ROG Phone 6レビュー。熱しやすく冷めやすい、原神59.3FPSプレイ可能なゲーミングスマホ

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背面

評価: 4.5

ASUS ROG Phone 6を購入しました。

熱しやすく冷めやすいゲーミングスマホ

ROG Phone 6はSnapdragon 8+ Gen 1を搭載したスマートフォンです。

TSMC 4nmプロセスを採用した8+ Gen 1は消費電力を削減しつつも8 Gen 1より高い性能を維持でき、SoCを中央に配置して熱が手に届きにくいようにする工夫もされています。

外部クーラーを付ける前提で開発されているようで発熱時の性能低下が起きにくく、本体自体の冷却性能も高いので負荷が掛かっていなければすぐ冷めていきます。

スマホでは最高クラスである165Hzリフレッシュレートに対応し、タッチサンプリングレートも720Hzで高速なタッチ応答をしてくれます。

このレビューはCN-32.2810.2205.63バージョン、12GB+256GB版で行っています。

  • 圧倒的な高性能&省電力の8+ Gen 1
  • サーマルスロットリングが緩めで性能が出やすい
  • 165Hzリフレッシュレート対応
  • 720Hzタッチサンプリングレート
  • 鮮やかなSamsung製AMOLED
  • フロントステレオスピーカー
  • 6000mAhバッテリー、バイパス充電対応
  • イヤホンジャックあり
  • IPX4 生活防水
  • 重い
  • 外部クーラー前提で熱くなりやすい傾向
  • 視野角が狭め
  • 指紋認証の精度は高くない
  • Hi-Fi DAC非搭載にダウングレード
ROG Phone 6 AI2201
OS Android 12
RAM 8GB/12GB LPDDR5
ストレージ 128GB / 256GB UFS 3.1
プロセッサ Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ 6.78インチ FHD+ 165Hz AMOLED
サイズ 173mm × 77mm × 10.4mm
重さ 239g
SIM nano SIM + nano SIM
メインカメラ 50MP (Sony IMX766)
+ 13MP (超広角 OmniVision ov13b)
+ 5MP (マクロ OmniVision ov8856?)
フロントカメラ 12MP (Sony IMX663)
バッテリー 6000mAh
USB端子 USB Type-C x2
バンド 5G SA: N1/N3/N5/N8/N28, SA & NSA: N41/N77/N78/N79
FDD-LTE: 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8,18,19,26, 28
TD-LTE: 34, 38, 39, 40, 41, 42, 48
CDMA: BC0
WCDMA: 800 (19) / 900(8) / 850(5/6) / 1700(4) / 1900(2) / 2100(1)
EDGE/GPRS/GSM 850, 900, 1800, 1900 MHz

箱

付属品はハードタイプの保護ケース、65W充電器、USB Type-Cケーブル、説明書などです。

ゲーマーと書かれたカードはARカードで、内蔵アプリでスキャンできます。

付属品

どんなゲームでも低タッチ遅延に

ROG Phone 6は6.78インチ FHD+解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。

あえてインカメラを入れるためのベゼルを残すことで、ノッチやパンチホールのないフルスクリーンを実現しています。

ゲーミングスマホでベゼルレスだと端を誤タッチする可能性も増えますし、合理的です。

ディスプレイ

Samsung製でダイヤモンド配列です。

ダイヤモンド配列

165Hzものリフレッシュレートに対応しており、60・90・120・144・165Hzから選べるため、好みやバッテリー消費に合わせて調整できます。

リフレッシュレート

視野角はあまり広くないようで、斜めに傾けるとすぐ薄いピンクっぽいモアレのようなものが見えました。

最初から貼ってある保護フィルムのせいかと思いましたが、剥がしても変わりませんでした。

正面近くだときれいに見えますし、ゲームプレイを隣にいる人に見せたいというような用途でもなければ問題ないでしょう。

タッチサンプリングレートは720Hzで、後述のゲームモードでどんなアプリでも720Hzで動作させられます。

WALT Latency Timerで計測したタッチレイテンシーはタッチからカーネルが5.7ms、カーネルからJavaが6.1ms、画面描画が14.9msで合計26.7msでした。

同じ720HzタッチサンプリングレートのBlack Shark 4 Proに並ぶレベルの低タッチ遅延です。

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タッチサンプリングレート

Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。

DRM

指紋認証の精度は一昔前のレベル

ROG Phone 6は画面内指紋認証センサーを搭載しています。

ゲーミングスマホなので力を入れていないのは分かりますが、精度は低めで失敗することが多いです。

最近の画面内指紋認証搭載スマホだとミドルレンジモデルでさえもっと高速かつ正確に認証してくれるので、残念です。

顔認証と併用したほうが良いでしょう。

光る背面

ROG Phone 6の背面はゲーミングスマホらしく光ります。

中国ではTencent Gamesとコラボしているため、背面にはTencent Gamesのロゴがあります。

背面

LEDはプレイ中は見ることはないので電力の無駄ではありますが、ディスプレイを下側にしていて通知が来たときなどには分かりやすいと思います。

重さは243.2gと重量級です。

ただバッテリーが6000mAhと大容量なので、この重さになるのは理解できます。

重さ

SONY IMX766トリプルカメラ

ROG Phone 6は50MP SONY IMX766カメラをメインとしたトリプルカメラです。

カメラ

ゲーミングスマホでありつつもそこそこ綺麗に撮影できます。

13MPの超広角や5MPのマクロは使い道がほぼないですし、削ってコストを下げて欲しかったです。

写真

イヤホンジャックあり、USB Type-Cポートは2つも搭載

ROG Phone 6は下部に3.5mmイヤホンジャックとUSB Type-Cポートを搭載しています。

USB Type-C

WALT Latency Timerでイヤホンジャックのオーディオ出力レイテンシーを計測すると37msでした。

Diracのエフェクトがあるせいか、遅延は大きめです。

オーディオレイテンシー

ROG Phone 5sシリーズではHi-Fi DAC ESS 9280AC Proを搭載していたのですが、半導体不足や冷却スペース確保の都合なのかROG Phone 6 / ROG Phone 6 Proでは非搭載になってしまいました。

高音質を求める方はFiiO BTR7などのDACを噛ました方が良いです。

せっかくイヤホンジャックがあるのに音質面では5sシリーズに劣る可能性があるというのは残念ではあるものの、基本的に外付けDACのほうが高性能・高音質なので、致命的な問題ではありません。

DAC

なんと側面にもUSB Type-Cポートがあり、横持ちしたときでもケーブルが邪魔になることなく充電させたり、アクセサリーを付けたりできます。

後述のゲームモードではバイパス充電を有効化できるため、バッテリーに充電することなく給電でき、発熱やバッテリーへの負荷の少ないプレイが可能です。

USB Type-C

VoLTEは簡単に有効化可能

ROG Phone 6は初期状態ではVoLTEが無効になっています。

電話アプリで*#*#3642623344#*#*とダイヤルして、SIMをオンオフするか抜き差しするかすればVoLTEが有効になります。

*#*#3642623344#*#*

au・povo 2.0などで通話可能でした。

VoLTE

APNは色々と入っており、povo 2.0まで完備しています。

APN

珍しいフロントステレオスピーカー搭載

ROG Phone 6の上部や下部にはスピーカー穴がありません。

そう、ROG Phone 6はステレオスピーカーをディスプレイ面に搭載した「フロントステレオスピーカー」なんです。

上部

サイドにあるステレオスピーカーと違ってどちらかというと音が中央寄りに聞こえてくるイメージで、音の広がりという面ではサイドステレオスピーカーのものより狭い感じがする代わりに、音がはっきりと大きく聞こえてきます。

低音も高音も綺麗に聞こえ、特に高音がクリアで明瞭でした。

横持ちしたときにスピーカー穴を塞いでしまう心配がないため、ゲーミングスマホとしてはフロントステレオスピーカーは最適解でしょう。

 

Diracのオーディオウィザードを搭載しており、イコライザーの調整などもできます。

Dirac

AirTriggerや背面タップなど豊富なジェスチャー操作

ROG Phone 6は色々なジェスチャー操作に対応しています。

ボタン

側面にはAirTriggerがあり、ゲーム中にタップやスライドでのアクションを割り当てられます。

ジャイロスコープでのエイムにも対応し、対応ゲームなら照準移動が楽になります。

ジェスチャー操作

握ることでもアクションを起こせます。

好きなアプリを起動するよう設定することもできます。

ジェスチャー

さらに背面ダブルタップにも対応。

少し反応が悪い気がしますが、画面やボタンを触ることなくスクリーンショットなどを手軽に実行できます。

背面タップ

もちろんダブルタップで画面オンやひっくり返してミュートなど、一般的なジェスチャー操作にも対応しています。

音楽コントロールや文字を書いてアプリを起動するジェスチャーも使えます。

ジェスチャー操作

ゲームモードでパフォーマンス調整やバイパス充電が可能

ROG Phone 6はゲームアプリでは画面左上から斜めにスワイプすることでGAME GENIEを出せます。

リフレッシュレートを簡単に調整したりマクロや録画したりできるほか、パフォーマンスの調整などもできるようになっています。

ゲームモード

中でも特に便利なのが「バイパス充電」。

バッテリーを充電することなく給電できるため、ゲームを遊びながら充電してもバッテリーに負荷を与えることがなく、充電の際の発熱もある程度抑えられます。

バッテリー寿命への影響を少なくしつつ、バッテリー残量を気にすることなくプレイできるのは良いですね。

バイパス充電

Xモードと呼ばれるパフォーマンスモードのほか、自分で細かくカスタマイズすることもできます。

なんと通常ではroot化しないと変更できない、CPUガバナー関係まで変更してしまえるというとんでもないカスタマイズ性です。

ここまで細かく弄れるスマホはなかなかありません。

むやみに弄ると逆効果になることもあるので玄人向きです。

プロファイル

細かな調整が要らない場合は、ゲームチューニングでLv1~3でざっくりと調整することもできます。

チューニング

タッチサンプリングレートを720Hzにするオプションもあるので、どんなゲームでも720Hzタッチサンプリングレートの恩恵を受けられます。

タッチ

ゲームモードとは別に、バッテリー設定からシステムモードを変更することもできます。

Xモード

バックグラウンド同期の制限やスライドの感度調整などができます。

Xモード

熱制御が緩めでパフォーマンスが出やすい

ROG Phone 6はサーマルスロットリングが緩めに調整されており、発熱して40℃以上になっても高いパフォーマンスを維持しやすいです。

パフォーマンスが出る分発熱も大きくなるため、長時間プレイ時には外部冷却クーラーがあったほうが良いと思います。

純正Aeroactive Coolerも売られていますが2万円近くする高級品で、結露対策で温度に合わせた冷却をしてくれます。

ROG Phone 6本体の放熱性能も高く、室温29℃の部屋に置いているとバッテリー温度がすぐ27℃以下になるぐらい冷えます。

 

ベンチマークアプリを起動すると、勝手にXモードが有効になります。

3DMarkやPCMarkを提供しているUL Solutionsは通常アプリとベンチマークで挙動を変えることを禁止しているため、これもベンチマークブーストの一種ではありますが、ユーザーに隠さず告知していて手動でオフにできるのでまだマシです。

Xモード

左から原神に偽装したGeekbench、通常ビルド、Xモード有効時のスコアです。

パッケージ名判定でのスロットリングは行っていないようです。

制限されている状態でもSnapdragon 8 Gen 1と同等かそれ以上のスコアですし、発熱が増えるのが嫌ならXモードオフでプレイしても十分だと思います。

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Geekbench

Xモードオフでの3DMark Wild Life Stress Testではスコア10384で、温度上昇は28℃→40℃ (12℃上昇)、24~78 FPSでした。

発熱してスコアが下がったときでさえ、一番調子が良いときのSnapdragon 888のスコアを超えています。

3DMark

ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではXモードオフでスコア15218でした。

ベンチマークブーストやサーマルスロットリング完全無効化など、チート行為をしているSnapdragon 888や8 Gen 1の端末に並ぶほどのスコアをたたき出しています。

PCMark

LPDDR5メモリ・UFS 3.1ストレージで、特にシーケンシャルライトが速いです。

ストレージ

原神を最高画質・60FPS設定でプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、平均59.3FPSで1FPSあたり112.38mWの消費電力でした。

Xiaomi 12S Ultraの82.5mWよりは消費電力が大きいものの、ほぼ60FPS張り付きで素晴らしいフレームレートです。

バッテリー温度は最大で42℃程度までの上昇で、サイドフレームが少し熱くなっていました。

外部クーラーを付ければ、より快適に60FPS張り付きのまま長時間プレイできるでしょう。

原神

World of Tanks Blitzでは、120FPS設定・グラフィック設定すべて最高値でのプレイでXモードオフ時は平均116.3FPSでした。

World of Tanks Blitz

Xモードオンだと平均119.7FPSと、ほぼ120FPS張り付き状態になりました。

消費電力も大きくないですし、凄いです。

Xモード

日本語はADBコマンドで有効化可能

ROG Phone 6は中国版だと英語しか選べません。

開発者向けオプションでUSBデバッグを有効化し、PCでadb shell settings put system system_locales ja-JPを実行して再起動すればシステムの一部やアプリは日本語になります。

APKMirrorなどでPlayストアのAPKをインストールすれば、PlayストアなどGoogleサービスを使えるようになります。

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キーボードはROG Phone向けにカスタマイズされている…のですが、マテリアルデザインとメカニカルキーボード風デザインがマッチせず、ダサい感じがします。

素直にGboardなどを入れたほうが良いと思います。

キーボード

比較的AOSPに近いデザインで、アプリ情報からバッテリー制限のオフができます。

バッテリー

便利な機能を色々と取りそろえており、ポケットや鞄の中での不意な画面オンを防止するポケットモードや、手ぶくろを付けたままでも操作できるモードなども搭載しています。

ポケットモード

デュアルバンドWi-Fiと呼ばれる、5GHzと2.4GHzのアクセスポイントを両方使ってネット速度を高速化するというオプションも利用できます。

デュアルバンドWi-Fi

Bootloader Unlock可能

ROG Phone 6は公式サイトでBootloader Unlock申請用のAPKが配布されています。

Bootloader UnlockするとOTAを受けられなくなりますが、ファームウェアも配布されているので問題なさそうです。

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まとめ

  • 圧倒的な高性能&省電力の8+ Gen 1
  • サーマルスロットリングが緩めで性能が出やすい
  • 165Hzリフレッシュレート対応
  • 720Hzタッチサンプリングレート
  • 鮮やかなSamsung製AMOLED
  • フロントステレオスピーカー
  • 6000mAhバッテリー、バイパス充電対応
  • イヤホンジャックあり
  • IPX4 生活防水
  • 重い
  • 外部クーラー前提で熱くなりやすい傾向
  • 視野角が狭め
  • 指紋認証の精度は高くない
  • Hi-Fi DAC非搭載にダウングレード

ROG Phone 6は省電力で効率の良いSnapdragon 8+ Gen 1、高い放熱性能に緩いサーマルスロットリングのおかげで、8 Gen 1を遙かに上回る高い性能を長時間出し続けてくれます。

外部クーラーがあれば長時間プレイがさらに安定しますし、冷やしすぎてクーラーと背面の間に結露ができてもIPX4防水のおかげで故障の原因にはなりにくいはずです。

165Hzリフレッシュレートで対応ゲームはもちろんブラウザのスクロールなども滑らかで、720Hzタッチサンプリングレートでタッチ遅延もかなり抑えられます。

省電力かつ高性能なゲーミングスマホが欲しい方にROG Phone 6はおすすめです。

 

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