評価: 4.5
物理eSIMカードを提供してくれるサービス、eSIM.meを使ってみました。
目次
eSIM非対応スマホでもeSIMのまま使い続けられる
楽天モバイルを皮切りに普及し始めているeSIMですが、まだまだeSIM対応機種は少ないというのが現状です。
一年間に何度もスマホを乗り換えるオタクにとっては、eSIM対応機種からeSIM非対応機種に変えるときにeSIMから物理SIMに切り替えないといけないというのは少々面倒です。
そこで役に立つのが、eSIM (eUICCプロファイル) を物理的なSIMカードに入れてしまえるドイツ発のサービス、eSIM.meです。
登録できるプロファイル数で価格が変動
eSIM.meでは、SINGLE・MULTI・OMNI・DUALという4つのプランがあり、それぞれ
- eSIMプロファイルを追加したり切り替えたりといった管理をできる端末数
(設定後のeSIMカードを挿して利用する端末数には制限なし) - eSIMカードに同時に保存しておけるプロファイル数
- デュアルeSIMカードにできるかどうか
が変わります。
例えばSINGLEだと管理する端末が一つに、MULTIだと一つのブランドに制限されている…のですが、実は今のところ制限は動いていません。
とはいえいつでも制限できる状態ではあるので、素直に条件をクリアしやすいMULTI・OMNIのプランにしておいたほうが無難だとは思います。
価格は2022/07現在$29.95~$129.95です。
eSIMカードの設定にはAndroid端末を使わないといけませんが、設定後のeSIMカードは利用する端末数に制限がなく、ノートPCやiPhoenなどのiOS端末でも利用できます。
Android 9.0以上の端末であれば大抵対応しており、Xiaomiなど一部ブランドではAndroid 7.0から対応しています。
事前にeSIM.meアプリをインストールすれば対応端末か分かるので、まずは確認しておいたほうが良いと思います。
なおリンクスメイトではEID 89049032・89033023で始まるもののみに対応するという事実上のeSIMロックをかけているため、eSIM.meカードのEIDでは一致せず利用できません。リンクスメイトに限らずドコモ回線を利用しているeSIMはすべてこのロックがかかっているようです。
PayPal支払いできる
支払いにはPayPalを利用でき、送料は2022/05/02現在$9.95かかります。
支払いは一度きりで、月額費用など維持費は掛かりません。
DHL Paketにて発送され、12日ほど (連休を挟んだため実質9日ほど) で届きました。
マルチカットSIMでどの端末でも使える
真っ赤な封筒に台紙が入っているだけのシンプルなパッケージです。
マルチカットSIMなので、切り取る部分を変えればnanoSIM以外にmicroSIMなどとして使えます。
設定にはeSIM.meアプリを使います。
eSIMプロファイルの書き込みに使うAPIはフルバージョンのAndroid 9.0以降のスマホでないと解放されていないため、iOS端末やAndroid Go端末には対応していません。
eSIM.meアプリで設定した後のeSIMカードはiOS端末やモバイルルーターなどでも利用できるので、Androidスマホを持っていなければXiaomi、Galaxyなどの新しめのスマホを用意しておきましょう。
アプリは日本語対応
eSIM.meのウェブサイトは英語のみですが、eSIM.meアプリは日本語対応です。
SIMスロットの1枚目にeSIM.meのSIMカードを入れてアプリを起動するとアカウントがあるか聞かれるので、アカウント作成に進んでください。
ややこしいですがウェブサイトのアカウントとアプリ上のアカウントは別で、同じメールアドレスを使ってアプリ上でも登録し直さないといけません。
登録後に右下のプラスボタンを押すと、eSIMプロファイルをダウンロードするためのQRコードをスキャンする画面に移動できます。
キャリア側でeSIMを再発行してQRコードを読み取り、ダウンロードが完了すると名前を付ける画面になるので適当に名前を付けます。
APNコードも聞かれますが、スキップして大丈夫です。
eSIMプロファイルを有効にすることで、利用できるようになります。
プロファイルの切り替えに何か問題があるようで、一度再起動しないとうまく切り替えできませんでした。
いくつかプロファイルを追加しておけば、例えば一つのeSIMカードで楽天モバイルからpovoにプロファイルを切り替えて使う、というようなこともできます。
ただし、楽天モバイルユーザーは要注意です。
2022/05/02現在のバージョンのeSIM.meカードでは、楽天モバイルのeSIMをダウンロードしようとするとエラーが出てしまいます。
この状態になると他端末での開通も不可能になるため、楽天モバイルのチャットサポートで強制開通をお願いしないといけません。
これはeSIM.meが悪いわけではなく、楽天モバイルが発行するeSIMプロファイルの一部がeSIM標準仕様に準拠していないためだそうです。
【2022/08追記】現在は楽天モバイル対応バージョンの出荷が開始されています。
2022年6月以降に新バージョンに切り替わり、それ以前に購入した人に対しては交換対応する予定だとのことです。
私が購入したのはeSIM.me Card for Xiaomiですが、Xiaomi Mi 11 Lite 5G、realme GT Neo3、OPPO Find X5 Pro、Google Pixel 6 ProにてeSIM.meアプリでの管理と通信どちらも動作確認しました。
アプリが不安定
eSIM.meの最大の欠点はアプリの動作が不安定なところです。
eSIMプロファイルの切り替え時にSIMカードを見失ったり、eSIM.meカードを挿しているスロットを設定で無効にするとオンにできなくなったりします。
元からeSIMに対応している機種だとeSIMが2つある状態を想定していないためか、SIMカードの変更ができなくなる、設定でeSIM.meのプロファイルを消去するとeSIM.meアプリがクラッシュするようになるなど挙動が変なことがありました。
元からeSIMに対応している機種では、eSIM.meカードを入れた状態で本体側のSIM設定からプロファイルを操作するのは危険です。プロファイルを削除したいときはeSIM非対応端末でeSIM.meアプリを開いて管理しましょう。
eSIMからいちいち物理SIMカードに交換しなくても済むため時間や手間を省けますし、無駄なゴミを出してしまうことがなくエコです。
複数プロファイルを入れておけるプランであれば、海外旅行時などSIMをいくつも切り替えて使いたい場面などにも役立ちます。
eSIM対応端末と非対応端末でSIM交換を頻繁にするという方は、eSIM.meを使ってみてはいかがでしょうか。