Lenovo Legion Tab Y700レビュー。待望のハイエンド8.8インチタブレット、原神を平均57fpsで遊べる

片手で持てるY700

Lenovo Legion Tab Y700を購入しました。

8.8インチ画面に3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカードも

2021年以降ハイエンドなAndroidタブレットが各社から続々と登場していますが、どれもこれも10インチ以上のものばかりでした。

Lenovo Legion Tab Y700は8.8インチディスプレイ搭載で小ぶりながらも、Snapdragon 870やLPDDR5メモリ+UFS 3.1ストレージ、JBLステレオスピーカーを搭載しているなどハイエンドです。

さらに今ではハイエンドクラスでは少なくなった3.5mmイヤホンジャックにmicroSDカードスロットも搭載し、USB Type-CポートはUSB 3.1 Gen2で映像出力もできます。

このレビューは13.0.586 STバージョン、12GB+256GB版で行っています。

  • 8.8インチ、120Hzリフレッシュレート対応
  • Snapdragon 870 + VC 8500m㎡で高性能
  • JBLステレオスピーカー
  • 45W急速充電対応6550mAhバッテリー
  • バッテリーを傷めにくいバイパス充電対応
  • microSDカード & 3.5mmイヤホンジャック対応
  • 指紋認証センサーなし
  • LCDディスプレイ
  • GPS非対応
Lenovo Legion Tab Y700 TB-9707F
OS Android 11
RAM 12GB LPDDR5
ストレージ 256GB UFS 3.1
microSDカード対応
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ 8.8インチ 2560 × 1600(WQXGA) 120Hz LCD
サイズ 207 x 128 x 7.9 mm
重さ 375g (実測376.2g)
SIM
メインカメラ 13MP (OmniVision ov13b10)
フロントカメラ 8MP
バッテリー 6550mAh
USB端子 USB Type-C (USB3.1 Gen 2、映像出力対応)

箱

付属品はUSB Type-Cケーブル、充電器、説明書です。

付属品

Lenovo Legion Tab Y700は1モデルしかないのに何故か説明書にはWi-Fiモデルであると区別できるよう明記されており、サポートページにはTB-9707Nという別の型番も掲載されています。

Nが付くモデルはLTEモデルのため、今後追加する予定があるのかも知れません。

LTEモデル

なお、初期ファームウェアだとPC接続時に「Lenovo Tab P8」と出たり、サポートページの検索欄にLenovo Tab P8という表記があったりすることから、グローバル版はゲーミングブランドではなくLenovo Tab Pシリーズの一つとして出す予定があるようです。

Lenovo Tab P8

付属の充電器はUSB Type-CポートとUSB Type-Aポートが一つずつあり、Lenovo Legion Tab Y700以外のものも充電できます。

充電器

USB Type-Cポートでは10/5A = 50WというLenovo独自の出力が追加されています。

PDOに10/5Aがあるかのような表記ですが、実際はPPS 3.3~11V / 5Aの一部として対応しているというだけでした。

10/5A

8.8インチLCDディスプレイ搭載

Lenovo Legion Tab Y700は8.8インチ2560 × 1600解像度のディスプレイを搭載しています。

残念ながらAMOLEDではなくLCDではあるものの、LCDとしては鮮やかで視野角も問題ありません。

ディスプレイ

WALT Latency Timerで計測したタッチレイテンシーはタッチからカーネルが14.2ms、カーネルからJavaが2.1ms、画面描画が32.2msで合計48.5msでした。

タッチレイテンシー

保護フィルムは貼られていないため、ミヤビックスさんに作成していただきました。

重さは376.2gです。

376.2g

基本的には両手で持つ方が良いですが、片手でも持てないことはありません。

片手で持てる

リフレッシュレートは120Hzと60Hzから選べます。

リフレッシュレート

Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。

Widevine

背面は少し指紋が見えやすい

背面は多少は指紋が付きにくいよう加工されているようですが、光の反射で指紋汚れが見えやすいです。

背面

カメラが少し出っ張っています。

段差が小さいので、机の上に置いたときのガタつきも小さいです。

カメラ

手前のものにフォーカスが合いにくいです。

メモ用途ぐらいになら使えるでしょう。

写真

フロントカメラは「Global Video Beauty」と呼ばれる背景変更機能が用意されており、どのアプリでも背景ぼかしや背景変更ができるようになります。

輪郭の検出はなかなか正確で、時々椅子が映り込む程度の精度でした。

グローバル

高速なデータ転送ができるUSB Type-Cポート

Lenovo Legion Tab Y700の右側面にはUSB3.1 Gen 2ポートが搭載されています。

XiaomiやOPPOなどはUSB 2.0ポートでコストカットしがちですが、Lenovoは有線でのデータ転送のことも考えてくれていて素晴らしいです。

USB Type-C

DisplayPort Alt Modeでの映像出力もできます。

ただ、13.0.586 STバージョンの時点ではやたらと解像度が低くアスペクト比もあっておらず使い物にならないので、今後のアップデートでの修正に期待です。

映像出力

ミラーリングだけでなく、PCのように使えるモードもあります。

PCモードではタスクバーが下部に表示され、アプリをマルチウインドウで好きな位置に配置して使えます。

PCモードだとLenovo Legion Tab Y700をタッチパッドとして利用できます。

PCモード

付属充電器以外でもPPS対応のもの (MATECH Sonicharge 100W Proなど) だと急速充電できます。

最高45W、通常30W程度で充電され、80%を超えると26W程度に下がっていきます。

充電中は最高29℃ほどまでしか発熱しませんでした。

PPS

バッテリー残量を40~60%に維持してバッテリー寿命を延ばす「Battery Protection Mode」も選べます。

バッテリー

JBLステレオスピーカー & 3.5mmイヤホンジャック

Lenovo Legion Tab Y700は左右対称の位置にステレオスピーカーが搭載されています。

低音が強めに出ており、高音もしっかり聞こえます。

高音は少し遠くで鳴っているような立体感がありました。

吸音マットで囲んで約30cm離れたところからminiDSP UMIK-1で計測した周波数特性は以下の通りです。

周波数特性

3.5mmイヤホンジャックもあるので、有線イヤホンでの遅延の少ない音声も楽しめます。

3.5mmイヤホンジャック

WALT Latency Timerでオーディオ出力レイテンシーを計測すると、77.9msでした。

オーディオレイテンシー

Dolby Atmos・Dolby Visionにも対応しています。

Dolby Atmos

なお、Dolby Atmos有効時のオーディオ出力レイテンシーは103.1msでした。

ワイヤレスイヤホン並の遅延があるため、音ゲーをプレイする時には不向きです。

オーディオレイテンシー

下側面にはmicroSDカードスロットがあり、容量追加ができます。

パッキンはなく、あまり防水のことは考えられていないようです。

下側面

CPUやFPSを表示するためのゲームスイッチ搭載

Lenovo Legion Tab Y700の上部には電源ボタン・音量ボタンに加え、CPU使用率やFPSをオーバーレイ表示させるためのゲームスイッチがあります。

ボタン

オーバーレイ表示の位置は好きなように変更できます。

一目でFPSや温度が分かって便利です…が、これだけのために物理キーを用意するならそのコスト分で指紋認証センサーを搭載した方が良かったのではないかと思います。

オーバーレイ

ロック解除はパターンやPINコードのほか、顔認証はできるようになっています。

ロック解除

GPSは非搭載

Lenovo Legion Tab Y700は残念ながらGPS非搭載です。

WI-FiとBluetoothスキャンでの位置情報取得はできますが、カーナビ用途などには厳しいです。

Pokemon GOプレイヤーには致命的だと思いますが、中国ではPokemon GO含め位置情報ゲームは厳しく規制されているので、Lenovoはゲーミング用途にGPSは不要だと判断してしまったのでしょう。

据え置き用途がメインのLenovo Yoga Tab 13と違って8.8インチ画面で持ち運びやすいので、屋外でナビとして使用する人のことも考えてもらいたかったです。

最高画質の原神を平均57fpsで遊べるほどの高性能

Lenovo Legion Tab Y700はSnapdragon 870で最新SoCに比べると最大性能こそ低いものの、放熱面積合計45357.7m㎡、べイパーチャンバー放熱プレートは8500m㎡という強力な放熱設計のおかげで高いパフォーマンスを長時間維持しやすくなっています。

3DMark Wild Life Stress Testではスコア4258で、温度上昇は21℃→30℃ (9℃上昇)、16~31FPSでした。

温度がほぼ上昇していませんし、安定度は99%とかなり安定しています。

3DMark

ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア13321でした。

Snapdragon 8 Gen 1搭載スマホXiaomi 12realme GT 2 Proをも超えるスコアをたたき出しています。

PCMark

Geekbench 5ではシングルコア961、マルチコア3095です。

Geekbench

ストレージはそこそこの速さです。

ストレージ

原神を最高画質・60FPS設定で動かしてWeTest PerfDogで計測すると、平均57.4FPSでした。

表示が一瞬途切れたようになる「ジャンク」が14とかなり少なく、フレームレートが高いだけでなく体感の滑らかさも良かったです。

いくらフレームレートが高くてもジャンクが多いとガクガクした表示になるので、高いフレームレートでジャンクも少ないLenovo Legion Tab Y700は素晴らしいです。

バッテリー温度は最大でも34.9℃程度までしか上昇せず、快適でした。

原神

World of Tanks Blitzの設定をすべて最高にした状態では、平均106.5FPSでした。

バッテリー温度は平均33.9℃、最大36℃まで上昇していました。

WoT

システムUIの一部は日本語対応

Lenovo Legion Tab Y700はデフォルトでは日本語が選択肢になく、英語しか選べません。

初期設定では中国語で進むしかなく、初期設定後に设置→通用设置→语言和~→语言でEnglishを選ぶと英語にできます。

ZUI Version連打で開発者向けオプションを有効化できるので、USBデバッグを有効にしてadb shellでsettings put system system_locales ja-JPを実行して再起動することでアプリや一部のシステムUIを日本語にできます。

【追記】ゲームガジェットに上記文言が無断利用されていますが、弊サイトはそのようなサイトには転載許可を与えていません。

 

バックグラウンドキルはそこまで強くないものの、最適化をオフにするにはApps management→Special app access→Battery optimizationと深い階層まで開いていかないといけません。

バッテリー

ディスプレイ設定ではダブルタップで画面点灯させるジェスチャーを有効化できます。

ダブルタップでオン

スマート分割やフリーフォームなど、広い画面を有効活用できる機能もあります。

ただしスマート分割については中国系アプリしか対応していないのであまり役に立ちません。

画面分割

セミリアルバイブレーションと呼ばれるバイブを強化する機能があるものの、中国版の3つのゲームしか対応していません。

バイブ

マウスやキーボードなどを使える周辺機器モードは公式には中国版のゲームのみサポートとなっているものの、自分で有効化するアプリを追加できるようになっています。

マウス操作

アスペクト比を変更することで視野を広くしたりメッセージを弾幕風に表示したりする面白い機能もあるのですが、これまたLeague of Legendsなど中国版のゲームでしか使えません。

ゲーム

ゲームモードでは画質優先、パフォーマンス優先といったようにGPUをチューニングできます。

ゲームモード

バッテリーを充電せずに電源供給できるバイパス充電も用意されています。

バッテリー残量を気にすることなく、発熱も抑えてプレイできるので素晴らしいです。

バイパス充電

Bootloader Unlock可能

OEMロック解除のオンに加え、Lenovoに申請することでBootloader Unlockできます。

Bootloader UnlockしてもWidevine L1のままです。

こちらのサイトでLenovo平板→序列号にS/Nを入れ、E-mailと画像認証を入力して利用規約にチェックを入れて提交申请を押してください。

【追記】「立即登录」からLenovo IDを登録 & ログインしないと申請できないよう制限が追加されたようです。

 

なお、シリアルナンバーはネット接続してからしばらく経たないと認識されないので、エラーが出たら半日ほど待ってやり直してください。

届いたメール内リンクからsn.imgをダウンロードし、fastboot flash unlock sn.imgfastboot oem unlock-goを実行すればBootloader Unlockされます。

 

TB-9707F_CN_OPEN_USER_13.0.586_ST_220222 (Slot Bにインストール) のイメージはこちらに保存しています。

一部日本語・グローバル仕様にするMagiskモジュールを作成してこちらで配布しています…が、どうも言語選択はLenovoが独自に変更しているようでオーバーレイだけだと日本語を追加できませんでした。

lolinet mirrors – firmware, software, iso etc.
lolinet mirrors – powered by h5ai…

まとめ

  • 8.8インチ、120Hzリフレッシュレート対応
  • Snapdragon 870 + VC 8500m㎡で高性能
  • JBLステレオスピーカー
  • 45W急速充電対応6550mAhバッテリー
  • バッテリーを傷めにくいバイパス充電対応
  • microSDカード & 3.5mmイヤホンジャック対応
  • 指紋認証センサーなし
  • LCDディスプレイ
  • GPS非対応

Lenovo Legion Tab Y700は希少な8.8インチハイエンドタブレットで、高い放熱性能のおかげでゲームを長時間滑らかな動作に維持しやすくなっています。

さらにバッテリー寿命への影響を少なくするバイパス充電や低遅延な有線イヤホンを変換アダプターなしに使えるイヤホンジャック搭載など、ゲーマーにとって便利な機能がいくつも搭載されています。

8.8インチというだけでも十分なのに実際の性能や機能性も抜群ですし、8インチ台のタブレットでは今のところLenovo Legion Tab Y700が世界最高と言っても過言ではありません。

 

Lenovo Legion Tab Y700は2799CNY (約52,400円)~で購入できます。

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