OnePlus Ace 3 Proを購入しました。
フレーム補間やアイテム自動収集もできる原神スマホ
OnePlus Ace 3 ProはSnapdragon 8 Gen 3を搭載しています。
6100mAhという大容量バッテリーを搭載しつつも厚さ約8.69~8.95mm、重さ約207~225gと一般的なハイエンドスマホと変わらないレベルに抑えられています。
フレーム補間やアップスケーリングに加えて原神ではアイテムの自動収集や拘束解除などもでき、原神をよくプレイする方にぴったりです。
フレーム補間は原神に限らずあらゆるゲームで使えるものの、原神は特別待遇を受けており通常より文字のぼやけや遅延が少ないGPUフレーム補間が利用できます。
このレビューは12GB+256GB版・PJX110_14.1.0.205(CN01)で行っています。
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 3
- 1500nitの明るいディスプレイ
- あらゆるゲームでフレーム補間可能
- 80W充電対応の6100mAhバッテリー
- 原神専用の多種多様な便利機能あり
- 原神以外では熱制御が強め
OnePlus Ace 3 Pro | |
---|---|
OS | Android 14 |
RAM | 12GB/16GB/24GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 3 |
ディスプレイ | 6.78インチ 2780 x 1264 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 163.30mm x 75.27mm x 8.85mm(ガラス)、8.95mm(レザー)、8.69mm(セラミックス) |
重さ | 212g(玻璃)、207g(皮革)、225g(セラミックス) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony IMX890) + 8MP (超広角 SONY IMX355) + 2MP (マクロ OMNIVISION OV02B) |
フロントカメラ | 16MP (Samsung S5K3P9) |
バッテリー | 6100mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G NR:n1/n3/n5/n8/n28A/n38/n40/n41/n77/n78 LTE FDD: 1/3/4/5/8/18/19/26/28A/66 LTE TDD: 34/38/39/40/41 WCDMA: 1/4/5/8 CDMA:BC0 1X GSM:850/900/1800MHz |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。
保護ケースは革っぽいデザインになっており、4辺とも保護してくれます。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
充電器は100V地域では80W急速充電までに制限されています。
ディスプレイ:屋外でも見やすい
OnePlus Ace 3 Proは6.78インチ 2780×1264解像度のディスプレイを搭載しています。
残念ながらエッジディスプレイです。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1540nitに達しました。
屋外では高輝度モードが発動し、914nitになることを確認できました。
ただ梅雨の時期で若干曇り気味だったため、もっと日差しが強ければさらに明るくなる可能性があります。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
8T LTPO対応で、リフレッシュレートは120Hz対応です。
アプリ毎に60Hzに落とすかどうか選べます。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは120Hz程度でした。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は13.5ms、画面描画遅延は32.4msで合計45.9msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:独特な手触り
背面はカラーによって異なる三種類が用意されており、グリーンだとレザーで指紋汚れなどが付きにくいです。
シルバーはガラス、ホワイトはセラミックです。
グリーンでは表面が加工されており、凸凹していてどちらかというとシリコンっぽい手触りです。
重さは209.4gです。
バッテリー容量5500mAhのOnePlus Ace 3が実測210gだったのに対して、Ace 3 Proでは容量6100mAhにアップグレードされたのに重さは変わらないというのは素晴らしいです。
カメラ:彩度が少し高め
OnePlus Ace 3 Proは
- 50MP (OIS / Sony IMX890)
- 8MP (超広角 SONY IMX355)
- 2MP (マクロ OMNIVISION OV02B)
というトリプルカメラ構成です。
梅雨時期で晴れ間がなくあまり撮れていないですが、手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
SONY IMX890を搭載しているだけあって、普段の写真撮影では十分綺麗に撮影できます。
実際よりも彩度が少し高めの写真になることが多く、2倍ズームすると彩度が落ちます。
スピーカー:立体音響が面白い
OnePlus Ace 3 Proは通話用と兼用タイプのステレオスピーカーを搭載しています。
低音と高音が弱くボーカルが目立ちます。
Dolby AtmosではなくOReality Audioなる独自の技術を搭載しており、スピーカー時はオフにできません。
スピーカー時は不可ですがイヤホン接続時は立体音響やHolo Audioを有効化でき、ボーカルが前に出てきて楽器は周囲で鳴っているように感じられ面白いです。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると33.8msでした。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / aptX Adaptive / LDAC / LHDCに対応していました。
ただしLHDCについてはOnePlus・OPPO系のイヤホンでしか使えません。
ポート:80W充電対応
OnePlus Ace 3 Proは6100mAhという大容量バッテリーを搭載しており、日本の電圧では80Wでの急速充電が可能です。
中国版といえばアプリキルが強いというイメージですが、ColorOSの場合バックグラウンド動作を許可しておけば残り続けますし、その状態でもバッテリーを異常に消費することはありません。
ただでさえバッテリー周りの管理が良いColorOSに6100mAhバッテリーが加わることで、かなりの電池持ちになっています。
対応バンドは
- 5G NR:n1/n3/n5/n8/n28A/n38/n40/n41/n77/n78
- LTE FDD: 1/3/4/5/8/18/19/26/28A/66
- LTE TDD: 34/38/39/40/41
- WCDMA: 1/4/5/8
- CDMA:BC0 1X
- GSM:850/900/1800MHz
でY! mobileやSoftBank、LINEMO
VoLTE通話も可能です。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
左側にはアラートスライダーがあり、サイレントモードなどに簡単に切り替えられます。
上部の赤外線ポートを使えば、テレビやエアコンなどのリモコン代わりとして操作することもできます。
性能:原神だけ特別調整?
OnePlus Ace 3 ProはSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、Pixelworks X7 Gen 2グラフィックチップも搭載することによりゲームのフレーム補間やアップスケーリングも可能となっています。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア951・マルチコア4668、通常版でシングルコア1360・マルチコア6304でした。
何度計測しても大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。
普段使いはSnapdragon 8+ Gen 1レベルで十分だ、ということで性能を落としているのでしょう。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア4791→2729で、温度上昇は33℃→45℃ (12℃上昇)でした。
サーマルスロットリングが強いです。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア12971でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2024年現在は8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
CPDT Benchmarkで計測した結果では、シーケンシャルリードが特に速めでした。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をGamingモード (パフォーマンスモード)・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 7で計測すると、平均57FPSで1FPSあたり114.04mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大43.8℃程度まで上昇しました。
後述の崩壊:スターレイルとの結果と比べるとサーマルスロットリングが緩いように見えるため、おそらく原神だけ特別にパフォーマンスを最大限出し続けるようチューニングされているのだと思います。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
原神へのチューニングが多く、バックグラウンドに移した後原神を開き直すと何分経っていてもロードを挟まず即座に再開できる機能もあり、プレイ中に攻略情報を見たかったりLINEの返信などをしなくてはいけなかったりするときに便利です。
AI Labでは「アイテムの自動収集」「拘束を自動解除」「自動で走る」機能を使えます。
いちいちタップするのが面倒だったり押し間違えて逃してしまったりしがちなアイテムも、選択肢が出た時点でほぼ確実に取得できるようになります。
回収できるアイテムのときだけ反応するので、「💬スイートフラワー」のようなトラップや聖遺物・武器が出るキラキラは押されません。
自動走行は直進だけで、方向転換したいときは視点を変えないといけないため少し不便なものの、長距離を移動したいときには役立ちそうです。
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをGamingモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均40.3FPSでした。
原神と違って41℃あたりからサーマルスロットリングが始まり30FPSに制限されています。
8 Gen 3なのに電力効率的には8 Gen 2レベルになっており、スマホクーラーを付けないと本領発揮してくれないのは少し残念です。
ゲームモードではHyperRenderingというフレーム補間やアップスケーリングができる機能が用意されています。
原神ではHyperHDRという鮮やかにする機能が使えます。
フレーム補間やアップスケーリングについてはあらゆるゲームで有効化でき、崩壊:スターレイル、ゼンレスゾーンゼロ、学園アイドルマスターなどでも使えます。
2倍フレーム補間を行うようで、初期設定が30FPSの学園アイドルマスターでは60FPSになっており、60FPS設定にすると120FPS表示になりました。
ネイティブ120FPSと比べると滑らかさは劣るものの、60FPSが上限のゲームであっても高フレームレートを味わえるのは良いですね。
原神以外のフレーム補間・アップスケーリングではPixelworks X7 Gen 2グラフィックチップが処理を行っており、ADBコマンドでIris7 MEMCが動作している様子が分かるほかゲームモードのFPS表示も「120」などになります。
一方原神ではGPUを使った特別なフレーム補間・アップスケーリングが有効化されます。
原神はCPUをメインで使うゲームのため、リソースに余裕があるGPUを活用することで特別なチューニングを実現できたようです。
Pixelworks X7 Gen 2を使うフレーム補間だとどうしても画面に若干もやが掛かったようになったり遅延が起きたりするのですが、GPUフレーム補間では普段と遜色ないレベルの動作になります。
発熱は大きいため、長時間使いたい場合はスマホクーラーを付けないといけません。
何故かゲームモードのFPS表示はバグっており、0FPS表示になります。
ちなみに、Bootloader UnlockするとDRM制限がかかるのかフレーム補間やAI Lab機能などは使えなくなるようです。残念…。
内部的にもPixelworksのIris7ではなくOplusGameMemcが動作していることが分かります。
まとめ
- 高い性能と省電力を両立するSnapdragon 8 Gen 3
- 1500nitの明るいディスプレイ
- あらゆるゲームでフレーム補間可能
- 80W充電対応の6100mAhバッテリー
- 原神専用の多種多様な便利機能あり
- 原神以外では熱制御が強め
OnePlus Ace 3 Proは原神プレイヤーにとってはフレーム補間や自動アイテム収集、ロードなしの即再開など便利な機能が数多くあり、大容量バッテリーのおかげもあって長時間プレイしやすいのでおすすめです。
他ゲームでもフレーム補間やアップスケーリングを使えるものの、やや発熱制御が強めなので画質設定を落とすかスマホクーラーを使わないといけないところは少し残念です。
ディスプレイも8T LTPOで実測1500nitと明るいですし、「カメラ画質はそこまで求めない、ゲームや普段使いを快適にしたい」という方にぴったりです。
中国では3199CNY (税込 約7.4万円) ~で購入できます。