OnePlus Ace 3Vを購入しました。
ミドルレンジモデルながらも高性能
OnePlus Ace 3VはSnapdragon 7+ Gen 3を搭載したミドルレンジスマホです。
発熱にやや課題があるものの最高画質の原神を平均53FPSでプレイできるほどの性能を持っており、スマホクーラーを合わせて使えばそこらのハイエンドスマホにも劣らないほどの快適さでゲームを遊べます。
このレビューは12GB+256GB版・PJF110_14.0.1.510(CN01)で行っています。
- 高い性能を持つSnapdragon 7+ Gen 3
- 1.5K解像度のディスプレイ
- 5,500mAhバッテリー
- 80~100W充電対応
- IP65防水防塵
- 最適化がまだなのか発熱しやすい
- 対応バンドが少ない
OnePlus Ace 3V | |
---|---|
OS | Android 14 |
RAM | 12GB/16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB/512GB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 7+ Gen 3 |
ディスプレイ | 6.74インチ 2772×1240 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 162.7mm x 75.2mm x 8.47mm |
重さ | 200g |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony IMX882) + 8MP (超広角 Sony IMX355) |
フロントカメラ | 16MP (Samsung S5K3P9) |
バッテリー | 5500mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G NR n1/n5/n8/n28A/n41/n77/n78 LTE FDD 1/3/4/5/8/28A LTE TDD 34/38/39/40/41 WCDMA 1/4/5/8 CDMABC0WCDMA 1/4/5/8 GSM 850/900/1800MHz |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。
ミドルレンジモデルでありつつも黄ばみにくい保護ケースが付いているのは良いですね。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
充電器は100V地域では80W急速充電までに制限されるタイプです。
ディスプレイ:屋外でも見やすい
OnePlus Ace 3Vのディスプレイは6.74インチ2772×1240解像度のAMOLEDです。
ミドルレンジモデルでありつつもベゼルが細く、フラットなので端から端まで見やすいです。
2160Hz PWM調光に対応し、IP65防水で水で濡れていても画面を操作しやすいそうです。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1075nitに達しました。
屋外の直射日光下では770nitになることを確認できました。
屋外でこそHDR時のような明るさになってくれたほうが良いのですが…。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは125Hz程度でした。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計42.5msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:従来のカメラデザインに
OnePlus Ace 3Vの背面は指紋汚れなどが付きにくいようになっています。
最近のOnePlusスマホは大きい円形のカメラデザインでしたが、OnePlus Ace 3Vでは昔と同じような縦並びのデザインに戻りました。
重さは202.5gです。
カメラ:ミドルとしては十分
OnePlus Ace 3Vは
- 50MP (OIS / Sony IMX882)
- 8MP (超広角 Sony IMX355)
というデュアルカメラ構成です。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
実際よりも彩度が高くなりがちです。
ミドルレンジモデルとしては十分な画質で、SNS投稿など普段使いでは特に問題なく使えるでしょう。
夜景でもディテールが潰れがちではあるものの、肉眼よりも明るく撮影できます。
スピーカー:低音が弱め
OnePlus Ace 3Vはステレオスピーカー搭載です。
通話用と兼用タイプで、左右非対称です。
低音が弱く、ボーカルや高音のほうが聞こえやすい印象です。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると34.3msでした。
BluetoothではLHDC / LDACのほかAAC / aptX / aptX HD / aptX Adaptiveなどにも対応しています。
LHDCについてはOPPO/OnePlus/realme製品でしか使えないよう制限されています。
ポート:100W充電対応
OnePlus Ace 3VはIP65防水防塵です。
かつてはコスト削減のためにハイエンドでさえIP認証をしなかったというのに、今ではOPPOマネーの力があるためかミドルレンジでも取得するようになりました。
100W急速充電対応で、日本の電圧では基本80Wまでですがそれでも高速です。
対応バンドは
- 5G NR n1/n5/n8/n28A/n41/n77/n78
- LTE FDD 1/3/4/5/8/28A
- LTE TDD 34/38/39/40/41
- WCDMA 1/4/5/8
- CDMABC0WCDMA 1/4/5/8
- GSM 850/900/1800MHz
でY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線向きです。
VoLTE通話も可能です。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
左側面にはアラートスライダーがあり、サイレントモードなどに素早く切り替えられます。
性能:CPUは強いがGPUは調整不足
OnePlus Ace 3VはSnapdragon 7+ Gen 3を搭載しています。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア910・マルチコア4093、通常版でシングルコア1863・マルチコア4823でした。
特にシングルコアで大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。
Snapdragon 8+ Gen 1ぐらいの性能です。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testでは、途中で「電話が熱くなっています」と出て強制終了されてしまいました。
後述の崩壊:スターレイルでもそうですが、どうやら特にGPU周りのチューニングが済んでいないようで、発熱制御がうまくできていません。
OnePlusは比較的発熱を抑える方向で最適化することが多いため、今後のアップデートで修正されるものと思われます。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
発熱とバッテリー消費とのバランスも重要で、安定度が高くて温度上昇とバッテリー消費が少ないものが理想です。
2024年現在は2000以上あれば、大抵のゲームをグラフィック設定を極端に落とすことなく快適にプレイできる傾向にあります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかなく、実際のゲームの挙動は最適化や放熱性能、解像度など様々な要因で変動するため、「このスコアならだいたいこんな動きをするだろう」という推測の材料にする程度に収めてください。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア13803でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2024年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
シーケンシャルリード・ライトが比較的速めです。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 7で計測すると、平均53.9FPSで1FPSあたり120.22mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大43.7℃程度まで上昇しました。
バッテリー温度が上がりすぎですし、ジャンクが多くフレームレートが安定していません。
現状だとスマホクーラーなどを使わないと長時間の快適なプレイは難しそうです。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
崩壊:スターレイルを最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で15分プレイ…はできず、11分40秒あたりで強制終了されてしまいました。
バッテリー温度が最大39℃だったので、おそらくですが原神など一部の人気ゲームでは40℃超えを許容し、他のアプリでは40℃で強制終了する処理になっているのだと思います。
さすがにこれはサーマルスロットリングのバグだと思いたいところです。
フレーム補間などはチップが非搭載なのでできないものの、色を鮮やかにするHyper HDRについては原神など一部のゲームで利用できます。
まとめ
- 高い性能を持つSnapdragon 7+ Gen 3
- 1.5K解像度のディスプレイ
- 5,500mAhバッテリー
- 80~100W充電対応
- IP65防水防塵
- 最適化がまだなのか発熱しやすい
- 対応バンドが少ない
最適化不足のようなので現時点ではどうにも結論を出しにくいものの、期待していたよりも電力効率が悪いため8 Gen 3のダウングレードというよりは8 Gen 1のアップグレード程度に収まった印象です。
最適化がされれば発熱はマシになるはずですし、今後のアップデートでの改善に期待です。
中国では12+256GB版が1999CNY (約4.2万円) ~で購入できます。
タオバオでは中国語の適当な住所でカートに入れ、購入画面で日本の住所に変えて「官方集运-空运」を使えば注文できます。
グローバルではSnapdragon 7 Gen 3搭載機がOnePlus Nord CE4として発売されているため、ワンランク上であるOnePlus Ace 3VはOnePlus Nord 4として発売されるかもしれません。