OPPO Reno9 Aを貸し出していただきました。
一般人好みの機能をいくつも搭載
OPPO Reno9 AはSnapdragon 695 5Gを搭載したスマートフォンです。
SoCやカメラ性能を求めるオタクにとってはつまらないスマホではあるものの、FeliCa・おサイフケータイやIP68防水防塵はもちろん3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカード対応、eSIMなど普段使いに便利な機能をいくつも搭載しているため、予算が限られている一般人にとっては良い選択肢の一つだと思います。
ただOPPO Reno7 Aが約175gと軽量だっただけに、進化が少ない割に183gへと重たくなっているところが残念です。
このレビューはCPH2523_13.1.0.525(EX01)バージョンで行っています。
- 90Hzリフレッシュレート対応AMOLED
- 指紋が付きにくい背面
- IP68防水防塵
- nano SIM + nano SIMかnano SIM + eSIMで使える
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- microSDカード対応
- 画面の明るさが足りず屋外では見にくい
- モノラルスピーカー
- 急速充電は18Wまで
- Reno7 Aから進化が少ない割に重さは増加
OPPO Reno9 A CPH2523 | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS 2.2 microSDカード対応 |
プロセッサ | Snapdragon 695 5G (SM6375) |
ディスプレイ | 6.4インチ FHD+ 90Hz AMOLED |
サイズ | 約160 x 74 x 7.8mm |
重さ | 約183g |
SIM | nano SIM + nano SIM eSIM対応 |
メインカメラ | 48MP (SONY IMX581) + 8MP (超広角 OmniVison OV08D10) + 2MP (マクロ GalaxyCore GC02M1) |
フロントカメラ | 16MP |
バッテリー | 4500mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 2G: GSM 850/900/1800/1900MHz 3G: UMTS(WCDMA) Band 1/4/5/6/8/19 4G: TD-LTE Band 38/40/41/42 4G: LTE FDD Band 1/3/4/5/8/12/17/18/19/26/28 5G: n3/n28/n41/n77/n78 |
目次
ディスプレイ:屋内向き
OPPO Reno9 Aは6.4インチ FHD+解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。
やけに下ベゼルが太いことが気になるものの、それはあくまでオタク目線であり一般人は気にならないのでしょう。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
前に借りていた人の扱いが特別雑だったのかもしれませんが傷やフチの気泡がいくつかあったので、あまり耐久力は高くなさそうです。駄目になったら他社製フィルムを貼り付けると良いでしょう。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大407nitsに達しました。
屋外では高輝度モードが発動するものの、562nitsにしかならなかったため屋外では見にくいです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nits程度、屋外では800~1000nits程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは90Hz対応です。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は17.8ms、画面描画遅延は38.4msで合計56.2msでした。
遅延が大きめですがOPPO Reno9 Aで音ゲーをしようとする人はいないでしょうし、問題はないと思います。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:指紋が付きにくい
OPPO 独自の背面加工「OPPO Glow (オッポ グロウ)」が使用されており、サラッとした手触りで指紋が付きにくいです。
ガラス背面に変更されており、Reno7 Aとは異なりカメラ周りが他の部分とは違うつるっとしたデザインになっています。
白いので目立ちにくいものの、つるっとしている部分には指紋が付きやすいです。
重さは185gです。
OPPO Reno7 Aは最初から貼られている保護フィルム込みで176.2gだったため、8.8gも増えているのは残念です。
ガラス背面になったことで高級感が少し増したとはいえ、Reno7 Aの素材も悪くないですし8.8g分のメリットがあるとは思えません。
カメラ:彩度が高めでSNS向け
OPPO Reno9 Aは48MP (SONY IMX581) をメインカメラとしています。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
2倍ズームしてもそこそこ綺麗に撮影できます。
中央以外はボケやすいです。
AIシーン強化をオフにしている状態でさえ彩度がかなり高く調整されるため、記録用途には向いていません。
実際の空とは全く異なる、青すぎる空になっています。
SNSでの映え重視なら問題ないと思います。
スピーカー:モノラルで重厚感はない
OPPO Reno9 Aはモノラルスピーカー搭載です。
低音の重厚感はない一方、高音はそれなりにクリアに出ています。
3.5mmイヤホンジャックがあるので、音質を求める人は有線イヤホンで聴いたほうが良いです。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると21.3msでした。
ポート:18W充電のみで遅い
OPPO Reno9 Aは4500mAhバッテリーを搭載し、充電速度は最大18Wなため遅いです。
IP68防水防塵で、多少の水濡れは問題ありません。
左側面には音量ボタンのほかSIMスロットがあります。
microSDカードも挿せるため、128GBで容量が足りない場合は後から追加できます。
nano SIM + nano SIM以外にnano SIM + eSIMのデュアルSIMにすることも可能。
プロファイルをダウンロードするだけでデータ通信できるようになるため、特に旅行先などで役立ちます。
右側面には電源ボタンがあります。
性能:最低限度
OPPO Reno9 AはSnapdragon 695 5Gを搭載しており、MediaTek Helio G99と同じぐらいの性能です。
ゲーム等には不向きではあるものの、普段使いでストレスを感じさせない程度の性能はあります。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア907・マルチコア2094、通常版でシングルコア906・マルチコア2085でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2023年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア363→349でした。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。
2023年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア9148でした。
2023年現在は8000未満だと普段使いでストレスを感じることが多く、最低ラインはクリアできており実際の操作感も問題ありません。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2023年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 2.2ストレージ、LPDDR4Xメモリを搭載しています。
ローエンド~ミドルレンジの機種としては普通の速度です。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
RAMの拡張オプションがあるものの、これはストレージの一部を仮想メモリとして利用する機能です。
上の計測結果を見てもらえば分かるとおりストレージとメモリでは速度の差が桁違いであるため、8GB + 8GBに拡張したからといって元々16GBメモリ搭載のスマホと同等の性能を得られるか、といえば絶対にNOです。
あくまでもメモリ不足時にアプリが強制終了されるまでの時間を稼げる程度で、RAM拡張でゲームがサクサク動くようになるなどの効果はありません。
OS:便利機能多し、一部コンセプト不一致なところも
OPPO Reno9 Aが搭載しているAndroid 13ベースのColorOSは、ソフト的な機能でいうとハイエンド機種と遜色ないレベルです。
ただプリインストールアプリの選別もハイエンド機種と同じにしてしまったのか、OPPO Reno9 Aのコンセプトとはかみ合わない部分がいくつかあります。
まずApp Marketというアプリがあるもののアプリストアではなく実態はPlayストアへのショートカット集で、混乱を招くだけの不要なアプリです。
原神などのゲームのショートカットアプリもプリインされており、どちらかにまとめた方が良かったのではないかと思います。原神は最低画質30FPSでどうにか動くとはいえ、OPPO Reno9 Aにプリインするにはそぐわないと思います…。
ブラウザもInternetとChromeの2種類が搭載されています。
テーマアプリではテーマや壁紙はもちろん、フォントも変更できます。
日本語フォントは少ないものの、丸っこいMcMejiroやUDゴシックのUDon Nodo GothicPなどをアップしてあります。
ただの格安スマホだとフォント変更はできないことが多く、標準フォントが気に入らない人には大きなメリットと言えます。
ジェスチャー機能もしっかり搭載。
ダブルタップで画面をオフにするほか、ロック画面のダブルタップで画面オフもできます。
地味に嬉しいステータスバーアイコンの表示オンオフ機能があり、バッテリー残量はパーセント表示のみにもできます。
インカメラを使うことで他人がのぞき見していたら防いでくれる機能も用意されています。
顔認証を設定する必要はなく、のぞき見防止だけを有効化することもできます。
まとめ
- 90Hzリフレッシュレート対応AMOLED
- 指紋が付きにくい背面
- IP68防水防塵
- nano SIM + nano SIMかnano SIM + eSIMで使える
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- microSDカード対応
- 画面の明るさが足りず屋外では見にくい
- モノラルスピーカー
- 急速充電は18Wまで
- Reno7 Aから進化が少ない割に重さは増加
OPPO Reno9 Aはどうしても4万円台までで新品スマホが欲しい、おサイフケータイやIP68、microSDカード対応が必須だ、という人に向いています。
2023/08/14現在Amazonでは42,545円~で購入できます。
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