OPPO Find X8 日本版を貸し出していただきました。
Hasselbladカメラスマホがついに日本上陸
OPPO Find X8はMediaTek Dimensity 9400を搭載し、Hasselbladとコラボしたカメラを採用しています。
Find X3 Proを発売してから長らく日本ではミドルレンジ以下のモデルしか出ておらず、グローバル版すら出ない時期があったFindシリーズですが、ついにOPPO Find X8で日本市場に帰還しました。
カメラ性能はさることながら、Dimensity 9400はSnapdragon 8 Gen 3を一部上回る性能があるためゲームも快適にプレイできます。
このレビューは16GB+512GB版・CPH2651_15.0.0.212(EX01)で行っています。
- 高い性能と省電力を両立するMediaTek Dimensity 9400
- 実測1200nitの明るいフラットディスプレイ
- トリプル50MPカメラ
- ワイヤレス充電対応5630mAhバッテリー
- IP69・IP68防水防塵
- テレマクロ撮影はしにくい
- FeliCa非搭載 (NFCは搭載)
- 定価12万円超えながらUSB 2.0
OPPO Find X8 | |
---|---|
OS | Android 15 |
RAM | 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 512GB UFS 4.0 |
SoC | MediaTek Dimensity 9400 |
ディスプレイ | 6.6インチ FHD+(2760×1256) 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 74 x 157 x 7.9mm |
重さ | 約193g |
SIM | nano SIM + nano SIM (またはeSIM) |
リアカメラ | 50MP (OIS) 50MP (超広角) 50MP (OIS / 3x望遠) |
フロントカメラ | 32MP |
バッテリー | 5630mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
目次
説明書と保護ケースが付属しており、充電器は付属していません。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
ディスプレイ:屋外でも見やすいフラットディスプレイ
OPPO Find X8は6.6インチ FHD+解像度のディスプレイを搭載しています。
完全なフラットディスプレイなので端から端まで見やすい一方、ジェスチャー操作するとき保護フィルムの端の部分が引っかかる場合があります。
明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1235nitに達しました。
日中の屋外でも見やすいです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
解像度は2374 x 1080に自動で落とすことでバッテリー持ちが良くなるようにされています。
リフレッシュレートは120Hz対応で、アプリ別に設定もできます。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは平均240Hz程度でした。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら大きめで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオなどで高画質なストリーミング再生ができます。
背面:指紋が付きにくい
背面はさらっとしていて、指紋汚れなどが付きにくいです。
重さは194.9gです。
カメラ:オール50MP
OPPO Find X8は
- 50MP (OIS)
- 50MP (超広角)
- 50MP (OIS / 3x望遠)
というトリプルカメラ構成です。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
Hasselbladとのコラボで自然な色合いでの撮影ができるようになっています。
空の色などは若干彩度が高いように感じるものの、目で見た色に近いことが多いです。
3倍光学ズームができる望遠レンズも搭載していることで、遠景の撮影も綺麗にできます。
デジタルズームと合わせることで最大120倍までの撮影が可能です。
ただ30cmほど離れないとピントが合わないため、望遠レンズを使って比較的近い物体を撮影する「テレマクロ撮影」はしにくいです。
30cm離してようやく1倍 (24mm) に近い構図で撮影できる程度なので、近くのものの細部を撮影したいという方には向いていません。
夜景モードでは比較的明るめに撮影できますが、基本は見たままに近いぐらいの暗さに抑えられるようです。
プロモードだと10倍までのズームに制限されています。
月面を撮るには微妙なところです。
スピーカー:ボーカルが目立つ
OPPO Find X8はステレオスピーカー搭載です。
上部スピーカーは通話用と兼用で、左右非対称です。
独自のサウンド効果のみを搭載しており、ボーカルが目立ちやすい調整で低音も十分クリアに鳴らしてくれます。
OnePlus 13と比べるとやや音の広がりに欠け低音の迫力が控えめな印象なので、ブランド最上位との違いがこういうところで出てくるのでしょう。
Holo Audioという空間オーディオ機能も使えます。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / LDAC / LHDC 5.0に対応していました。
LHDC 5.0対応イヤホンであれば、OPPOグループ以外の製品でも使えます。
ポート:有線&無線充電対応
OPPO Find X8は80W急速充電対応で、50Wワイヤレス充電も可能です。
残念ながら充電器は別途購入しないといけないものの、公式サイトで有線充電器やマグネット充電器など色々な種類が揃っているので好みに合わせて選べます。
ハイエンド機種でありながらUSB 2.0なので映像出力はできず、撮影した写真を一気にPCにコピーしたいときなどの速度も遅いです。
バッテリーを80%までで充電を止めてくれる「電荷制限」があります。
80%になったあとはバイパス充電のように直接給電してくれるため、バッテリーへの負荷を抑えられます。
nano SIMとeSIMに対応し、対応バンドは
- 5G :n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78
- 4G FDD LTE : Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/66
- 4G TD LTE : Band 38/39/40/41/4
- 3G WCDMA: Band 1/2/4/5/6/8/19
- 2G GSM : 850/900/1800/1900MHz
でY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamoなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
アラートスライダー搭載機は地味に日本初で、ワンタッチでマナーモード等に切り替えられます。
性能:原神を余裕で60FPSプレイ
OPPO Find X8はMediaTek Dimensity 9400を搭載しており、カメラだけでなく普段使いのアプリやゲームも高速に処理してくれます。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1183・マルチコア6365、通常版でシングルコア2940・マルチコア8735でした。
大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。
普段使いでのバッテリー持ちを改善するという意味ではこの調整が役に立つ場面があるものの、ベンチマークアプリだけは例外にして全力を出すというのは不誠実ですし、UL Solutions等が定めるルールに反しています。OPPOに限らず中国メーカー全体に蔓延している問題ですが、何のためにベンチマークテストが存在しているのか今一度考え直してもらいたいものですね…。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
シングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア6529→3753でした。
高い性能ながらバッテリー温度は43℃までに抑えられています。
ピーク性能ではSnapdragon 8 Gen 3を上回り、最低スコアでも8 Gen 3と同程度の性能を維持しています。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア13035でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
CPDT Benchmarkで計測した結果では、ランダムリード・ライトが特に速めでした。
写真の読み書きなどで突っかかりが起きないようチューニングされているのだと思います。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・ナタ (ムアラニでスキルを使って道なりに移動) でプレイしてScene 8で計測すると、平均59.5FPSで1FPSあたり72.94mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大28.9℃程度までの上昇で、冬場だということを勘定してもかなり低い温度に抑えられています。
原神のプレイが余裕なぐらいのCPU性能があるため、専用のチューニングで消費電力と発熱を抑えるようにしているのだと思います。
原神でのワットパフォーマンスはSnapdragon 8 Eliteに匹敵するレベルです。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをパフォーマンスモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均57.3FPSでした。
こちらは消費電力が9.79Wと高く、バッテリー温度も37.9℃に上昇しています。
40℃を超えないよう最後のほうは40FPS台に制限され始めていました。
十分なパフォーマンスが出ているとはいえ、電力効率面ではSnapdragonに一歩劣るようです。
OS:便利機能が多い
OPPO Find X8はColorOS 15を搭載し、色々な便利機能を使えます。
フォントについてはテーマストアで色々なものを選択でき、日本語フォントは少ないですが「McMejiro」などに変えられます。
豊富なジェスチャー操作に対応し、ダブルタップで画面オンオフはもちろん文字を書いてカメラや好きなアプリを起動する操作もできます。
三本指のジェスチャーはリズムゲーム等だと誤操作の元になるため、ゲームをプレイする方はオフにしておくと良いと思います。
キーボードについては下部の誤操作を防げるよう上に移動してくれる機能が用意されています。
ナビゲーションバーではボタンとジェスチャーで切り替えられ、前のアプリに切り替えたり長押しで画面上のコンテンツをすぐ検索できたりします。
スクリーンショットの音はオフにできる一方、カメラのシャッター音は地域を変更しても強制されるままでした。
キャリア版があるわけではないですし、シャッター音強制は法的な根拠がないのでオフにさせてくれても良いと思うのですが…。
残念ながらWi-Fi 6Eまでの対応で、Wi-Fi 7での接続はできませんでした。
まとめ
- 高い性能と省電力を両立するMediaTek Dimensity 9400
- 実測1200nitの明るいフラットディスプレイ
- トリプル50MPカメラ
- ワイヤレス充電対応5630mAhバッテリー
- IP69・IP68防水防塵
- テレマクロ撮影はしにくい
- FeliCa非搭載 (NFCは搭載)
- 定価12万円超えながらUSB 2.0
高いカメラ性能とゲーム性能を両立しながら重さは200g切りなので、ハイエンドスマホが欲しいけれど重たいのは嫌、フラットディスプレイのスマホが良いという方に向いています。
ただ、FeliCa・おサイフケータイに非対応なため交通機関などでよく使う方には不向きです。
FeliCaを気にしないアーリーアダプターを狙い撃ちにするなら、上位モデルであるOPPO Find X8 Proを持ってくるべきだったと思います。
某14 Ultraはグローバル版と同等以下の価格で最上位モデルを日本に投入したことで話題になりましたし、話題作りのための最上位モデルを持ってこられないのであればいっそコスパの良いOnePlusやrealmeスマホを日本上陸させたほうが「高スペック低価格」を求める一般層の需要に合いそうな気がします。
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