発売前にオウガ・ジャパン様よりOPPO Pad Air日本版を貸し出していただきました。
OPPO日本初の軽量タブレット
OPPO Pad AirはOPPOの日本市場向けとしては初となるAndroidタブレットです。
Snapdragon 680を搭載しており、指紋が付きにくい背面で重さは440gと軽めです。
ミドルレンジのタブレットだと軽視されがちなスピーカーはDolby Atmos対応のクアッドスピーカーです。
このレビューはOPD2102A_11_A.14、4GB+64GBバージョンで行っています。
- 10.3インチ2000 x 1200解像度の画面
- 7100mAhバッテリー搭載で軽め
- microSDカード対応
- クアッドスピーカー
- ミドルながらも多機能
- 性能が低く用途が制限される
- 画面が暗め
- タッチ遅延が大きい
- 指紋認証センサー非搭載
- GPS非搭載
OPPO Pad Air OPD2102A | |
---|---|
OS | Android 12 |
RAM | 4GB LPDDR4X |
ストレージ | 64GB UFS 2.2 microSDカード対応 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 680 |
ディスプレイ | 10.3インチ 2000 x 1200 60Hz LCD |
サイズ | 245.1 x 154.8 x 6.9mm |
重さ | 440g (実測438.2g) |
SIM | — |
メインカメラ | 8MP (Hynix hi846) |
フロントカメラ | 5MP (Hynix hi556) |
バッテリー | 7,100mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
目次
かなり薄い箱に入っており、付属品はクイックガイド・安全ガイド・SIMピンのみです。
充電器やケーブル、スタイラスペンは付属せず、保護フィルムも貼られていません。
発色は十分だが少し暗めの画面
OPPO Pad Airは10.3インチ2000 x 1200解像度のIPSディスプレイを搭載しています。
リフレッシュレートは60Hzです。
発色は十分良く、設定で色温度を好きなように変えることもできます。
明るさ自動調整オンでのHDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大303nitに達しました。
視野角はあまり良くないようで、斜めから見ると暗く見えてしまいました。
設定で「電力消費が大きい」と注意が出るぐらいの明るさにしておかないと室内でも見にくく感じます。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計75.4msでした。
2万円台のタブレットと同程度の大きな遅延で、性能的にもタッチ遅延的にもゲームには不向きです。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
指紋が付きにくい背面
OPPO Pad Airの背面は大部分がメタリックで、上部のみOPPO Glowと呼ばれる立体的なテクスチャーになっています。
指紋が残りにくいため、しばらく使った後でも綺麗なままです。
メタリックな部分に対してOPPO Glowはプラスチック感が強く、個人的には質感の差でOPPO Glowの部分からは安っぽい印象を受けてしまいました。デザイン的にはアクセントになって良いとは思うのですが…。
背面カメラは8MPのシングルカメラで、出っ張りは最小限に抑えられています。
白飛びやノイズが発生しがちではあるものの、メモ用途なら十分です。
重さは438.2gです。
microSDカードで容量追加可能
OPPO Pad Airの内部ストレージは64GBと少なめです。
容量が足らない場合は、側面にあるスロットにmicroSDカードを入れることで容量を増やせます。
スロットのある面の反対側には音量ボタンがあり、近くに電源ボタンもあります。
Dolby Atmos対応クアッドスピーカー
OPPO Pad Airはクアッドステレオスピーカーを搭載しています。
音量が少し小さめで、音が軽いように感じました。
高音が弱めで、ボーカルなどに押されがちです。
Dolby Atmosに対応しています。
Awinic aw882xxx SmartPAを搭載しているようです。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると23.5msでした。
18W充電対応の7100mAhバッテリー
OPPO Pad Airは7100mAh容量のバッテリーを搭載しています。
18Wでの充電ができ、USB Type-C to Cケーブルでも充電できます。
約12時間のビデオ再生ができるそうで、十分なバッテリー持ちです。
GPSや指紋認証センサーは残念ながら非搭載
カーナビ的な用途で使うことは想定していないようで、GPSによる位置情報取得には対応していません。
microSDカードスロットの作り的には4G対応版も出せそうですが、日本では需要がないと判断されたのでしょう。
ロック解除は顔認証のみに対応し、指紋認証センサーは搭載していません。
動画再生などには十分な性能
OPPO Pad Airが搭載しているSnapdragon 680はミドルレンジというよりはローエンドに近いレベルの性能です。
ゲームを快適にプレイすることは不可能で、主に電子書籍の閲覧や動画再生、ウェブサイト閲覧などに用途が限定されます。
Geekbench 5では原神偽装版でシングルコア385・マルチコア1616、通常版でシングルコア385・マルチコア1639でした。
大きな変化がなく、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア6404でした。
普段使いの動作がモッサリしない最低限度です。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア450で、温度上昇は28℃→31℃ (3℃上昇)、2~6 FPSでバッテリー消費は4%でした。
ちなみに同じく日本で販売されている5万円台のタブレット、Xiaomi Pad 5はOPPO Pad Airの約7.6倍のスコアです。
ストレージはUFS 2.2で、2022年のミドルレンジとしては高速とは言えませんが、数世代前のハイエンドモデルであるXperia 1よりかは速いというレベルです。
豊富な機能を持つAndroid 12ベースのColorOS
OPPO Pad AirはAndroid 12ベースのColorOSを搭載しています。
OPPO Pad Airは日本版であってもヨーロッパ版と中身が共通なようで、初期セットアップでは最初の選択肢が英語になっています。
デジタル機器に疎い人は英語を見るともう何も分からない、考えられないとなってしまう場合が多いので、特に説明もなくリストの最後までスクロールさせるというのは初心者にはハードルが高いのではないかと思います。(クイックガイドにも書いてありません)
ColorOSの機能はほぼすべて使えるため、ソフトウェア面ではハイエンドモデルと同じぐらい充実しています。
残念ながらテーマストアはインストールされておらず、無理矢理別途インストールしないと私がOPPOテーマストアで配布しているMejiro日本語フォントなどは適用できません。
ダブルタップで画面オンオフも可能です。
ステータスバー設定ではバッテリーアイコンのカスタマイズができ、バッテリーアイコンを非表示にしてテキストでパーセント表示だけさせることもできます。
VPNアイコンなども個別に隠せます。
二本指でジェスチャーをして画面を分割したり、タブレット向けの表示に非対応のアプリの表示サイズを変更したりできる便利機能もあります。
スマートサイドバーを使えばどこでも他のアプリに切り替えやすいです。
RAMの拡張オプションでは、1GB~3GBで仮想メモリを追加できます。
メモリより遅いストレージを使うことになるので、4GB + 3GBといっても物理メモリが7GBある機種とは処理速度は大きく異なります。
メモリ不足になりやすければ、物理メモリ分を超えたときの遅さを承知で3GBに設定すれば良いと思います。
まとめ
- 10.3インチ2000 x 1200解像度の画面
- 7100mAhバッテリー搭載で軽め
- microSDカード対応
- クアッドスピーカー
- ミドルながらも多機能
- 性能が低く用途が制限される
- 画面が暗め
- タッチ遅延が大きい
- 指紋認証センサー非搭載
- GPS非搭載
OPPO Pad Airはできるだけ軽い10インチタブレットが欲しい、ウェブサイトや動画、電子書籍を大画面で表示したいという方には良いと思います。
大画面でゲームを楽しみたい、という方は他のタブレットを検討するべきでしょう。
GPU性能でいうと約7.6倍の性能を持つXiaomi Pad 5をOPPO Pad Airの約1.6倍の価格 (円安起因の値上げ済み) で買えてしまうため、コスパは良くありません。
無名中華メーカーの1~2万円台の格安タブレットに比べるとビルドクオリティやOSの機能は段違いですし、予算が3万円台までで安心できる品質のものが欲しければOPPO Pad Airを選ぶと良いと思います。