評価: 4.5
Xiaomi Mi 11 Lite 5G国内版 M2101K9Rを購入しました。
目次
格安なのにFeliCa対応 & 軽量160g
Mi 11 Lite 5GはXiaomiのSIMフリースマホとしては初となるFeliCa・おサイフケータイ対応スマホで、約4万円、回線契約込みなら1万円台~と格安ながらも普段使いには十分なスペックを持っています。
4250mAhバッテリーで一般的なスマホと同程度の用量を持ちつつも、6.55インチAMOLEDディスプレイで重さは約160gと軽量です。
- 4250mAhバッテリーなのに重さ約160g
- 6.81mmと薄い
- FeliCa・おサイフケータイ対応でSIMフリー
- 綺麗なAMOLEDディスプレイ
- 90Hzリフレッシュレート対応
- 指紋が残りにくい背面
- 多バンド・VoLTE対応
- OS側の調整・最適化が甘い (アプデで改善あり)
- おサイフケータイとタッチ決済の両立ができない
- スピーカー再生時に背面が振動する
- 発熱は大きめ
Xiaomi Mi 11 Lite 5G M2101K9R | |
---|---|
OS | Android 11 |
RAM | 6GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS 2.2 |
プロセッサ | Snapdragon 780G |
ディスプレイ | 6.55インチ FHD+ 90Hz AMOLED |
サイズ | 160.53 x 75.73 x 6.81mm |
重さ | 159g (保護フィルム込み実測160g) |
SIM | nano SIM + nano SIM (microSDカード対応) |
メインカメラ | 64MP (Samsung s5kgw3) + 8MP (超広角 Sony IMX355) + 5MP (テレマクロ Samsung s5k5e9yx04) |
フロントカメラ | 20MP (Samsung s5k3t2) |
バッテリー | 4250mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB2.0) |
バンド | 5G NR:n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n66 LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66 LTE TDD:38/40/41 3G WCDMA:1/2/4/5/6/8/19 2G GSM:2/3/5/8 |
格安な割に豪華な付属品
Mi 11 Lite 5Gには保護カバー、保護フィルム (貼り付け済み)、33W充電器、USB Type-A to Cケーブル、USB Type-C to 3.5mmイヤホンジャックアダプター、クイックスタートガイドなどが付属しています。
国内販売されているスマホは10万円以上する場合でも一切付属品がつかないことが多いですが、Mi 11 Lite 5Gは4万円台だというのに至れり尽くせりです。
充電器はしっかり日本版になっており、小米技術日本株式会社のPSEマークもあります。
Xiaomi独自の充電形式に対応したモデルで、11V/3A出力が可能です。
狭額縁でフラットなAMOLEDディスプレイ
Mi 11 Lite 5Gのディスプレイは6.55インチ FHD+解像度で、AMOLEDです。
格安機種なのにハイエンドスマホ並の技術が使用されており、4辺の縁 (ベゼル) がかなり狭くなっています。
Corning® Gorilla® Glass 6が採用されているため、多少の衝撃になら耐えてくれるでしょう。
ピーク時の明るさは800nitですが通常時は500nitのため、高性能なパネルが採用されているハイエンド機種に比べると少し暗く感じます。
明るさを少し上げれば良いだけなので、それほど大きな問題ではないと思います。
最初から貼られている保護フィルムは光沢フィルムで埃がつきやすく、指滑りもあまり良くないため反射防止で指滑りの良いOverLay Plusを貼り付けました。
Mi 11 Lite 5Gは表示領域はフラットでベゼル部分はカーブしているため、操作するエリアはすべてカバーできます。
Xiaomi Mi 11 Lite 5G用保護フィルム ミヤビックス OverLay Plusレビュー。反射防止でさらさら – AndroPlus
残念ながら配列仕様が異なるパネルが2種類採用されているようで、大半はTCL CSOT (Huaxing) 製なのですが一部はRGB Delta配列のTianma (天馬) 製になるようです。
私の個体ではTCL CSOT製で、以下のような配列 (真珠配列) でした。
RGB Delta配列の場合は真珠配列に比べ文字が滲んだように表示される…そうですが、実際のところ見て分かる程度なのかは不明です。
確認する方法:
- 電話アプリで「*#*#284#*#*」をダイヤルする
- 同意してバグレポートを作成する
- しばらくすると完成するので、ZIPをファイル管理アプリなどで展開する
- 中にあるbugreport-renoir_jp-で始まる名前のZIPをさらに展開する
- dumpstate_board.txtファイルを開く
- 「K9」を検索する
これで「DisplayDxe:」から始まる文字列が見つかるので、
- K9 42 02 0b amoled dsc cmdならTCL CSOT製
- K9 36 02 0b amoled dsc cmdならTianma製
と分かります。
暗い場所で緑っぽい色になるなどもありませんでした。
こちらの画像だと1あたりまで表示されました。他機種に比べて明るく表示されやすいようです。
ノッチ隠しや常時表示機能あり
左上にはパンチホールカメラがあります。
設定→通知とコントロールセンター→ステータスバーにて、ステータスバーを常時黒色にして目立たなくしたり、ステータスバーごと移動してベゼルの一部であるかのようにしたりできます。
黒色だと消費電力が少ないというAMOLEDの特性を活かした、時計や通知などをロック中に表示してくれる「常時表示ディスプレイ」もあります。
ただ、何故か「タップ後10秒間」表示するオプションしか選べないため、「常時」表示することはできません。意味不明です。
WidevineはL1ですが、Amazonプライムビデオはホワイトリストに入っていないためHD画質で再生できません。
Xiaomi Japanは一応フィードバックは見ていて本国チームとも掛け合ってくれるようなので、設定→フィードバックで改善要望を送った後TwitterのDMでもレポートIDと一緒に要望を送れば、送る人が増えるにつれて重要度が高いと認識されて対応してくれるスピードが速まるかもしれません。
ダークモードでは、アプリ側が対応していなくても勝手にダークテーマ化してくれます。
ただ、文字が黒色のままになるなど不具合も多く、いちいちアプリ毎にオフにしないといけないので少し面倒です。
MIUI 12のアプリ別ダークモードを無効化する方法。再起動で戻るが非rootで実行可能 – AndroPlus
フォントはテーマストアから変更できます。
Roboto & M+の合成フォントMejiroをリリース。MagiskモジュールとMIUIテーマ配布中 – AndroPlus
指紋がつきにくい背面
Mi 11 Lite 5Gの背面は指紋がつきにくいよう加工されており、さらさらとした指滑りです。
シトラスイエローはレンダリング画像では真っ黄色ですが、実物は緑がかった黄色です。「シトラス」なので確かにこれが正しいのでしょうが、レンダリング画像にも反映しておいてもらいたいです…。
光の反射で色合いが変わり、明るくテカります。
カメラ周りのデザインはMi 11と同じようなスタイルです。
Xiaomi Mi 11レビュー。WQHD+と120Hzを両立、寄れるマクロ撮影が楽しいS888搭載スマホ – AndroPlus
グローバル版にはないFeliCaロゴがカメラの横側にあります。
一つ残念なことにFeliCa・おサイフケータイの仕様とMIUIの仕様がかみ合っていないせいか、「FeliCaとタッチ決済を両立できない」という問題があります。
MIUIでは伝統的に設定に「セキュアエレメントの位置」というものがあるのですが、FeliCaを使いたいときは「埋め込みセキュアエレメント」、Google Pay (FeliCa系以外)・Visaのタッチ決済など非接触決済・コンタクトレス決済を使いたいときは「HCEウォレット」を選ばないといけません。
さらにGoogle Payの場合はMIUIのお節介機能により自動起動が無効化されているため、Google Payアプリの設定を開き自動起動をオン、バッテリーセーバーを制限なしに設定しないといけません。
Xiaomiの開発者は動作確認しなかったのでしょうか…。
なお、Mi 11 Lite 5GにカスタムロムをインストールするとFeliCaとタッチ決済どちらも設定の変更無しに併用可能です。
FlokoROM v4 GSIをビルドしてみた。Mi 11 Lite 5G向けにパッチ追加済み – AndroPlus
意外と綺麗に撮影できる64MPカメラ
格安機種なのでカメラの画質にはあまり期待していませんでしたが、日中なら意外と綺麗です。
撮影した写真はこちらに保存しています。
ちなみに、地域設定をインドなど日本以外にすればシャッター音をオフにできます。
OIS (光学式手ぶれ補正) がなくブレやすいものの、しっかり持てば問題ありません。
ディテールもこの価格帯としては十分なレベルです。
夜景モードではさすがにハイエンド機種に比べると潰れる箇所が多いですが、それなりに明るく撮れています。
赤色を特に強くしてしまうため、赤い花の撮影などではおかしな色合いになってしまうことがあります。
カラーサンプルを撮影した写真では、マゼンタ+イエロー (赤) とマゼンタ (ピンク色に近い) がほとんど同じような色になってしまっています。
AI補正をオンにするとさらに強調されるため色の再現性を求める場合には向きませんが、SNSでシェアする程度なら鮮やかなほうが好まれるので良いと思います。
4250mAhバッテリーなのに軽量159g
Mi 11 Lite 5Gのバッテリーは33W急速充電対応で4250mAhと一般的なハイエンドスマホと同程度ですが、重さは159g (保護フィルムで+1g) と軽量です。
200g台に近づくスマホが多い中、大画面・大容量バッテリーのままここまでの軽さを実現できているのは素晴らしいです。
軽量スマホといえばAQUOS zero2がありましたが、141gにする代わりにバッテリーはたった3130mAhだったり、カメラ性能がかなり削られていたりと、定価で9万円以上する割には妥協点が目立っていました。
その点Mi 11 Lite 5Gは定価の時点で4万円台ですし、軽さのために妥協した部分があまり目立たず、バランスの良いスペックに仕上がっています。
microSDカードにも対応
Mi 11 Lite 5GのSIMトレイは下部にあります。
nano SIM 2枚かnano SIM + microSDカードを入れられるようになっており、128GBだと心許ないという方は1TBのmicroSDなど大容量なものを入れてしまえば容量を増やせます。
スピーカーはステレオで、通話用スピーカーを使うスタイルなので音量は左右で少し異なります。低音が出にくいと感じる場合は設定→サウンドとバイブレーション→サウンドエフェクトでプリセットを「音声」に変えると良いと思います。
音量は2~3段階で十分なくらい出ますが、音量が大きいと背面がわずかに振動してしまいます。
対応バンドは
- 5G NR:n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n66
- LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66
- LTE TDD:38/40/41
- 3G WCDMA:1/2/4/5/6/8/19
- 2G GSM:2/3/5/8
で、Y! mobileやSoftBankといったSoftBank系の回線向きはもちろん楽天モバイルや、IIJmio・OCN モバイル ONEなどdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
7/9 10時よりXiaomi Mi 11 Lite 5GがIIJmioで一括19,980円セール開始。初期費用も1円に! – AndroPlus
もちろんVoLTEもしっかり標準対応しています。
上部には赤外線ポートがあります。
リモコンアプリを入れれば家中の家電を操作することもできます。
高速な側面指紋認証センサー
AMOLEDディスプレイ搭載モデルでは画面内指紋認証が採用されることが増えてきましたが、Mi 11 Lite 5Gでは側面に指紋認証センサーを搭載しています。
Xperiaのような凹んだ形ではなく、通常のボタンのように出っ張っているというのも良いポイントです。
指紋認証はかなり素早く、認証エラーも少ないです。
顔認証と併用することもできます。
指紋認証センサーを動作させる方法はタッチしたときか、押したときかを選べるので、好みに合わせて誤動作を防げます。
高速で安定するWi-Fi 6など最新規格に対応
ミドルレンジの格安モデルでありつつも、W-Fi 6やBluetooth 5.2など新しい規格もサポートしています。
Wi-Fi 6ではリンク速度1200Mbpsで接続でき、無線でもかなり高速な通信が可能となっています。
S855に勝るとも劣らないほどの性能…だが…
Mi 11 Lite 5Gに搭載されているSnapdragon 780GはSnapdragon 888と同じ5nmプロセスを採用しています。
個人的に記録しているベンチマーク結果一覧でもSnapdragon 855に勝るとも劣らないほどのスコアとなっており、ミドルレンジとはいえ旧世代のハイエンドに近い性能を持っています。
Androidスマホ ベンチマーク結果まとめ。CPU・メモリ・ストレージ性能一覧 – AndroPlus
3DMark Wild Life Stress Test (20回連続実行) ではスコア3151→2917でした。
温度上昇は+11℃で最大41℃でした。
発熱が少し大きめですが、高性能なので仕方がありません。
PCMark Work 3.0ではスコア10766でした。
Geekbench 5ではシングルコア767・マルチコア2723です。
…と、ここまでのベンチマーク結果は素晴らしいのですが、残念なことに実使用ではMIUIの出来の悪さが足を引っ張ってしまいます。
グラフィックドライバに何らかの問題があるようで、原神のように重たいゲームはもちろん、パズドラのような軽いゲームでさえ動作がカクついてしまいます。
パズドラの場合は画面遷移や攻撃エフェクトなどは問題ないものの、ドロップを動かす際に妙にカクカクした動きになります。
バッテリーセーバーやMIUIの最適化オフ、ゲームターボなどを変更しても効果はありませんでした。
原神の場合ではグラフィックを低・60FPS設定にすると中央値 35FPSでしたが、グラフを見ると分かるように一桁台のFPSになることが多発してまともに遊べません。(プロ向けベンチマークソフトGameBench Proにて計測しています)
Mi 11 Lite 5Gより性能が劣るOnePlus Nord CE 5GやXiaomi POCO M3 Pro 5Gでさえ一桁台のFPSに落ちることはありませんでしたし、これはアプリ側というよりはMi 11 Lite 5GのOS側に問題があるとみて間違いないでしょう。
MIUI 12.5ではグラフィック性能に修正が入っている (Xiaomiいわく『レンダリング能力が20倍』) ようなので、アップデートでの修正に期待しましょう。
ストレージはUFS 2.2・メモリはLPDDR4xで平凡…とおもいきや、何故かシーケンシャルライトだけUFS 3.1を超える勢いです。何かブースト機能があるのでしょうか…?
【追記】
V12.5.4.0.RKIJPXMのアップデートにより、特に3Dゲームでの動作がかなり改善されました。
さすがにSnapdragon 780G自体の性能の限界もあるのですべてがスムーズになるわけではない (原神の最高画質60FPSなど) ですが、本来の性能を発揮しやすくなっています。
Xiaomi Mi 11 Lite 5G日本版にV12.5.4.0.RKIJPXMがStable Betaチャンネルで配信開始 – AndroPlus
Mi 11 Lite 5G日本版もBootloader Unlock可能で、カスタムROMでもFeliCaは動作させられます。
Xiaomi Mi 11 Lite 5G国内版のGSI・カスタムROMでFeliCaを動作させる方法 – AndroPlus
まとめ
- 4250mAhバッテリーなのに重さ約160g
- 6.81mmと薄い
- FeliCa・おサイフケータイ対応でSIMフリー
- 綺麗なAMOLEDディスプレイ
- 90Hzリフレッシュレート対応
- 指紋が残りにくい背面
- 多バンド・VoLTE対応
- OS側の調整・最適化が甘い (アプデで改善あり)
- おサイフケータイとタッチ決済の両立ができない
- スピーカー再生時に背面が振動する
- 発熱は大きめ
Xiaomi Mi 11 Lite 5Gは定価4万円、回線契約で1万円台という低価格さでありながらも、90HzリフレッシュレートのAMOLEDに4250mAhバッテリー、多バンド対応で重さは約160gと軽量で使いやすいです。
FeliCa・おサイフケータイ対応で国内での決済もラクラクで素晴らしい…のですが、タッチ決済との両立不可やグラフィック性能が出ない不具合など、ソフトウェア面ではまだまだ改善するべきところが残っています。
まだ発売後1週間で一度もアップデートがないので、今後のアップデートで修正されるのか、どれほどの速度で対応されるのかに要注目です。
アップデートで性能問題が解決すれば名実ともに最高のミドルレンジスマホとなり、OPPO Reno5 Aなど競合機種とは比べものにならないほどの高コスパになります。
【追記】
アップデート速度はグローバル版とあまり変わらなさそうです。
ゲームでの動作問題もアップデートでかなり改善されており、致命的な弱点は小さくなっています。