性能一覧 – AndroPlus
PCMark Work 3.0ではスコア7993です。
ストレージはUFS 2.1なので、最低限普段使いが快適になる程度の速度は出ています。
発売当時10万円以上したXperia 1より速いぐらいですし、価格の割には素晴らしいです。
原神を最高画質・60FPS設定と最高負荷で動かすと、中央値 12FPSでした。(プロ向けベンチマークソフトGameBench Proにて計測しています)
約16分のプレイで286.40mAh消費し、満充電時に約3時間21分遊べるという結果になりました。
性能が出ていない割にはバッテリー持ちが悪いように感じます。
AOSP寄りのUI
TCL 10 ProはAOSP・Android標準に近い見た目をしており、設定や操作をする上で混乱することは少ないと思います。
中国メーカーらしく自動起動を抑制する機能がありますが、XiaomiやOPPOと違ってオフにできるようになっています。
中国製アプリは作りが雑なものが多く、大手企業製であってもバッテリー消費が大きいのでこのような機能が中国では必要とされているのですが、日本では邪魔なだけですし必要なアプリにだけ自動起動を拒否できるようになるのは良いですね。
ダブルタップで画面オンや指紋認証センサーでのクイック起動、デュアルアプリもあります。
ナビゲーションバーのボタン位置を変更したり、ジェスチャーに変更したりできます。
ゲームモードではゲーム中の通知のブロックやパフォーマンス調整ができます。
ただし、「ネットワークの最適化」は必ずオフにしておきましょう。
「他のアプリ」の判定が甘く、バックグラウンドでリソースのダウンロードをしているプロセスまでネットワーク利用が制限されてしまうため、ダウンロード速度が64KB/s以下になってしまい失敗します。
ノッチの表示は三種類から選択でき、ステータスバーを移動して隠すかどうか選べます。
エッジのエリアを誤タッチすることを防止する設定もあります。
この機能を作るぐらいなら最初からフラットディスプレイにするべきだと思いますが…。
まとめ
- カメラの出っ張りがなくガタガタしない
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- microSDカード対応
- Widevine L1、アマプラHD画質対応
- 60Hzリフレッシュレートのみ対応
- 映像向けなのにモノラルスピーカー
- 広めのエッジディスプレイ
- 視野角が狭い
格安機種でも鮮やかなAMOLEDを搭載しているというところは良いと思います。
microSDカードや3.5mmイヤホンジャックに対応しているので、音楽・動画プレイヤーとして役立ちそうです。
ただ映像を楽しむ用途で使うスマホなのにエッジディスプレイ、モノラルスピーカーで視野角が狭いというデメリットがあり、想定している用途とハードウェアがちぐはぐな印象を受けました。