評価: 5
OnePlus 11を購入しました。
ゲーミングスマホ並の性能を約7.6万円~で
OnePlus 11はSnapdragon 8 Gen 2を搭載したスマートフォンです。
約7.6万円~という格安価格であるにもかかわらず、最高画質の原神を60FPS貼り付きでプレイできるほどの性能を持っており、強力なスピーカーやバイブも搭載しています。
12GB LPDDR5Xメモリ + 256GB UFS 4.0ストレージが標準となっており、最大16GB + 512GBです。
USB 2.0でコスト削減されているなど価格相応の部分はあるにせよ、「フラッグシップキラー」がついに戻ってきたという印象です。
このレビューはPHB110_11.A.07、12GB+256GB版で行っています。
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 2
- 100W充電対応5,000mAhバッテリー
- 強力なバイブ
- 低音が強いステレオスピーカー
- 日本語や日本キャリアのVoLTEに対応
- USB 2.0ポート
- 賛否分かれる背面デザイン
- 高輝度モードが機能せず
OnePlus 11 PHB110 OP591BL1 | |
---|---|
OS | Android 13 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.7インチ QHD+ 3216 x 1440 アスペクト比 20.1:9 LTPO 3.0 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 163.1 × 74.1 × 8.53mm |
重さ | 205g (実測206.4g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony IMX890) + 48MP (超広角 Sony IMX581) + 32MP (2倍望遠 Sony IMX709) |
フロントカメラ | 16MP (Samsung S5K3P9) |
バッテリー | 5,000mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | GSM: 850/900/1800/1900MHz CDMA: BC0 WCDMA: 1/2/4/5/8 LTE FDD: Bands 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28A/66 LTE TDD: 34/38/39/40/41 5G NR: n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28A/n38/n40/n41/n66/n77/n78 |
目次
いつものOnePlus…とおもいきや、実はOnePlus 11からは完全にOPPO (OPPO広東移動通信有限公司) の製品として製造されています。
付属品はソフトタイプの保護ケース、USB Type-Cケーブル、充電器、説明書、シールなどです。
ハイドロゲル保護フィルムを貼り付ける時用の保護シールもあります。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
付属充電器はUSB Type-Aケーブルを使うタイプで、残念ながら100V地域では11V / 7.3A → 80.3Wまでしか出せません。
デュアルポートの100W充電器 (JD、AliExpress)であれば100V地域でも100W充電が可能です。
一世代前ながらも綺麗な2Kディスプレイ
OnePlus 11はOnePlus 10 Proと同じE4材料のAMOLEDを採用しています。
コスト削減のため最新世代ではないものの、QHD+解像度でLTPO 3.0にアップグレードされており、スムーズで綺麗な表示を楽しめます。
Pixelworks X7チップ搭載でゲームはフレーム補間できますが、残念ながらYouTubeなど動画は非対応でした。
解像度は初期状態ではFHD+で、設定で自動選択やQHD+に変更できます。
ダイヤモンドピクセル配列です。
明るさ自動調整オンでのHDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大468nitsに達しました。
何故か高輝度モードは有効にできませんでした。
PHB110_11.A.07時点でのバグだと思いますが、HDR動画を見ようと思っている人は要注意です。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計45msでした。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
画面内指紋認証センサーは中央寄りに変更
OnePlus 11の画面内指紋認証センサーは画面中央寄りの配置へと変更されています。
過去のモデルでは画面下部寄りに配置されていて触りにくかったので、ちょっとした違いですがこれは良い変更ですね。
認証速度は高速です。
重厚感のあるバイブレーション
AAC Technologies製600mm³以上のバイオニック振動モーターを搭載。
Androidスマホの中でも最大級のバイブとなっており、ゲーム中のフィードバックなどがより迫力あるものになります。
バイブレーションをOPPO Find X3と比較してみると、OnePlus 11のバイブは低く響くようなものになっており、軽い印象を受けるOPPO Find X3のバイブよりも強く感じました。
ブラックだと背面の指紋が目立ちにくい
ブラックだと背面はさらさらとしたマット加工がされており、指紋が目立ちにくいです。
グリーンだとテカテカしているそうなので、指紋汚れが気になる方はブラックを買ったほうが良いと思います。
重さは206.4gです。
2倍望遠でテレマクロ撮影も意外と綺麗
OnePlus 11は50MP (OIS / Sony IMX890) + 48MP (超広角 Sony IMX581) + 32MP (2倍望遠 Sony IMX709) というトリプルカメラで、8MPや2MPの役に立たないカメラではなくちゃんとそれぞれ役割を果たせる構成になっています。
カメラ部分は光を反射させると夜空のようなデザインが浮かび上がります。
横持ち時は少しカメラの出っ張りが邪魔になることがありました。
すべて手持ち・オートで撮影した写真はこちらに保存しています。
2倍ズームがなかなか良く、細かな部分までくっきり映せます。
ただ、50MP Sony IMX890と32MP Sony IMX709では色が大きく変わってしまうことがあり、シーンによっては2xズーム撮影に向かないことがあります。
夜景モードでは星も映りますが、少しぼやけています。
VoLTE対応
OnePlus 11の対応バンドは
- GSM: 850/900/1800/1900MHz
- CDMA: BC0
- WCDMA: 1/2/4/5/8
- LTE FDD: Bands 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28A/66
- LTE TDD: 34/38/39/40/41
- 5G NR: n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28A/n38/n40/n41/n66/n77/n78
でY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamo、IIJmioやOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
日本キャリアのVoLTEにも対応しています。
低音が強めなステレオスピーカー
OnePlus 11は通話用と兼用タイプのステレオスピーカー搭載です。
低音はドンドンと力強く出ており、高音もクリアです。
左右の音のバランスも良く、兼用タイプでありつつもあまり大きさに差がありません。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると32.9msでした。
Dolby Atmos対応で、スピーカーではオフにできません。
アラートスライダーがOnePlusに帰還
OnePlusがOPPOに統合されてからアラートスライダーが削除されてしまう機種がいくつもありましたが、今回OnePlus 11ではアラートスライダーが復活しています。
スライダーを動かすだけでマナーモードやサイレントモードに変更できます。
左側面に音量キーがあります。
高性能と低発熱を両立
OnePlus 11はSnapdragon 8 Gen 2を搭載し、ベイパーチャンバー放熱機構やアルゴリズム改善と組み合わさることで高い性能を発揮しつつも低発熱・低消費電力を維持できるようになっています。
Geekbench 5では原神偽装版でシングルコア1175・マルチコア4918、通常版でシングルコア1154・マルチコア4937でした。
大きな変化がなく、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
Geekbench MLにてTensorFlow Lite・NNAPIで計測したAI性能は、スコア369でした。
やけに低いですが理由は分かりません…。
パッケージ名を偽装した3DMark (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) での3DMark Wild Life Stress Testではスコア12852→8271でした。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア3624→2763で、温度上昇は21℃→39℃ (18℃上昇)でバッテリー消費は15%でした。
発熱して30℃ほどから性能が制限されるようになりますが、それでもSnapdragon 8+ Gen 1の最大値と同じ程度の性能を出せています。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア10398でした。
UFS 4.0ストレージ・LPDDR5Xメモリ搭載で、シーケンシャルリード・ライトがかなり高速です。
ランダムリードは微妙に遅いときがあるため、細かなファイルの読み込みがあるゲームなどでは少し不利かもしれません。
原神をほぼ60FPS貼り付きでプレイできる高性能
OnePlus 11はPixelworks X7チップを搭載しており、超低遅延MotionEngineテクノロジーによるフレーム補間や鮮やかな表示に調整されるAI Always-On HDRなどの機能を利用できます。
60FPS設定にしたあとゲームメニューの「游戏插帧」でフレーム補間をオンにでき、60FPSを120FPS化できます。
メニューが出なければGame CenterアプリをApp Marketで更新してください。
【追記】
スローモーションで撮影してみて差がなかったのでおかしいと思い解析したところ、dumpsys SurfaceFlinger | grep -A 5 -B 1 "Iris7 MemcMode:"
の結果が
Iris7 MemcMode: 0 GameMode: 0 GameInstant: 0 GameFps: 0 GameIndex: 10 MemcScene: 0 N2mMode: 0
でMEMCが有効化されていないことが分かりました。
本当に動作するゲームだとMemcMode:などの値が0以外になります。
これまでのOnePlus/realmeスマホではフレーム補間非対応だと有効化ボタンも出ずFPS値も変わらなかったのですが、OnePlus 11ではボタンが出てFPS値も変わるのに動作はしないという真逆の動作になってしまっていました…。
【2023/03/11追記】
OnePlus Ace 2だと11_A.11アップデートで修正されたため、おそらくOnePlus 11もアップデートで修正されます。これでroot化せずともフレーム補間が動きます。
Magiskモジュールでフレーム補間とHDR化を有効化できました。
フレーム補間はネイティブの45FPS→60FPSの違いより差が小さく感じますが、60FPSより微妙に滑らかに動いているように感じます。
HDR化をオンにすると全体的に色が濃いめになり、細かい部分がくっきり見えます。
原神を最高画質・60FPS設定にしてスメール周辺でプレイし、ゲーミングモードにしてWeTest PerfDogで計測すると平均58.5FPSで1FPSあたり87.93mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大38℃程度までの上昇で、サイドフレームはあまり熱くなりませんでした。
World of Tanks Blitzでは、120FPS設定・グラフィック設定すべて最高値でプレイしたところ平均117.8FPSで、1FPSあたり41.32mWの消費電力でした。
フレームレート最優先ではなく、最大限フレームレートを維持しつつ発熱を抑える方向でチューニングされているようです。
ColorOSで日本語対応
OnePlusといえばOxygenOS・HydrogenOSでしたが、OPPOに統合された今は中身が全く異なるColorOSが搭載されています。
自動起動が5つに制限されるなど2023年とは思えないレベルのキツい制限がされているものの、Bootloader UnlockできるというOnePlusらしさは失われていないためroot化すれば回避可能です。
日本語対応で、APKMirrorなどでPlayストアのAPKをダウンロードしてインストールするだけでPlayストアを使えます。Playプロテクト認定済みのため銀行アプリ等も使えます。
フォントはグローバル版テーマストアをインストールすることでMejiro・McMejiroに変更できます。
バッテリー設定では最大容量を表示でき、バッテリーケアやスマート急速充電などでバッテリー寿命を延ばしつつ高速な充電ができるようにしてくれます。
4年間使ってもバッテリー寿命に問題が起きないそうです。
ステータスバーのバッテリー残量表示やアイコン表示のオンオフを細かく設定できます。
ジェスチャー操作も豊富です。
持ち上げて受話するジェスチャーなどのほか、画面に触れずにスクロールできるエアジェスチャーも使えます。
もちろんダブルタップで画面オンオフなどにも対応。
「追加ジェスチャー」ではロック解除したり好きなアプリを開いたりできます。
まとめ
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 2
- 100W充電対応5,000mAhバッテリー
- 強力なバイブ
- 低音が強いステレオスピーカー
- 日本語や日本キャリアのVoLTEに対応
- USB 2.0ポート
- 賛否分かれる背面デザイン
- 高輝度モードが機能せず
OnePlus 11はSnapdragon 8 Gen 2を搭載しつつもかなり安価で、競合となるRedmi K60 Proなどと違ってLTPO 3.0ディスプレイ、音が良いステレオスピーカーや強力なバイブなどハイエンドらしい機能も詰め込まれており、単なるコスパスマホに収まらないフラッグシップキラーに仕上がっています。
できるだけ安価なSnapdragon8 Gen 2スマホかつ使っていて面白いものを求めているなら、OnePlus 11はかなりおすすめです。
ちなみに、OnePlus代表の李杰Louis氏によりOnePlus 11 Proは存在しないことが確認されています。
OnePlus 11は中国JDでは12+256GB版が3999CNY (約7.6万円)~で購入できます。
AliExpressではグローバル版を購入できます。(フレーム補間非対応の代わりにeSIMに対応)