ONE-NETBOOK A1を貸し出していただきました。
目次
小型なのにシリアル通信・有線LANポート搭載
OneMix 3 Proなど数々のUMPCを発売しているONE-NETBOOKより、エンジニア向けUMPC A1を貸し出していただきました。
ネットワークや社内サーバの調子が悪いとき、ノートパソコンを持ち運んで調査する場合も多いかと思いますが、普段使っているノートPCだと「1kgを超えていて持ち運びがつらい」「USB Type-Cポートしかない機種だとハブが必須」など使いにくいことがあります。
その点エンジニアがメンテナンス・調査する用途のために設計されたONE-NETBOOK A1なら、約550gという軽量コンパクトなボディで持ち運びがしやすく、シリアル通信・有線LANポートを搭載しハブ要らずになっています。
【追記】このレビュー機は製品版発売以降に貸し出してもらったにもかかわらずプロトタイプと同様の仕様のため、CPUやパネル、SSDなど全体的に仕様が異なるようです。性能面の評価は参考にならない可能性があります。
- コンパクトで持ち運びやすい
- 軽量550g
- タッチで操作しやすい
- 2048段階の筆圧検知・ペン対応
- ギガビットイーサネット対応
- リフレッシュレートが55Hz
- USB PD充電で相性問題が出やすい
- ヒンジの耐久性が不安
ONE-NETBOOK A1は7インチIPS液晶を搭載しており、タッチ操作にも対応しています。
ディスプレイは90°まで広げた後、右回りに180°回転させられます。
回転させた後たためばタブレットスタイルになり、縦向きにすればヒンジ部分がちょうど良いサイズのベゼルになるため持ちやすいです。
お借りしたONE-NETBOOK A1は銀行みたいな名前の某商業メディアのお下がりだったのですが、レビュアーがやらかしたようでキーボードに擦り傷ができていました。
ディスプレイを回転させるときは必ず90°まで開いてからでないといけません。
画面表示の向きは特に制限されていないので、たたむ途中でこのようにテントスタイルで使うこともできます。
スタイラスペンでPDFへのメモ書きもラクラク
ビジネス用途だとよく「PDFに注釈・メモを入れたい」ということが起こりますが、ONE-NETBOOK A1なら10点マルチタッチ対応のタッチパネルなので気軽に記入できます。
指で書いても良いですし、スタイラスペンを使えばより細かく書けます。
筆圧検知は2048段階まで対応しており、お絵かきタブレットとしても役立ちます。
ディスプレイは1920 x 1200で十分な解像度です。
IPSのため視野角が良く、斜めから見ても色が変わらず見やすいです。
発色もあまり極端な偏りはなく、特に問題ないように思います。ただし、このレビュー機のパネルは後述の通り製品版とは異なるため、製品版では表示性能が異なる可能性があります。
ただリフレッシュレートは49Hzとかなり低く、1万円以下の格安タブレット並です。
リフレッシュレートが低いとチラついて目が疲れやすくなってしまうため、エンジニア向けというコンセプトなら、なおさら60Hzにしてほしかったです。
【追記】どうやら製品版はOneMix 3 Proと同じ55Hzのようです。それでも5Hz低いので、次回作ではちゃんと60Hzにしてもらいたいところです。
小型なのに豊富なポート
ONE-NETBOOK A1の背面にはRS-232シリアル通信ポート、micro HDMIポート、USB 3.1 Gen1ポート2つ、有線LANポートがあります。
ネットワーク機器のメンテナンスや調査には有線LANポートは欠かせませんし、産業用機器だと「ハブや変換アダプタを使うと相性問題が発生する」ということもあるのでRS-232ポートがあるのは便利だと思います。
ギガビットイーサネットで、nuro光で試したところ下り815Mbps・上り753Mbpsとしっかりと速度が出ています。
有線LANは無線LANよりも低遅延で安定するため、軽くオンラインゲームをするときなどにも良いかもしれません。
筐体サイズの都合上ギチギチですが、それでも他ポートとは干渉しないよう間隔が空けられているので、大きめのUSBメモリ (SSD) を付けても問題なく使えました。
左端の部分にはストラップホールもあり、ストラップを付けておけば落下や置き忘れを防げます。
さすがにストラップを付けたまま何かにぶつかると傷つくと思いますが、金属製筐体のおかげでそこそこの衝撃なら耐えてくれそうです。
右側面には3.5mmイヤホンジャックがあり、変換アダプターなしに有線イヤホンを使えます。
左側面にはUSB Type-CポートとmicroSDカードスロットがあります。
USB Type-CポートはUSB PDによる急速充電やDisplayPort Alt Modeでの映像出力に対応しており、USB Type-Cポート搭載モニターならケーブル一本で映像出力とONE-NETBOOK A1への充電を済ませることもできます。
UMPCの宿命なのかUSB PDの処理におかしなところがあるようで、本来は5V・9V・12Vどれでも充電できるはずですが、45Wの充電器でも充電が開始されないものがあるなど相性問題が発生しました。格安タブですらしっかりUSB PD対応する時代ですし、このあたりは2021年モデルでは改善してもらいたいところです…。
なお、このレビュー機は各種パーツが製品版と異なるため、製品版では改善されている可能性があります。
VESAマウントもできる
ノートパソコンとしてはかなり珍しく、ONE-NETBOOK A1は単体でモニターアーム等に取り付けられます。
背面のネジ穴で取り付けるだけで固定でき、サーバー用コンソールのように使うこともできます。
なお、技適マークはしっかり背面の下部に書かれています。
ぎっちり詰まったキーボード
小型なボディに合わせるためキーボードはぎっちりと詰まっており、変則的なキーレイアウトとなっています。
キーボードの上の電源ボタンはWindows Hello対応の指紋認証センサーを兼ねており、ロック時に素早く認証できます。
これまた前のレビュアーが雑に扱ったせいなのか、若干ディスプレイが斜めになっています…。
なお、日本語キーボード版だと以下のようなレイアウトになります。
「かな」のせいで余計にごちゃついて見えます。UMPCを買うようなエンジニアが果たしてかな入力するでしょうか…?
ファンクションキーなどが少し押しにくいですが、アルファベットの部分はそれほど問題なく打てます。
キーボードの下にはポインティングデバイスがあり、マウス操作とクリックの両方ができます。
ゲーミングUMPC OneGx1と共通パーツを使ったのか、キーボードバックライトは赤色で少し派手です。
小さくても性能は十分
お借りしたONE-NETBOOK A1はCPUが異なる開発機のため、Core i7-7Y75が搭載されていました。
製品版ではm3-8100Yなので参考にならないですが、Core i7-7Y75ではCinebench r23ではマルチコア 1263pts、シングルコア 531ptsでした。
内蔵SSDはRND4Kでリード47.32MB/s・ライト 164.45MB/sと普段使いに十分な速度を出してくれます。
なお、製品版ではもっと速度がでます。製品版と違う部分が多すぎますし、レビューする意味ないじゃないですか…。
ストレージこれくらいの速度は出るはず pic.twitter.com/JQBu8WkJKy
— VRZ3/ぶいあーる (@VRZ3_E233_1920) December 28, 2020
まとめ
- コンパクトで持ち運びやすい
- 軽量550g
- タッチで操作しやすい
- 2048段階の筆圧検知・ペン対応
- ギガビットイーサネット対応
- リフレッシュレートが55Hz
- USB PD充電で相性問題が出やすい
- ヒンジの耐久性が不安
ONE-NETBOOK A1は比較的安価で普段使いに十分な性能を持っており、ネットワーク関係の調査にも必要な有線LANポートを搭載するなどエンジニアのサブPCとして役立ちそうです。
ちょっとしたネットワーク調査に大きくて重いノートパソコンを持って行きたくない、変換アダプターなしにシリアル通信したいという方はONE-NETBOOK A1を購入してはいかがでしょうか。
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