評価: 3.5
OPPO Find X3 中国版を購入しました。
目次
顕微鏡で細部もくっきり撮れる
OPPO Find X3はスマートフォンとしては初めて60倍顕微鏡を搭載したスマートフォンです。
上位版のOPPO Find X3 Proとディスプレイやカメラ周りは同じですが、Snapdragon 870・LPDDR4Xメモリなど一部はダウングレードされています。
対応バンドがかなり広く、VoLTEもデフォルトで使えて日本語もしっかり対応しているのですが…中国版ColorOSのクセが強すぎて台無しです。
- 60倍顕微鏡カメラ搭載
- 綺麗なWQHD+・LTPOディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート
- ワイヤレス充電対応
- IMX766 (通常+超広角) で綺麗なカメラ
- VoLTEデフォルト対応
- IP68防水防塵
- グローバル保証付き
- クセが強すぎる中国版ColorOS搭載
- 発熱は大きめ
- すぐタスクキルされる & アプリとの相性問題多発
- 微妙に気持ち悪いカメラの出っ張り
- ホームアプリを変更できない
OPPO Find X3 PEDM00 | |
---|---|
OS | Android 11 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB/256GB UFS 3.1 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 870 |
ディスプレイ | 6.7インチ WQHD+ 120Hz LTPO |
サイズ | 163.6 x 74 x 8.26mm |
重さ | 193g |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 50MP (Sony IMX766) + 50MP (超広角 IMX766) + 13MP (望遠) + 3MP (顕微鏡) |
フロントカメラ | 32MP |
バッテリー | 4500mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.1 Gen1、DisplayPort Alt Mode対応) |
バンド | 2G: GSM 850/900/1800/1900MHz 2G: CDMA BC0(800MHz ) 3G: CDMA2000 BC0(800MHz) 3G: UMTS (WCDMA) bands 1/2/4/5/6/8/19 4G: TD-LTE bands 34/38/39/40/41(194MHz:2496-2690) 4G: LTE FDD bands 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28A/66 4G+: TD-LTE: B38C/B39C/B40C/B41C/B40D/B41D/B39A+B41A/B39A+B41C等 4G+: LTE FDD: B1C/B3C/B7C/B1A+B3A/B1A+B3A+B5A/B1A+B5A/B3A+B5A/B1A+B8A/B3A+B8A(Band3 PCC)/B1A+B3C/B3A+B41A/B8A+B41A等 5G NR:n1/3/7/28A/38/41/66/77/78/79 |
パッケージはOnePlus 9 Proなどと同じく縦長です。
OnePlus 9 Proレビュー。広角でも綺麗なHasselbladカメラに最短29分で満充電の有線/無線充電も – AndroPlus
付属品はイヤホン、USB Type-Cケーブル、充電器、ハイドロゲルフィルム貼り付け時用の保護シールなどです。
保護フィルムは最初から貼られています。
実はOPPO製品はグローバル保証というものがあり、海外で購入した製品でも日本で修理を受けられます。破損や水濡れしても有償修理してもらえるので、安心です。
保護ケースもついています…がカメラの出っ張りはそのままで、水平にはなりません。
高精細かつ優れた色合いのディスプレイ
OPPO Find X3はCPUやメモリ以外の部分ではOPPO Find X3 ProやOnePlus 9 Proとほとんど同じです。
OnePlus 9 Proレビュー。広角でも綺麗なHasselbladカメラに最短29分で満充電の有線/無線充電も – AndroPlus
WQHD+解像度のSamsung製AMOLEDが採用されており、鮮やかな発色で視野角も良いです。
120Hzリフレッシュレートに対応しており、LTPOのおかげで従来より消費電力が抑えられているようです。
こちらの画像だと4あたりまで表示できました。
カラーモードはP3モード、sRGBモード、Display P3モード、鮮やかの4種類で調整できます。
残念ながらエッジのため保護フィルムを貼りにくいですが、OnePlus 8 Proに比べればまだマシなカーブとなっています。
画面左上にパンチホールカメラがあり、設定で隠すことも出来ます。
画面内指紋認証センサーを搭載しており、素早くロック解除できます。
多少指が汚れていても認識ミスはしませんでした。
賛否分かれるカメラデザイン
OPPO Find X3の背面のカメラ周りは、一般的なスマホと違って緩やかに盛り上がっています。
シームレスに繋がっているような印象で未来感はありますが、盛り上がった形になることでのメリットは特にありません。
逆に保護ケースを付けたときに平たくしてガタつかないようにするのが難しい、というデメリットはあります。
電源ボタンは中央に緑色のラインが入っています。特に意味はなさそうです。
カメラをウリにしていながらも、電源ボタンを2回押してカメラを起動する機能は非搭載です。
左側面には音量ボタンがあります。
OnePlusと違い、アラートスライダーはありません。
60倍顕微鏡で細部まで撮れる
OPPO Find X3の最大の特徴は「60倍顕微鏡」です。
OnePlus 9 Proでは4つ目のカメラはモノクロという載せるだけ無駄なものでしたが、OPPO Find X3ではリングライト付きの顕微鏡で実用的です。
OPPO Find X3で撮影した写真はこちらに保存しています。
顕微鏡モードにして物に近づければ、このように繊維まではっきり映せます。
三脚などは必要なく、手で持ってピントを合わせれば良いだけなので、電子顕微鏡などを使うよりもかなり手軽に撮影できます。
ディスプレイの配列さえも映せるため、普段使っているスマホがどんな配列になっているか見比べることもできます。
顕微鏡モードでは被写体にかなり近づけないといけないため、花などを撮影しようとするとカメラレンズ周りが汚れてしまう、というのがマイナスですが仕方がありません。
50MP (Sony IMX766) + 50MP (超広角 IMX766)の2つのおかげで通常・超広角どちらも同じ画質で撮影できます。
OnePlus 9 Proと比べると赤色をあまり極端に鮮やかにしようとしておらず、より自然な色合いで撮影できます。ハッセルブラッドと提携したモデル間違えてません…?
望遠カメラは13MPとOnePlus 9 Proの8MPよりは高画素です。
塗り絵のように潰れることもありますが、5倍ハイブリッドズームならそれなりに綺麗に撮影できます。
カメラアプリの設定ではJPG・HEIFとH.264・H.265どちらで保存するか選択できます。
10bitカラーで撮影するモードもあります。10bitで撮影した写真はこちらにアップしています。
OPPO Find X3やOnePlus 9 Proでは表示できますが、Windows 10ではHEIF・HEVC拡張機能を入れても表示できませんでした。
多バンド、VoLTEもデフォルト対応
下部にはスピーカー、USB Type-CポートとSIMスロットがあります。
通話用スピーカーと合わせてステレオ再生されますが、下部スピーカーのほうが音量が大きいのでアンバランスです。
Dolby Atmos対応で、サウンドプロファイルをいくつか選べます。
OPPO Find X3の対応バンドは
- 2G: GSM 850/900/1800/1900MHz
- 2G: CDMA BC0(800MHz )
- 3G: CDMA2000 BC0(800MHz)
- 3G: UMTS (WCDMA) bands 1/2/4/5/6/8/19
- 4G: TD-LTE bands 34/38/39/40/41(194MHz:2496-2690)
- 4G: LTE FDD bands 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28A/66
- 5G NR:n1/3/7/28A/38/41/66/77/78/79
とかなり幅広く、プラチナバンドも含まれています。
日本のキャリアのVoLTEもデフォルトで対応しており、Y! mobileやSoftBank、楽天モバイルでも問題なく通信・通話できました。
ワイヤレス充電対応
OPPO Find X3は廉価版ながらもワイヤレス充電に対応しています。
ただしAirVOOC 30Wまでの対応となっているため、Warp Charge 50 Wireless Chargerを使っても50W充電はできません。
Warp Charge 50 Wireless ChargerでOnePlus 9 Proを無線充電してみた。満充電までたったの43分 – AndroPlus
ワイヤレス充電の場合、10%→100%が1時間22分でした。
有線ではSuperVOOC 2.0 65WやUSB PD 9V/2Aに対応しています。
65W充電なら10分で40%まで充電できるようです。
バッテリーは4500mAhで、重さは実測196.1gでした。
USB 3.1 Gen1、映像出力対応
Xiaomiスマホでは10万円以上してもUSB 2.0止まりのものばかりですが、OPPO Find X3は廉価版ながらも高速なUSB 3.1 Gen1対応です。
USB Type-Cケーブルでの映像出力もできるため、大画面で動画やゲームを見たいときに便利です。
性能は高いがそれなりに発熱するS870
OPPO Find X3に搭載されているSnapdragon 870はSnapdragon 865を超える性能を持っています。
高い性能と比例して発熱も大きくなっていますが、Snapdragon 888搭載スマホよりかは低めな印象です。
Snapdragon 888は瞬間的な性能は上ですがサーマルスロットリングですぐ下がってしまうため、870のほうが安定した性能を発揮できます。
3DMark Stress Testではスコア4206→4059と安定した結果を出しており、温度は36℃→48℃ (12℃上昇) でした。
GeekBench 5ではシングルコア1016・マルチコア3256でした。
普段使いでの性能を測るPCMark Work 3.0ではスコア11718でした。
メモリはLPDDR4XなのでLPDDR5スマホと比べると遅めですが、ストレージはUFS 3.1なので普段使いで突っかかりを感じることはありません。
普段使いではメモリよりもストレージのほうが体感速度に与える影響が大きいですし、コスト削減のやり方としてはうまいと思います。
中国版ColorOSは使い勝手❌
OPPO Find X3には中国版ColorOSが搭載されています。
グローバル版よりも中国向けにカスタマイズされているため、Googleサービスとの相性が悪く、日本人には使い勝手が悪すぎます。
日本語表示自体はしっかり対応しており、中華フォントで表示されることはありません。
グローバル版のテーマストアでは日本語フォントMejiroを配布しているので、もう少し丸みのあるフォントが良いという場合はグローバル版テーマストアのapkをインストールしてしまえば非rootで適用できます。
Roboto & M+の合成フォントMejiroをリリース。Magiskモジュールやテーマ配布中 – AndroPlus
PlayストアはAPKインストールすれば利用でき、プロテクト認定済みです。
ただ、独自にカスタマイズという名の改悪をしているせいでゲームのパフォーマンス分析ができるGameBenchもエラーですぐ止まるなどアプリとの互換性問題が多発します。
アプリインストール時は通知を一切表示させない設定になっており、許可した後でも通知も遅れるか届かないことが多く使い勝手は最低最悪です。
また、ホームアプリも変更できません。
一応adb shell cmd package set-home-activity com.teslacoilsw.launcher/com.teslacoilsw.launcher.NovaLauncher
でNova Launcherに切り替えられますが、ホームボタンを押す度にシステムランチャーがゾンビのように復活してくるので完全ではありません。
タスクキルもかなりアグレッシブで、バッテリー最適化をオフにしたりアプリ履歴でロックしたりしてもまだ勝手にアプリが終了することがあります。
ユーザー補助機能ですらその対象で、勝手にオフになっていってしまいます。
中国人はタスクキラー()を使ってでもバックグラウンドアプリを全部終了させて「バッテリー持ちが良くなった!」と喜ぶのでこんな仕様になっているのでしょうが、日本人にとっては不便なだけです。
設定には「高パフォーマンスモード」があり、このモードだとCPUクロックが上限で張り付きます。
以前のColorOSでは開発者向けオプションを徹底排除する姿勢でしたが、ColorOS 11では比較的緩くなっています。
とはいえ「開発者オプションがオフになりました」(オフになったとは言っていない) の通知を押してしまうとすぐオフになりますし、「認可の監視を無効化する」をオンにしておかないとadb shell settingsコマンドなどでSecurity exception: Permission denial: writing to settings requires:android.permission.WRITE_SECURE_SETTINGS
というエラーが出てブロックされてしまいます。
一応ColorOSの利点としては「豊富なジェスチャー操作」があり、ダブルタップしてオンオフはもちろん文字を描いてアプリを起動するジェスチャー、着信中に裏返してミュートなど多数対応しています。
これだけ豊富な中、何故かAOSPにもある「電源ボタンを2回押してカメラ起動」だけは省かれています。
ゲームモードではCPU・GPUパフォーマンスを強化するプロゲーマーモードを選べます。
そこまで性能が必要ないゲームでは低電力モードにできるので、バッテリー消費や発熱を抑えることもできます。
なお、表示の画質向上や高解像度化は中国版アプリのみ対応で、グローバル版アプリのことは一切考えられていません。
まとめ
- 60倍顕微鏡カメラ搭載
- 綺麗なWQHD+・LTPOディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート
- ワイヤレス充電対応
- IMX766 (通常+超広角) で綺麗なカメラ
- VoLTEデフォルト対応
- IP68防水防塵
- クセが強すぎる中国版ColorOS搭載
- 発熱は大きめ
- すぐタスクキルされる & アプリとの相性問題多発
- 微妙に気持ち悪いカメラの出っ張り
- ホームアプリを変更できない
OSは最悪ですが、ハードウェアとしてはかなり素晴らしく、特にカメラ性能を重視する方にはおすすめです。
同じカメラ構成のFind X3 ProはDXOMARKでスコア131と2021/06時点で世界6位ですし、他にはない60倍顕微鏡も魅力的です。
AliExpressでは2021/06/20現在$675.15 (約7.4万円) ~で購入できます。
上位版のOPPO Find X3 Proは日本でもSIMフリー販売される予定で、グローバル版にも技適マークがあります。