Lenovo Xiaoxin Pad Studioを購入しました。
格安ながら高出力なスピーカー
Lenovo Xiaoxin Pad StudioはMediaTek Helio G99を搭載した格安タブレットです。
性能面だけでいえば普通ですが、Xiaoxin Pad Studioの最大の特徴は「26Wスピーカー搭載」であること。
キックスタンドも内蔵しているため、ただの格安タブレットとは別格の動画再生環境を構築できます。
このレビューは8GB+128GB版で行っています。
- 大きめの11.5インチFHDディスプレイ
- 26cc・26Wの巨大スピーカー
- 自由に角度を変えられるキックスタンド
- 45W急速充電対応の8600mAhバッテリー
- 3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカード対応
- GPS 位置情報取得も可能
- スタイラスペン対応
- 日本語化に制限あり
- 画面は価格相応であまり明るくない
- 動画向けで、ゲーム性能はない
Lenovo Xiaoxin Pad Studio | |
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OS | Android 14 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB / 256GB UFS 2.2 microSDカード対応 |
SoC | MediaTek Helio G99 |
ディスプレイ | 11.5インチ FHD+ 1200 x 2000 アスペクト比 3:5 90Hzリフレッシュレート LCD |
サイズ | 268.3 × 174.25 × 7.77mm |
重さ | 650g (実測665.6g) |
SIM | — |
リアカメラ | 8MP |
フロントカメラ | 8MP |
バッテリー | 8,600mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
目次
説明書、充電ケーブル、充電器などが付属しています。
保護フィルムは貼り付けられていません。
ディスプレイ:明るさは控えめ
Xiaoxin Pad Studioは11.5インチ FHD+ 1200 x 2000解像度のディスプレイを搭載しています。
マンガなどの見開き表示もでき、格安タブレットにありがちなHDではなくFHDなので文字が綺麗に見えます。
アスペクト比 3:5 (15:9) なので、アスペクト比16:9の動画を再生するときは少しだけ上下に帯が出てきます。
明るさ自動調整オンでの全白HDR動画再生時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大400nitでした。
屋外利用はまず無理で、屋内でも日差しが入った部屋だと少し見にくくなります。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
明るさの自動調整に対応しているものの、やや反応が悪く暗めになることが多いです。
色温度については「画面カラーモード」で調整でき、ブルーライトカットや読書モードもあります。
リフレッシュレートは90Hz対応です。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:キックスタンドが便利
背面はメタリックで、指紋汚れなどが付きにくいです。
キックスタンドのおかげでケース等を装着しなくても自立します。
角度は好きなように微調整できるので、動画再生するときなどに見やすくできます。
重さは665.6gです。
スピーカー:低音が強く大音量
Xiaoxin Pad Studioは22ccの大型サウンドキャビティでパワーは26Wというステレオスピーカーを搭載しています。
低音が強く、高音は他タブレットに比べれば出ているものの控えめである印象です。
音量の段階によって音の大きさの差があるため、1段階上げるとうるさく感じて中間ぐらいの差にしてほしいと感じる場面がありました。
音量を上げればその分しっかり鳴らしてくれるので、屋外等でも聞こえやすくしたい場合には良いと思います。
3.5mmイヤホンジャックもあり、有線イヤホンを変換アダプターなしに利用できます。
Dolby Atmosに対応しており、スピーカー時にはオフにできません。
ムービーモードだと人の声を聴きやすくするオプションがあり、音楽モードだと低音や高音を強調させられます。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAACとLDACに対応していました。
ポート:45W急速充電に対応
Xiaoxin Pad Studioは8600mAh容量のバッテリーを搭載しており、45W急速充電に対応しています。
格安タブレットとはいえ高速な充電ができるのは良いですね。
40~60%の間でバッテリー残量を維持する充電保護や充電速度の調整など、バッテリー寿命を延ばしてくれるオプションがいくつもあります。
一般的な格安タブレットでは搭載していないことが多いですし、Xiaoxin Pad Studioのほうが長く使えそうです。
電源ボタンや音量ボタンは左上のほうにあります。
microSDカードでの容量追加ができます。
あくまでもmicroSDカードだけでSIMには非対応であるものの、GPS 位置情報取得に対応しています。
A-GPSが利用できない分少し掴むのが遅いですが、屋内でもちゃんと掴めるほどで無名メーカーの格安タブレットに比べれば実用的です。
性能:最低限
Xiaoxin Pad StudioはMediaTek Helio G99を搭載しており、動画再生ぐらいであれば十分スムーズに行えます。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア736・マルチコア2024、通常版でシングルコア735・マルチコア2029でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア348→344でした。
ゲームの快適なプレイは不可能です。
せっかく音が良くて大画面なのですし、ゲームもある程度動かせたら最高だったのですが…。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア10041でした。
イライラせずに使える最低ラインが8000~9000程度なので本当に最低限上回っているという感じです。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2024年現在は8000以上あれば十分です。
ストレージやメモリは価格相応の遅さであるものの、アプリインストール時など以外の普段使いではあまり遅いと感じることは少ないと思います。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
OS:日本語化に制限あり
Xiaoxin Pad Studioはデフォルトでは英語と中国語ぐらいしか使えません。
設定でZUI versionを7回連打してDeveloper optionsを出してUSB debuggingを有効にした上でPCでadb shell settings put system system_locales ja-JPzhzh
を実行して再起動することで日本語設定にできます。
…「zhzh」と謎の文字が付いているのはLenovoが中国版の言語変更に対策を追加したせいです。
通常のコマンドでは日本語化できないようにされていて、ja-JPzhzhだと設定などは日本語になるものの一部アプリでは中国語になってしまったり、Amazonプライムビデオでは存在しない言語のせいなのかエラーが起きて起動できなくなったりと不便なところがあります。
APKMirrorなどでPlayストアのAPKをダウンロードしてインストールすればPlayストアを使えます。
そのままではGoogleサービスが有効化されていないので、設定→アプリ→「…」メニュー→Google Basic Servicesをオンにするとログインできるようになります。
フォントについては「個人用にカスタマイズ」からフォント設定を開き、「Mine」で原生字体を選ぶと日本語フォントになります。
ダブルタップで画面オンオフ、三本指で画面分割といった便利なジェスチャーを利用できます。
マルチウィンドウで使いやすいPCモードや、キーボードやコントローラーを接続して使えるモードなどもあります。
別売りのスタイラスペンを購入すれば、4090段階の筆圧検知でイラスト制作も可能です。
まとめ
- 大きめの11.5インチFHDディスプレイ
- 26cc・26Wの巨大スピーカー
- 自由に角度を変えられるキックスタンド
- 45W急速充電対応の8600mAhバッテリー
- 3.5mmイヤホンジャックやmicroSDカード対応
- GPS 位置情報取得も可能
- スタイラスペン対応
- 日本語化に制限あり
- 画面は価格相応であまり明るくない
- 動画向けで、ゲーム性能はない
格安ながらも音が良く音量も大きくできるスピーカーを搭載しており、キックスタンドも付いていることで動画再生用タブレットとしては最高です。
日本語化するとプライムビデオを開けなくなることが残念なものの、動画再生用なら英語のままでもあまり困ることはないと思います。
中国では1299CNY (税込 約3.3万円) ~で購入できます。クーポンやコインのことを考えればAliExpressで買ったほうが安く済みそうです。
Lenovo Tab Plusとしてグローバル版が登場する予定です。