OPPOグループがリージョンロックを導入したことが判明しました。
中国販売の端末が他国では通話不可に
OnePlus / realmeが中国にて販売しているスマートフォンに、リージョンロックを掛け始めたことが明らかになりました。
リージョンロックがかかると起動やアプリ使用などは問題ないものの、通話などが使用不可能になります。
OPPO Find X6 Proについてはリージョンロックは導入されていないようです。
なおvivoは「OPPOと同じBBKグループだ」などと言われることがありますが、実際には直接的な資本関係は一切なくOSのコードベースも全く異なるため、今回の話も関係ありません。
リージョンロックが掛かるとどうなる?
ロシアのフォーラム4PDAでの報告によれば、中国から輸入して使っていたOnePlus 11で、使用開始から2週間ほど経つと急に通話ができなくなったそうです。
警告文はTeleService.apk (com.android.phone) の中に入っており、「地域向けにカスタマイズされた端末を使用しています。端末の通信機能はお住まいの地域に制限されています。サポートについては、realme カスタマーサービスにお問い合わせください。」のようなものがあります。
警告内容によれば、通話のほか5Gやデータ通信、SIM機能すべてが制限される場合があるようです。
「Global RegionLock」と「Region NetLock」の二種類があり、OnePlusでは「Global RegionLock」が、realmeでは「Region NetLock」が使われています。
「Region NetLock」はこちらのサイトで解除コードを生成できます。
【追記】
78.ruによれば、ロシアOPPOに問い合わせした結果では『OnePlusブランドはロシア市場において公式には販売していない』と説明 (ロシア語でOnePlus 11のページも用意されているのでおそらく誤り) され、リセラーに問い合わせた結果では『OPPOの担当者と連絡を取ったところ、単なる技術的なバグであり、早急に解消するよう取り組んでいるという回答を得た』との回答があったとのことです。
OPPO公式からの返答が得られていないことが気がかりではあるものの、リセラーの返答が正しいとすれば今後のアップデートで解消するかもしれません。
既存機能の流用ではなくわざわざMCCのブラックリストや解除機能を作っておいて『技術的なバグ』だというのはおかしいと思いますが…。
【2023/04/17追記】わざわざ公開鍵での認証に変更してリージョンロックが続けられているため、バグという説明は嘘であることが確定しました。
どの地域だとリージョンロックされる?
リージョンロックはすべての地域で行われているわけではなく、ある特定の地域のSIMカードを使用している場合にのみ有効化されます。
対象地域が書かれているファイルは
- my_bigball/etc/regionlock_config.xml
- my_product/etc/regionlock_config.xml
- my_region/etc/regionlock_config.xml
のいずれかに配置されています。
OnePlus 11でリージョンロック対象とされているMCCは下記の通りです。
MCC一覧 (クリックで開きます)
- 404
- 405
- 31*
- 302
- 250
- 424
- 420
- 334
- 425
- 419
- 410
- 730
- 401
- 724
- 470
- 429
- 414
- 418
- 427
- 602
- 603
- 605
- 244
- 238
- 240
- 242
- 234
- 235
- 262
- 222
- 208
- 214
- 204
- 206
- 260
- 226
- 520
- 502
- 525
- 515
- 452
- 510
日本 (MCC 440) は入っていません。
対象のMCCを見てみると
- 404 インド
- 222 イタリア
- 250 ロシア
- 605 チュニジア
- 724 ブラジル
と、ほとんどはOnePlusが正式にグローバル版を販売している地域であることが分かります。
ブラジルでは正規販売していないはずですが、中華スマホが流行している国なのでアフリカの他地域から持ち込まれないよう制限されたのでしょう。
わざわざ中国版を輸入するような熱狂的なファンがいることはグローバル展開を始める際には良いことではあるものの、正式にその地域向けに販売開始したにもかかわらず中国版を買い続けられてしまうと今度はメーカーに不利益が生じてしまいます。
メーカーとしては正規ルートで購入して欲しいと考えることは当然なので、正規販売されている地域でリージョンロックがかかることは理解はできます。(心情としては残念ではありますが)
リージョンロックの対策は?
リージョンロックが掛かった場合、OPPO / OnePlus / realmeカスタマーセンターへ行く、もしくは中国サポートセンターに問い合わせ (realmeの場合) して住所や注文番号などを伝えることでロック解除をしてもらえるそうです。
realmeサポートセンターに問い合わせした場合、購入時のスクリーンショットなどで購入証明をして48時間後にコードが送られてきたとのことです。
OplusEngineerNetwork.apkの中に16桁のアンロックコードを入れるという文字列があるため、おそらくエンジニアモードで操作されるのでしょう。
注文番号を伝える都合上、京東など以外の非正規ルートでの購入品は断られる可能性があります。
2023/02現在はカスタマーセンターに頼ることなくロック解除コードを生成する方法があり、実際にrealme GT Neo5で解除できることを確認しました。
【2023/04/17追記】realme GT Neo5 SEなど2023/04以降出荷分のファームウェアでは、公開鍵での認証に変更されました。おそらく非rootでの解除はリークがない限り不可能です。
TeleService.apk (com.android.phone) がoplus.intent.action.GLOBAL_REGION_NETWORK_LOCKのインテントを受け取ることでリージョンロックの警告文が表示されます。
リージョンロックをするかどうかのチェックは
- persist.sys.radio.global_regionlock.allcheck
- ro.oplus.radio.global_regionlock.enabled
によって行われているため、Magiskモジュールで書き換えてしまえば強制的に解除できます。
まとめ
OPPO / OnePlus / realmeのリージョンロック対象は今のところ正規販売されている地域が多く、良くも悪くもOnePlus / realmeスマホが正規販売されていない日本は対象外です。
ただし今後ロックされる地域が増えていく可能性もあるため、注意が必要です。