Xiaomi Redmi Note 12 Turbo Editionを購入しました。
3万円台後半なのに8+ Gen 1並の性能
Redmi Note 12 TurboはSnapdragon 7+ Gen 2を搭載したスマートフォンです。
格安だというのに2022年のハイエンドSoC、Snapdragon 8+ Gen 1と同じぐらいのCPU性能を持っており、原神を最高画質でも平均56FPSでプレイできるほどです。
コスパのために削られた部分も多いものの、ディスプレイや性能さえ良ければ別に構わないという方にはかなりおすすめです。
今回はハリー・ポッターとコラボしたモデルを購入しました。
このレビューは、12GB+256GB版・V14.0.5.0.TMRCNXMで行っています。ハリー・ポッターエディションだけかもしれませんが、デバイス名は「Redmi Note 12 Turbo」ではなく「Redmi Note 12 Turbo Edition」になっています。
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 7+ Gen 2
- 高性能な格安モデルなのに重さ182g
- 屋外でも見やすいディスプレイ
- 67W充電対応5,000mAhバッテリー
- イヤホンジャック搭載
- 日本キャリアのVoLTEに対応
- 背面の質感は価格相応
- auユーザーには微妙な対応バンド
- ランダムリードが遅い
Redmi Note 12 Turbo (23049RAD8C) | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 8GB / 12GB / 16GB LPDDR5 (LPDDR5X) |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 3.1 |
SoC | Snapdragon 7+ Gen 2 |
ディスプレイ | 6.67インチ FHD+ 2400 x 1080 アスペクト比 20:9 120Hzリフレッシュレート OLED |
サイズ | 161.11 x 74.95 x 7.9mm |
重さ | 181g (実測182.3g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 64MP (OIS・OmniVision OB64B40) + 8MP (超広角 Sony IMX395) + 2MP (マクロ GalaxyCore GC02M1) |
フロントカメラ | 16MP (Samsung S5K3P9S04) |
バッテリー | 5,000mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G :n1/n3/n5/n8/n28a/n38/n41/n77/n78 4G:FDD-LTE :B1/B3/B5/B8/B19 TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42 3G:WCDMA:B1/B5/B6/B8/B19 2G:GSM:B3/B5/B8 CDMA 1X : BC0 |
目次
ハリー・ポッターエディションのパッケージは通常版とは異なりかなり豪華で、黒を基調としてホグワーツ魔法魔術学校の紋章などが金色であしらわれています。
背面にはグリフィンドール、スリザリンなどの4つの寮がデザインされています。
フタはマグネットで閉じられています。
まずハリー・ポッター宛のホグワーツからの手紙やSIMピンが出てきます。
ロウ型のパーツで留められており、雰囲気があります。
階段下の物置宛に送られています。
中身は入学案内で、必要なものなどがリストアップされています。
裏面には中国語でも同じ内容が記載されていますが、英語版と違って普通のゴシック体フォントで書かれていました…。
SIMピンはホグワーツ行きの列車が出発するロンドン・キングスクロス駅の「9と4分の3番線」のデザインです。
SIMピンが付いている板の下に充電器やケースなどが入っています。
ケースと充電器、USB Type-A to Cケーブルのほかに3種類のステッカーも付いています。
ケースは裏面にもハリー・ポッターのメガネやほうきなどがあしらわれています。
…ただ、半分しか保護されていないため保護ケースとしてはあまり役に立ちません。
ケースを半分にすることで「半純血」を表現しているのでしょうか。
半分だけ見た目が違うのはどうにもダサい感じがするので、すべて覆う形にしてほしかったです…。
説明書も忍びの地図をモチーフとした豪華デザインです。
屋外でも見やすい、明るいディスプレイ
Redmi Note 12 Turboは6.67インチFHD+ (2400 x 1080)解像度のOLEDディスプレイを搭載しています。
120Hzリフレッシュレート対応で、タッチサンプリングレートは240Hzです。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
格安スマホなのにベゼルがすっきりとしていて細めです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大945nitsに達しました。
屋外でもかなり見やすいですし、他社の3万円台のミドルレンジスマホとは一線を画しています。
配列はダイヤモンドピクセルです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計41.2msでした。
REDMAGIC 8 Proと同じぐらいのレイテンシーです。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面はプラで少し凹む
Redmi Note 12 Turboの背面はプラスチックでコストカットされています。
押すと少し凹むのがちょっと怖いです…。
指紋は付きにくく、綺麗な状態のままで使えます。
ガラスではないおかげで重さは182.3gと軽めです。
この軽さでSnapdragon 8+ Gen 1並の性能かつ6.67インチディスプレイを搭載して3万円台に抑えられているスマホは他になく、競合である重さ193.1gのrealme GT Neo5 SEにも勝っています。
意外とそこそこ綺麗なカメラ
Redmi Note 12 Turboはコスパ重視のためカメラもコスト削減の対象です。
とはいえ64MPのOIS 光学式手ぶれ補正対応のメインカメラを搭載しているおかげで、そこそこ綺麗な写真撮影が可能となっています。
ハリー・ポッターのメガネや傷をモチーフとしたデザインです。傷のデザイン上仕方がないですが、ここだけ他のロゴなどと向きが違うのが気になります…。
すべて手持ち・オートで撮影した写真はこちらに保存しています。
赤色は強めに出ています。
2x・5x・10xの順に撮影してみました。
アブの羽根まで結構くっきりと映っており、3万円台のミドルレンジモデルとしては良いほうだと思います。
夜景では若干色あせた印象になってしまうものの、ロゴ看板の部分などはあまり白飛びしていません。
2xズームではこの通りです。
側面の指紋認証センサー
Redmi Note 12 Turboは右側面に音量ボタンや電源ボタンがあり、電源ボタンに指紋認証センサーが内蔵されています。
認証速度は高速です。
画面内指紋認証センサーと違ってカスタムROMでも特に手を入れることなく動作させられる、という逸般人向けのメリットもあります。
指紋認証するタイミングは、電源ボタンを触ったときと押したときのどちらにするか選べます。
イヤホンジャックを搭載
最近のハイエンドモデルではめっきり見かけなくなった3.5mmイヤホンジャックを上部に搭載。
有線イヤホンを変換アダプターなしに使えます。
上部には3つの穴があるものの、音が漏れやすいようになっているだけの通話用と兼用タイプのステレオスピーカーです。
WALT Latency Timerでイヤホンジャックのオーディオ出力遅延を計測すると25.1msでした。
Dolby Atmos対応で、スピーカーでもオフにできるタイプです。
低音は軽い印象で、高音のほうが少し強めでした。
音質は価格相応で微妙ですが、音圧は十分です。
Bluetoothコーデックは公式サイトだとAAC / LDAC / LHDC 5.0対応としか書かれていないものの、実はaptX AdaptiveやTWS+なども利用できます。
67W急速充電に対応
Redmi Note 12 Turboは3万円台と格安でありつつも、67Wの急速充電に対応しています。
5,000mAhバッテリーを搭載しており、省電力なSnapdragon 7+ Gen 2と相まってバッテリー持ちは良いです。
LTE B19対応だがau系バンドは非対応
Redmi Note 12 Turboの対応バンドは以下の通りです。
- 5G :n1/n3/n5/n8/n28a/n38/n41/n77/n78
- 4G:FDD-LTE :B1/B3/B5/B8/B19
- TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42
- 3G:WCDMA:B1/B5/B6/B8/B19
- 2G:GSM:B3/B5/B8
- CDMA 1X : BC0
Y! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線は問題なく、LTE B19も対応しているためahamo、IIJmioやOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
中国で使われていないLTE B19には対応するのにLTE B18・26などau系のバンドは非対応というよく分からないバンド構成です。
日本への観光時のローミングで主に使われるのがdocomo・SoftBank回線であることを考慮して、中国人からすればマイナーであるau系バンドを省くことでコスト削減したのかもしれません。
VoLTE通話も可能です。
8+ Gen 1並の高い性能を発揮
Redmi Note 12 TurboはSnapdragon 8+ Gen 1とほぼ同じ構成のSoCであるSnapdragon 7+ Gen 2を搭載しています。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1355・マルチコア4042、通常版でシングルコア1627・マルチコア4251でした。
Snapdragon 8+ Gen 1と同じ程度のスコアです。
Geekbench MLにてTensorFlow Lite・NNAPIで計測したAI性能は、スコア528でした。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア11187でした。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア1970→1964で、温度上昇は19℃→38℃ (19℃上昇)でバッテリー消費は8%でした。
Snapdragon 8 Gen 1並のスコアで、3D性能では8+ Gen 1と差が出る結果となりました。
ただし安定度は99.7%とかなり高くバッテリー消費も少ないため、ベストスコアだと同程度とはいえ、全体的には8 Gen 1と違って高い性能を長く出し続けられています。
通常版の3DMark Wild Life Extreme Stress Testでも大きな差はありませんでした。
2連続でテストしても安定度は99.6%・99.7%で、最大バッテリー温度は38℃でした。
発熱を容認することで性能を高めるパフォーマンスモードをオンにしても、2連続実行後のバッテリー温度は40℃でした。
若干安定度が上がった程度であまりバランスモードとの差がないですね…。
ストレージはUFS 3.1で、同じ規格のスマホの中でも遅めの部類です。
特にランダムリードがかなり遅く、原神のプレイ中にオブジェクトが多い場所で急に40FPS台になることがたまにあるなど、ランダムリードの遅さが足を引っ張っているように感じられる場面がありました。
もちろん計測時にバックグラウンドアプリはなく、何度か計測し直してもランダムリードの遅さはあまり変わりませんでした。
ストレージはSK hynix製HN8T15DEHKX075でした。Xiaomi 12 Proなどと同じ型番のため、選別落ち品ではないはずです。他社の7+ Gen 2機種ではこの問題は起きないため、SoC由来ではなくRedmi Note 12 Turboの現在のバージョンで起きるバグのようで、ゲームモードだと正常な速度が出やすくなりました。
メモリはLPDDR5ということになっていますが、分解動画をみると使われているのはMicronのLPDDR5XメモリD8CCPで、なんとvivo X90 Pro+と同じものです。
7+ Gen 2ではLPDDR5Xメモリの帯域をフル活用できず、差が出るのか微妙な省電力性しかアピールポイントにならないため、realmeと違ってあえて隠したのかもしれません。
原神をまずバランスモードにて、最高画質・60FPS設定・スメールでプレイしてTakoStatsで計測すると、平均54.6FPSで1FPSあたり87mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大38.9℃程度まで上昇しました。
バランスモードでは35℃を超えてしばらくすると45FPSまでに制限される場合があります。35℃を超えると必ず、ではないので制限のトリガーは温度上昇だけではないようです。
次にパフォーマンスモードで30分プレイすると、平均56.339FPSで1FPSあたり96mWの消費電力でした。
バッテリー温度は40.4℃まで上昇しました。
Snapdragon 8+ Gen 1機種と並ぶフレームレート・電力効率となっています。
高負荷なスメールがなかった頃のXiaomi 12S Ultraで平均58.8FPS・1FPSあたり82.5mWの消費電力で41℃までの上昇だったため、3万円台でそれに近いプレイができるRedmi Note 12 Turboがどれほど化け物じみているか分かります。
まとめ
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 7+ Gen 2
- 高性能な格安モデルなのに重さ182g
- 屋外でも見やすいディスプレイ
- 67W充電対応5,000mAhバッテリー
- イヤホンジャック搭載
- 日本キャリアのVoLTEに対応
- 背面の質感は価格相応
- auユーザーには微妙な対応バンド
- ランダムリードが遅い
Redmi Note 12 Turboは格安なのに性能面ではSnapdragon 8+ Gen 1に匹敵するほどで、ランダムリードの遅さがやや足を引っ張っている感じはあるものの重たいゲームもかなり快適にプレイできます。
ディスプレイも900nits以上出せるため屋外でも見やすいですし、とても3万円台のスマホとは思えません。
2022年だと6~10万円出さないと得られなかった性能をこの価格で手に入れられるようになったとは驚きです。
Redmi Note 12 Turboは中国では1999CNY (約3.8万円) ~で購入できます。16GB + 1TBモデルでも2599CNYとかなりの安さです。
グローバルではPOCO F5として発売されています。
高性能なのにあまりにも安すぎるので、ぜひとも日本で発売してもらいたいものです。
ハリー・ポッターエディションはJDでは再入荷未定 (おそらく今後入荷なし) で、GIZTOPでは販売されています。