OPPO Reno 10 Pro 5Gを貸し出していただきました。
長寿命と急速充電を両立
OPPO Reno10 Pro 5Gは28分で満充電できる80Wでの急速充電に対応しており、しかも1600サイクル (約4年) 後でもバッテリー容量は80%以上と長寿命です。
Snapdragon 778G 5Gを搭載し、なんと定価16万円のPixel 8 Proよりも原神をスムーズにプレイできます。
…とはいえ同価格帯で比べるとNothing Phone (2)などより性能が低いですし、割引前提の定価設定をされているように感じます。
このレビューは8GB+256GB版・CPH2541_13.1.1.501(EX01)で行っています。
- 約16万円のPixel 8 Proに勝るゲーム性能
- 大画面ながら185gと比較的軽め
- 28分で満充電できる80W SUPERVOOC
- FeliCa・おサイフケータイ対応
- スペックの割には定価が高い
- モノラルスピーカー
- 夜景撮影は合成に失敗しやすい
OPPO Reno10 Pro 5G (CPH2541) | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 256GB UFS 2.2 |
SoC | Snapdragon 778G 5G |
ディスプレイ | 6.7インチ FHD+ 2412×1080 アスペクト比 20.1:9 120Hzリフレッシュレート OLED |
サイズ | 163 × 75 × 7.9mm |
重さ | 185g (実測186.8g) |
SIM | nano SIM + nano SIM (またはeSIM) |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony IMX890) + 32MP (2倍ポートレート Sony IMX709) + 8MP (超広角 Sony IMX355) |
フロントカメラ | 32MP (Sony IMX709) |
バッテリー | 4600mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 2G GSM : 850/900/1800/1900MHz 3G WCDMA : Band 1/2/4/5/6/8/19 4G TD LTE : Band 38/41/42 4G FDD LTE : Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28 5G : n3/n28/n77/n78 |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。
クイックガイドのみM PLUSフォントになっています。(OPPOの雰囲気に合っていると思うのでこちらに統一してもらいたい…)
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
11V / 7.3Aで80W充電できる充電器です。
ディスプレイ:屋外でもそれなりに見やすい
OPPO Reno10 Pro 5Gは6.7インチ 2412×1080解像度のディスプレイを搭載しています。
エッジディスプレイですが、カーブが急ではないので端が極端に見にくくなることはありません。
配列はダイヤモンドピクセルです。
屋内で明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大485nitに達しました。
屋外・直射日光下では高輝度モードが発動し、最大730~766nit程度になることを確認できました。
高輝度モードの挙動は安定せず、少し時間が経つと500~600nit台に落ちることがありました。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
アプリ毎の設定はできません。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、Input Event Invoke Rateは60Hz (マルチタッチ時120Hz)、Movement Rateは125Hz程度でした。
特殊機能→ビュー分割のジェスチャーを無効にしておかないと、3本指以上の判定がうまくできなくなってしまうので要注意です。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は18.7ms、画面描画遅延は28.3msで合計47msでした。
少し遅延が大きめです。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:指紋が付きにくい
背面はさらさらとした手触りで、指紋汚れなどが付きにくいです。
重さは186.8gです。
カメラ:そこそこ
OPPO Reno10 Pro 5Gは
- 50MP (OIS / Sony IMX890)
- 32MP (2倍ポートレート Sony IMX709)
- 8MP (超広角 Sony IMX355)
というトリプルカメラ構成です。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
比較的実物に近い色合いになりやすいです。
日光下だとフレア・ゴーストが出やすい傾向にあるものの、ミドルレンジモデルとしてはかなり綺麗に撮影できる部類だと思います。
夜景モードでは、暗がりの中のライトなどもあまり白飛びさせずに撮影してくれます。
ただ、2~3枚に1回は合成に失敗してブレたり、期待していたものと違う写真になったりします。
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スピーカー:モノラルスピーカーで音は微妙
OPPO Reno10 Pro 5Gは残念ながらモノラルスピーカー搭載です。
低音の迫力はなく、少しカサカサとした音のように感じます。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると25.6msでした。
BluetoothではLDACのほかAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptiveなどにも対応しています。
一応LHDCも利用できるものの、OPPO製のイヤホンでないと利用できないよう制限されています。
ポート:80W急速充電に対応
OPPO Reno10 Pro 5Gは80W急速充電対応で、28分でフル充電できます。
80Wはピーク時のみで、バッテリー残量30%ほどだと60W程度の充電となります。
急速充電だからといって寿命が短くなることはなく、1600サイクル後でも80%以上の容量を維持できるため、最大27Wでしか充電できないのにすぐ劣化する他社スマホと違って長く使い続けやすいです。
nano SIMスロットのほかにeSIMにも対応しており、nano SIM + nano SIMもしくはnano SIM + eSIMのデュアルSIM利用ができます。
物理的なSIMカードを用意しなくても回線を切り替えできるため、特に海外利用時などで役立ちます。
上部には赤外線ポートがあり、リモコンアプリを使うと対応した家電を操作できるようになります。
電源ボタンと音量ボタンは右側面に配置されています。
性能:約16万円のPixel 8 Proを上回る
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア925・マルチコア2797、通常版でシングルコア926・マルチコア2802でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2023年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア688→683でした。
最低限度のGPU性能という感じで、重たい3D表現が多いアプリには不向きです。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。
2023年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア8626でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2023年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 2.2ストレージ、LPDDR4Xメモリを搭載しています。
最近のミドルハイモデルでは見かけなくなりつつある古い規格のため、あまり速度が出ていません。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてTakoStatsで計測すると、平均38.53FPSで1FPSあたり64mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大42℃程度まで上昇しました。
約16万円のPixel 8 Proだと28.7FPSだったため、半額でそれを超えるゲーム性能を出せているということになります。…まぁPixelが酷すぎるだけですが。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
なお、原神のリソースダウンロード中には一度「電話の温度が高すぎます」と出て強制終了されてしまいました。
放熱が少し弱めなのかもしれません。
OS:便利機能をいくつも搭載
OPPO Reno10 Pro 5GはAndroid 13ベースのColorOS 13を搭載しており、Pixelのような素のAndroidと違ってカスタマイズのオプションや機能が豊富です。
フォントについてはOPPO Sansなどが選べます。テーマストア、またはフォント設定の「詳細」を押すことでMcMejiroやUDon Nodo GothicPなどの日本語フォントにも切り替えられます。
地味なところではバッテリーの表示スタイルも変更可能。
文字だけにもできますし、アイコンの向きを変えたりサークルにしたりもできます。
ジェスチャー操作も数多くあり、スリープ時にはダブルタップで画面オンオフはもちろん、文字を書いてライトを点けたり音楽を操作したりできます。
まとめ
- 約16万円のPixel 8 Proに勝るゲーム性能
- 大画面ながら185gと比較的軽め
- 28分で満充電できる80W SUPERVOOC
- FeliCa・おサイフケータイ対応
- スペックの割には定価が高い
- モノラルスピーカー
- 夜景撮影は合成に失敗しやすい
Pixel 8 Proと比べればミドルレンジモデルとしてはマシな性能で、長持ちかつ80W急速充電対応やカスタマイズ性の高いOSなど一部はハイエンドモデル並です。
あまりゲームをしないけれど普段使いは快適にしたい、充電忘れと無縁にしたいという方には良いと思います。
定価が高いため、ポイントアップなどキャンペーン時に購入するほうが良いでしょう。
2023/10/23現在OPPO公式オンラインショップでは86,800円、Amazonでは78,908円で購入できます。