評価: 4.5
realme GT Neo 3 150W (真我GT Neo3 150W)を購入しました。
目次
高性能で発熱しにくい
realme GT Neo 3 150WはMediaTek Dimensity 8100を搭載したスマートフォンです。
MediaTek SoCなのに最大周波数ならSnapdragon 8 Gen 1を超えるほどのCPU性能、通常でもSnapdragon 870レベルの性能を誇っており、実際のゲームプレイでも滑らかな動きを見せてくれました。
最大150W (日本では125W) での急速充電が可能で、17分で10%→100%まで充電できる上に最高でも35.5℃と発熱がかなり抑えられています。
このレビューはRMX3562_11_A.22バージョン、8GB+256GB版で行っています。
- 120Hzリフレッシュレート対応WQHD+
- Tianma製なのに鮮やかなAMOLED
- 125W充電で10%→100%がたった17分
- Dimensity 8100搭載で高いCPU性能
- 発熱しにくく冷めやすい
- 指紋が付きにくい背面
- ステレオスピーカー
- ベンチマークだけブーストしている
- ゲーム側の最適化不足も足かせに
- メインと超広角で色が異なる場合がある
- 動画での手ぶれ補正が弱め
- 画面内指紋認証が下に寄っていて押しにくい
realme GT Neo3 RMX3562 | |
---|---|
OS | Android 12 |
RAM | 6GB/8GB/12GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB / 256GB UFS 3.1 |
プロセッサ | MediaTek Dimensity 8100 MT6895 |
ディスプレイ | 6.7インチ FHD+ 120Hz AMOLED |
サイズ | 163.3 x 75.6 x 8.2mm |
重さ | 188g |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 50MP (Sony IMX 766) + 8MP (超広角 Sony IMX355) + 2MP (マクロ GalaxyCore gc02m1) |
フロントカメラ | 16MP (Samsung S5K3P9) |
バッテリー | 4500mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 2G: GSM:850/900/1800/1900 CDMA:BC0 3G: WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 4G: LTETDD:B34/B38/B39/B40/B41(2515~2675MHz) 4G: LTE FDD:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B26/B28a 5G: NR_NSA n77/78/40/41(2496-2690MHz)/1/3/5/8 5G: NR_SA n78/40/41(2496-2690MHz)/1/3/5/8/28a |
付属品は保護ケース、充電器、USB Type-C to Cケーブル、説明書などです。
昔ながらのUSB Type-Aポートを使うOPPOと違って、realmeはUSB Type-Cポートを採用しています。
残念ながら100Vでは20V / 6.25A = 125Wまでとなっており、フルパワーの150Wは体験できません。
それでも他社の120W充電を少し超える程度ですし、かなり高速です。
USB PD・PPS充電器としても利用でき、最大20V / 2.25A = 45Wです。
Quick Charge 2.0/3.0にも対応しています。
「中国製の有機ELは低品質」という時代は終わった?
realme GT Neo 3 150Wは6.7インチFHD+解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。
フラットなので保護フィルムを貼りやすく、反射で端が見えにくくなることもありません。
ダイヤモンド配列です。
ダイヤモンド配列ならSamsung製か、と思ってしまいがちですが実はこれ、なんとTianma製なんです。
私の個体はTianma製でしたが少数はBOE製も混じっているそうです。
発色や視野角も申し分なく、Samsung製パネルと並べても区別が付きにくいです。
かつては中国製パネルといえばSamsung製に比べ低品質なことが多かったですが、技術革新でその差は着実に縮まっているようです。
ミヤビックスさんに保護フィルムを作成していただきました。
アンチグレアのOverLay Plusだと指滑りが良く、指紋が付きにくいため快適に使えます。
タッチ・レイテンシ(ms)の測定アプリでの計測結果は平均65.6msでした。
残念ながらWidevine L3でした。
画面内指紋認証センサー位置は下寄り
realme GT Neo 3 150Wは画面内指紋認証センサーを搭載しています。
下寄りの配置なので、少し押しにくいです。
認証速度は高速です。
アプリロックやプライベートフォルダのロック解除にも指紋認証を使えます。
指紋が付きにくく、さらさらとした背面
realme GT Neo 3 150Wの背面はさらっとしていて、指紋が残りにくいです。
スポーツカーによく見られる二本線が入ったデザインが特徴的です。
フレームが黒色で引き締まっており、白と黒のツートンカラーが格好良いです。
重さはフィルム込みで190.7gでした。
OIS搭載SONY IMX766だがあまり有効活用できていない
realme GT Neo 3 150Wは50MP (Sony IMX 766) + 8MP (超広角 Sony IMX355) + 2MP (マクロ GalaxyCore gc02m1)のトリプルカメラ搭載です。
OIS 光学式手ぶれ補正に対応しています。
撮影した写真はこちらに保存しています。
過度な彩度調整はしていないようですが、特に緑色が強めに出ています。
同じSONY製レンズとはいえメインが50MP、超広角が8MPと大きな差があるため、超広角モードだと通常と色合いが異なってしまうことがあります。
超広角はあくまでおまけと考えたほうが良いでしょう。
ストリートモードと呼ばれる撮影モードも用意されています。
夜景は昼間のように明るく、とまでは行かないものの、肉眼よりは少し明るめに撮影できます。
実際には弱々しいライトで真っ暗に近い状態でしたが、石像もライトも潰れることなく映せています。
残念ながらOISはFHDでしか動作せず、それほど補正が強くないようです。
上がFHD 60fps、下が4K 60fpsです。
ステレオスピーカー搭載
realmeでは珍しい、通話用と兼用でないスピーカーがあるタイプのステレオスピーカーです。
左右のバランスが比較的良く、音量も十分です。
高音が綺麗に出る反面低音は少し弱めで、低音再生時は背面が振動していました。
圧倒的スピードの125W急速充電
realme GT Neo 3 150Wは製品名の通り150Wでの急速充電に対応しています。
ただ100Vのコンセントだと付属充電器では125Wしか出力できないため、今のところ日本では150Wを体感することは難しいです。
125Wで充電すると、たった17分で10%→100%まで充電できました。
最高でも35.5℃と発熱がかなり抑えられています。
充電が終わった後はすぐに20℃台まで冷えていきます。
対応充電器だとULTRADARTロゴとアニメーションが表示されます。
充電時に音が鳴りますが、root化している人向けに無音化するMagiskモジュールを作りました。
最大125Wですが実際は104Wスタートでした。
40%ほどで73W、80%ほどで60W、95%ほどで40Wに制御されました。
日本キャリアのVoLTEに一部対応
realmeがVoLTEを無効化した、4G遮断したなどと過激な情報が一部で拡散されていましたが、realme GT Neo 3 150Wはちゃんと日本キャリアのVoLTEに対応しています。
au回線などはVoLTE通話できましたが、楽天モバイルはMediaTek側の対応が漏れているようでVoLTEがオンになりませんでした。データ通信は問題なくできます。
対応バンドは
- CDMA:BC0
- 3G: WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19
- 4G: LTETDD:B34/B38/B39/B40/B41(2515~2675MHz)
- 4G: LTE FDD:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B26/B28a
- 5G: NR_NSA n77/78/40/41(2496-2690MHz)/1/3/5/8
- 5G: NR_SA n78/40/41(2496-2690MHz)/1/3/5/8/28a
でY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamo、IIJmioやOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
音量ボタンは左側に配置
音量ボタンと電源ボタンの位置は左右に分かれており、左側面に音量ボタンがあります。
黒いフレームに黒いボタンなので見えにくいです。
右側面に電源ボタンがあります。
CPUマルチコア性能は8 Gen 1超え、グラフィック性能は870以上
MediaTek Dimensity 8100はTSMC 5nmプロセスを利用したSoCで、CPUマルチコア性能ではSnapdragon 8 Gen 1をも超える性能を誇っています。
低性能という印象だったMediaTekも、新シリーズではハイエンドSnapdragonに肩を並べられるほどにまで成長しています。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア5388で、温度上昇は23℃→34℃ (11℃上昇)、21~41 FPSでした。
グラフィック性能ではSnapdragon 870レベルではありますが、発熱が11℃と性能の割には低く、安定度も99%で素晴らしいです。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア15738でした。
Snapdragon 8 Gen 1上位のスコアを超えており、MediaTek Dimensity 9000搭載のRedmi K50 Proをも超える逆転現象が起きています。
発熱が抑えられていることで、Dimensity 9000よりも高い性能を維持できていることが影響しているのでしょう。
Androidスマホ ベンチマーク結果まとめ。CPU・メモリ・ストレージ性能一覧 – AndroPlus
Geekbench 5ではシングルコア960、マルチコア4054です。
マルチコアではSnapdragon 8 Gen 1を軽く超える性能となっています。
ただ、残念なことにXiaomiに続きrealmeもパッケージ名で判定するスロットリングを行っているようです。
原神やJDに偽装したGeekbenchではシングルコア878、マルチコア3569にまでスコアが落ちており、これはSnapdragon 870レベルです。
せっかくの性能を生かしきれない上に、ユーザーの実使用環境では出せない性能をベンチマークでは出させるというのは愚策でしょう。
【追記】
Geekbenchのパッケージ名を認識するとCPU周波数を最大値に固定するというパターンであることが分かりました。
ゲーム側を最適化しているのであれば発熱対策として理解できたのですが、ベンチマークだけをブーストするという点で悪質性が高いです。
realmeスマホでのベンチマークブーストが発覚。CPU周波数を固定するGeekbench専用モードや難読化での隠蔽も – AndroPlus
GTモードと呼ばれるパフォーマンスモードがありますが、これを有効にしてもスコアは変わりませんでした。
UFS 3.1ストレージで、シーケンシャルライトは速めです。
ゲームモードにはUltra-steady framesと呼ばれるフレームレート安定化機能があるため、有効にしてGTモードでプレイしてみました。
原神を最高画質・60FPS設定で動かしてWeTest PerfDogで計測すると、平均54.6FPSでした。
一瞬止まったように見える「ジャンク」は15.5と少なめです。
MediaTek Dimensity 9000搭載のRedmi K50 Proが平均55.2FPS・ジャンク17.4だったので、滑らかさはむしろDimensity 8100のほうが上です。
バッテリー温度は最大37℃程度までの上昇で、あまり熱く感じませんでした。
最大44.2℃まで上昇したDimensity 9000と異なり、長時間のプレイも問題無さそうです。
realme GT Neo 3 150Wは一応MEMCフレーム補間にも対応しているのですが、残念ながら中国版原神でないと利用できませんでした。
realme GT Neo 3のフレーム補間で原神を90FPSでプレイしてみた。平均88.8FPS、37.5℃でプレイ可能 – AndroPlus
World of Tanks Blitz (Wot) では、開発者向けオプションで「認可の監視を無効化する」をオンにした後adb shellにて
settings put system peak_refresh_rate 1
settings put system min_refresh_rate 1
を実行することで120FPS設定を有効にできます。
すべてのオプションを最大に設定した状態で平均86.1FPSでした。
参考までに、Snapdragon 870搭載のOPPO Find X3では同条件で平均112.5FPSでした。
随分と大きな差が出てしまっています。
MediaTek Dimensity 8100は素の性能的にはSnapdragon 870に勝るとも劣らないですが、やはりゲームではグラフィックの最適化や省電力とパフォーマンスどちらを取るかのチューニングが問題になるようです。
多機能なOS
realme GT Neo 3 150Wが搭載しているrealme UIは、中身はColorOS 12です。
日本語対応で、Playストアは入っていないもののAPKMirrorなどで探してきてインストールすれば問題ありません。
Roboto & M+の合成フォントMejiroをリリース。MagiskモジュールやXiaomi/OPPOテーマストアで配布中 – AndroPlus
ジェスチャー機能はかなり豊富で、ダブルタップで画面オンはもちろん、文字を書いてアプリを起動するジェスチャーなど色々とカスタマイズできます。
バッテリー設定では、高速充電を無効にしたりスリープ時の最適化をオンにしたりできます。
ステータスバーのバッテリーアイコンも地味にカスタマイズ設定が豊富で、アイコンの形状を変えたりテキスト表示だけにしたりできます。
Bootloader Unlock可能!
realmeとしてはかなり珍しく、発売から3ヶ月経っていないにもかかわらずBootloader Unlockができるようになっています。
realme真我社区
こちらのAPKをインストールして進めることで、Bootloader Unlock申請ができます。
途中に何か注意事項が出ているようですが、真っ白で読めません。
申請したあとすぐ許可されるので、申請ステータスの画面で「Start deep testing」を押すことでfastbootモードが解禁されます。
fastboot_unlock_verify okなどと小さく表示されているのがfastbootモードです。
この時点ではBootloader Unlockはされていないので、Unlockする場合はfastboot flashing unlock
を実行してください。
Bootloader Unlockすればおそらくグローバル版を焼いてしまうこともできるので、グローバル版の登場が楽しみです。
中国版ROMはこちらに保存しています。
Bootloader UnlockしてもOTAを受けられ、インストールもそのままできます。(1回目は検証に失敗し、2回目のダウンロードはフルZIPに切り替わります)
まとめ
- 120Hzリフレッシュレート対応WQHD+
- Tianma製なのに鮮やかなAMOLED
- 125W充電で10%→100%がたった17分
- Dimensity 8100搭載で高いCPU性能
- 発熱しにくく冷めやすい
- 指紋が付きにくい背面
- ステレオスピーカー
- ベンチマークだけブーストしている
- ゲーム側の最適化不足も足かせに
- メインと超広角で色が異なる場合がある
- 動画での手ぶれ補正が弱め
- 画面内指紋認証が下に寄っていて押しにくい
realme GT Neo 3 150Wは高い性能と放熱性能を両立しており、長時間プレイ時にはSnapdragon 8 Gen 1を超えるほどのスムーズさで遊べます。
125W急速充電のおかげでバッテリーがなくなっても20分以内に充電完了できてしまいますし、充電をし忘れても問題ありません。
Samsung製でなくても綺麗なAMOLEDディスプレイを作れるという、鮮やかな未来も見せてくれました。
ベンチマークと実態がかけ離れていること、ゲーム側のMediaTekへの最適化が進んでいないことが残念ですが、今後のアップデートで改善されれば4~5万円台のスマホなのに10万円クラスのSnapdragonスマホより高い性能を維持し続けられるという、かなりのハイコスパスマホになります。
80W急速充電対応のrealme GT Neo3 80Wは最安構成で2299CNY (約4.6万円)~、150W急速充電対応のrealme GT Neo3 150Wは2899CNY (約5.8万円)~で購入できます。