評価: 5
ASUS Zenfone 9を貸し出していただきました。
軽量コンパクトかつ高性能
ASUS Zenfone 9はSnapdragon 8+ Gen 1を搭載したスマートフォンです。
最近のスマートフォンは大型化が進んでいる中、Zenfone 9は5.9インチと小ぶりなディスプレイを搭載しており、重さも約169gと軽めです。
ハイエンドスマホは当たり前のように200gを超えてくることが多いため、コンパクトで軽いスマホが欲しい人にZenfone 9はぴったりです。
コンパクトスマホだと性能が低い、発熱しやすいという欠点もSnapdragon 8+ Gen 1と放熱設計のおかげで解決しています。
このレビューはバージョンWW_AI2202_32.2050.2050.29、16GB+256GB版で行っています。
- 約170gと軽量
- 5.9インチのコンパクトサイズ
- 高性能で効率の良いSnapdragon 8+ Gen 1
- 120Hzリフレッシュレート対応AMOLED
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- 37.5msの低タッチ遅延
- おサイフケータイ・IP68防水防塵対応
- インカメラが反射して目立ちやすい
- 黒色だと背面汚れが見えやすい
ASUS Zenfone 9 AI2202 | |
---|---|
OS | Android 12 |
RAM | 8GB / 16GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB / 256GB UFS 3.1 |
プロセッサ | Snapdragon 8+ Gen 1 |
ディスプレイ | 5.9インチ FHD+ 2400 x 1080 アスペクト比 20:9 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 146.5 × 68.1mm × 9.1mm |
重さ | 169g (実測170.1g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 50MP (OIS・SONY IMX766) + 12MP (超広角 SONY IMX663) |
フロントカメラ | 16MP (SONY IMX663) |
バッテリー | 4300mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 2G: 850/900/1,800/1,900MHz 3G: UMTS (WCDMA) B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 4G: FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28 TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42 5G: n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n77/n78 |
目次
最近の日本向け製品だと充電器が付属していないことが多いですが、Zenfone 9にはちゃんと30W急速充電対応の充電器とUSB Type-C to Cケーブルが付いています。
ハードタイプの保護ケースも付いているため、透明なソフトタイプよりも見た目の良さを残したまま背面を保護できます。
コンパクトながらも明るく鮮やかなディスプレイ
Zenfone 9は5.9インチ、FHD+解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。
インカメラは左上にあります。
フチが黒ではなく銀色っぽいため、光の反射で目立ってしまいやすいです。
耐久性の高いCorning Gorilla Glass Victusが採用されています。
Samsung製で、ダイヤモンドピクセル配列です。
鮮やかで美しく、視野角も良いです。
明るさ自動調整オンでのHDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大694nitsに達しました。
明るさ自動調節オンで静止画を表示して高輝度モードになった場合は最大758nitsに達していました。なかなか明るく、屋外でも十分見やすいです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計37.5msでした。
REDMAGIC 7Sなどゲーミングスマホに並ぶほどの低いタッチ遅延で素晴らしいです。
大型スマホでなくても低タッチ遅延でゲームを楽しめるため、ゲームのためにやむを得ず重たいスマホを使っていた、という人には朗報です。
リフレッシュレートは120Hz / 90Hz / 60Hzから選べます。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
マットな背面
Zenfone 9の背面はマット加工されており、指紋は付きにくいです。
ただし擦ったようなときには弱いようで、私の前に借りたメディアが付けたであろう白っぽい傷が残っていました。
傷が気になる場合は付属のハードカバーを付けたほうが良いでしょう。
重さは170.1gでした。
最近のスマホとしては軽量で、片手で持っても持ちやすい軽さ・サイズ感です。
ジンバル付きで手ぶれに強いデュアルカメラ
Zenfone 9は50MP (OIS・SONY IMX766) + 12MP (超広角 SONY IMX663) のデュアルカメラです。
IMX766はハイエンドスマホとしては物足りないセンサーではあるものの、コンパクトスマホなので仕方がありません。
その代わり6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーを搭載しているため、電子式手ぶれ補正しか搭載していないスマホよりも手ぶれに強いです。
すべて手持ちで撮影した写真はこちらに保存しています。
彩度は高すぎず、赤色とマゼンタの違いが比較的分かりやすいです。
拡大してみるとディテールが潰れてしまっている事が分かりますが、十分綺麗な写真が撮影できます。
夜景でも光源を白飛びさせずに、周囲もしっかり明るく撮影できます。
ライトトレイルモードも搭載しており、光のラインが繋がったような写真を撮影できます。
6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーは動画だけでなく写真撮影時にも利用でき、スタビイライザーガイドで傾いていないか把握できます。
手ぶれ補正を有効にして小走りで坂を下ってみると、実際には結構揺れていたのですが動画ではほとんど揺れていないように映っています。
ステレオスピーカーにイヤホンジャックも搭載
Zenfone 9は通話用スピーカーを使うタイプのステレオスピーカーを搭載しています。
下部スピーカーのほうが若干音が大きく、リッチに聞こえます。
低音も高音もクリアに聞こえます。低音が強い場面では背面が振動していました。
DIRAC対応で、サウンドモードやイコライザーで低音や高音の調整ができます。
上部にはイヤホンジャックがあります。
最近は廃止するスマホが多い中、有線イヤホンを変換アダプターなしに使えるのは良いですね。
Snapdragon Soundにも対応しているため、ワイヤレスイヤホンでも高音質な音楽を楽しめます。
完全ワイヤレスイヤホンよりも低遅延になるので、ゲームプレイ時などに便利です。
WALT Latency Timerでイヤホンジャックのオーディオ出力遅延を計測すると36.9msでした。
指紋認証センサー内蔵のスマートキー
右側面には音量ボタンと電源ボタンがあります。
電源ボタンには指紋認証センサーが内蔵されており、スマートキーとして指紋認証以外にも色々な操作ができるようになっています。
上下にスライドすることで、通知を表示したりページの先頭・最後に移動させたりできます。
地味ですがかなり便利です。
2回押したり長押ししたりしてアプリを起動させることもできます。
左側面には何もありません。
コンパクトながらも高性能 & 省電力
コンパクトなスマホは放熱が難しく、大きいスマホよりもパフォーマンスが劣ることが多いです。
Zenfone 9はSnapdragon 8+ Gen 1と銅製のヒートスプレッダやベイパーチャンバーなどを使用した冷却システムの合わせ技により、ゲーミングスマホにも勝るとも劣らないほどの高い性能と省電力性能を誇っています。
ベンチマークアプリを検出すると自動的に高性能モードがオンになりますが、普段使いのパフォーマンスを測ることが重要なためダイナミックモードに戻して計測しました。
Geekbench 5では原神偽装版でシングルコア1298・マルチコア3886、通常版でシングルコア1180・マルチコア3670、高性能モードでシングルコア1300・マルチコア4353でした。
通常版より原神偽装版のほうが少し高めのスコアなので、原神だとパフォーマンスが高くなるよう熱制御を緩めているのかもしれません。
高性能モードは特にマルチコアのスコアがかなり高く、過去に計測したすべてのゲーミングスマホを超える数値です。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア10286で、温度上昇は22℃→37℃ (15℃上昇)でバッテリー消費は11%でした。
安定度は53.3%で、ダイナミックモードでは温度上昇の抑制を主眼とした調整がされるようです。
とにかくピーク性能が高い方が良いゲーム時には高性能モード、普段使いは熱くなりにくいダイナミックモードと使い分けができるのは良いですね。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア14674でした。
ストレージはそこそこ高速で、メモリ速度はLPDDR5メモリ搭載機種の中でも速めです。
原神を最高画質・60FPS設定でプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、平均57.0FPSで1FPSあたり105.71mWの消費電力でした。
ゲーミングスマホであるROG Phone 6が59.3FPS・112.38mWなので、Zenfone 9はコンパクトなのに高い性能と省電力性を両立できていることが分かります。
バッテリー温度は最大で41℃程度で、サイドフレームが結構熱くなっていましたが触れないほどの熱さではありませんでした。
World of Tanks Blitzでは、120FPS設定・グラフィック設定すべて最高値でのプレイしたところ平均119.6FPSで、1FPSあたり34.88mWの消費電力でした。
ほぼ120FPS張り付きなのにトップクラスの省電力性能なため、長時間滑らかな動きでプレイし続けられます。
便利機能が詰まったZenUI
Zenfone 9はAndroid 12ベースのZenUIを搭載しています。
フォントスタイルはアルファベット部分しか変えられませんが、実はFlipFontに対応しているため私が作ったMcMejiroフォントもAPKで入れてしまえば選べるようになります。
フォントを自由に選べるから○○のスマホを選んでいる、という人も結構いるので、せっかくフォント変更できる機能があるなら公式にテーマストアを作ってもらいたいものです。
サウンド設定ではASUS音量調整モードを利用でき、音量ボタンでどの音量を調整するか、どれを連動させるか選べます。
バッテリー設定では健康状態が分かり、バッテリー寿命を延ばせるよう低速充電したり指定時間だけ充電させたりできます。
ツインアプリでは一つのアプリを複数のアカウントで使えるようになるため、LINEなど複数アカウントに対応していないアプリを使いたいときに便利です。
YouTubeだと一度開いた動画に関連するものをやたらとおすすめされてしまうので、ツインアプリ化すれば履歴を残さないシークレットモード的な使い方もできます。
ジェスチャー操作もかなり豊富です。
ポケットモードや手ぶくろモードもあります。
ダブルタップで画面オンオフはもちろん、スワイプアップで起動させたり文字を書いてアプリ起動させたりもできます。
背面をダブルタップすることでアクションを起こすこともできます。
画面を触らずに一本指でスクリーンショット撮影できます。
スクリーンショットはかなり細かく設定でき、撮影時にステータスバーやナビバーを削除するという地味に便利なオプションがあります。
スクリーンショットの撮影音はオフにできます。
開発者向けオプションにはzRAMを有効化するオプションがありました。
16GBモデルでは不要ということで隠したのかも知れません。
Zenfone 9はBootloader Unlock可能で、カーネルソースやアップデートファイルも公開されています。
Zenfone 9 | ZenFone シリーズ | スマートフォン | モバイル | ASUS日本
まとめ
- 約170gと軽量
- 5.9インチのコンパクトサイズ
- 高性能で効率の良いSnapdragon 8+ Gen 1
- 120Hzリフレッシュレート対応AMOLED
- 3.5mmイヤホンジャックあり
- 37.5msの低タッチ遅延
- おサイフケータイ・IP68防水防塵対応
- インカメラが反射して目立ちやすい
- 黒色だと背面汚れが見えやすい
ASUS Zenfone 9は片手でも持ちやすいコンパクトサイズに抑えつつも、原神を平均57.0FPSでプレイできるほどの高いパフォーマンスを誇っています。
省電力なSnapdragon 8+ Gen 1と発熱抑止のチューニングの相乗効果によって普段使いでは発熱がかなり少なくなっており、4300mAhという他の大型スマホより少ないバッテリー容量であることを気にさせないバッテリー持ちです。
ZenUIもジェスチャー操作や音量操作など、かゆいところに手が届く多機能さでありつつも全体的なデザインはAOSPに近いものになっているため、かなり使いやすいです。
200gを超えるスマホは使いたくない、気軽に使える小さいスマホが欲しいという方にZenfone 9はおすすめです。
ASUS Storeでは99,800円~で販売されています。