Xiaomi 14T Pro グローバル版をいただきました。
チタン風のデザインで格好いい
Xiaomi 14T ProはMediaTek Dimensity 9300+を搭載しています。
ベゼルが狭いフラットディスプレイですっきりとしており、背面はメタリックなチタン風デザインのガラスになっていて高級感があります。
120W急速充電のほかTシリーズとしては初となる50Wワイヤレス充電にも対応していて、普段使いがさらに便利になりました。
このレビューは12GB+1TB版・OS1.0.5.0.UNNEUXMで行っています。
- 省電力なMediaTek Dimensity 9300+
- 実測900~1500nitの明るいディスプレイ
- フラットで見やすくベゼルも細い
- 2.6X望遠カメラ搭載
- ワイヤレス充電対応5,000mAhバッテリー
- IP68防水防塵
- eSIM対応
- 5,000mAhバッテリーながら実測215gの重さ
- ゲーム性能は8 Gen 3などに少し負ける
Xiaomi 14T Pro | |
---|---|
OS | Android 14 |
RAM | 12GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0 |
SoC | MediaTek Dimensity 9300+ |
ディスプレイ | 6.67インチ 2712 x 1220 アスペクト比 20.01:9 144Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 160.4 × 75.1 × 8.39mm |
重さ | 209g |
SIM | nano SIM + nano SIM または nano SIM + eSIM |
リアカメラ | 50MP(OIS・Light Fusion 900 / OV50H40) 50MP(望遠 Samsung S5KJN1) 12MP(超広角 OMNIVISION OV13B10) |
フロントカメラ | 32MP(Samsung S5KKD1) |
バッテリー | 5,000mAh 120W急速充電 50Wワイヤレス充電 |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G SA: n1/2/3/5/7/8/12/20/25/26/28/38/40/41/48/66/75/77/78 5G NSA: n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/66/75/77/78 4G: LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/32/66 4G: LTE TDD: B38/39/40/41/42/48 3G: UMTS: B1/2/4/5/6/8/19 2G: GSM: B2/3/5/8 |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブルなどが付属しています。
残念ながら充電器は今回から付属しなくなりました。純正の120W急速充電器は数千円しますし、これまでXiaomiスマホを買ったことがない人には痛手ですね…。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
ディスプレイ:見やすいフラット画面
Xiaomi 14T Proは6.67インチ FHD+ 2712 x 1220解像度のディスプレイを搭載しています。
フラットでベゼルが細くすっきりとしていて、端から端まで見やすいです。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大914nitに達しました。
日中の屋外でも十分見やすいです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは最大144Hz対応で、アプリ毎に上限を設定できます。
ただし144Hzを使えるのはごく一部のゲームのみで、通常は120Hzまでとなります。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは平均470Hz程度でした。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら大きめで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計43.9msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオなどで高画質なストリーミング再生ができます。
背面:メタリックで良し
背面はチタン風のデザインのガラスで、指紋汚れが比較的付きやすいもののあまり目立ちません。
メタリックな印象で格好良い…のですが、4つのカメラが左上に配置されたデザインがどうにも微妙なように思います。
重さは215gです。
Snapdragon 8 Gen 3・6100mAhバッテリー搭載のOnePlus Ace 3 Proが実測209.4gですし、5,000mAhバッテリーでこの重さというのはもう少し改善の余地があったのでは、と思います。
カメラ:綺麗に撮影可能、ズームはややブレる
Xiaomi 14T Proは
- 50MP(Light Fusion 900)
- 50MP(望遠)
- 12MP(超広角)
というトリプルカメラ構成です。
Xiaomi ProCutという自動トリミング機能や、距離と明るさに応じて望遠レンズに切り替わるアダプティブ望遠なども使えます。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
Leica バイブラントとLeica オーセンティックの2種類から撮影モードを選択でき、バイブラントでは比較的目で見た景色に近い色合いで若干彩度が高め、オーセンティックでは周辺減光で雰囲気ある写真撮影が可能となっています。
フラッグシップとも引けを取らないレベルです。
2X・2.6X・5Xズームのボタンが用意されており、ズームしても綺麗に撮影できます。
ただ2.6Xで使われる望遠カメラはOIS 光学式手ぶれ補正に対応していないため、やや手ぶれしやすいです。
夜景モードでは光源が少なくても明るめに撮影できます。
プロモードでのズームは26Xまでで、月面の撮影はできませんでした。
Xiaomi 14T Proの望遠レンズはあくまでも近くのものや人を撮るのがメインなため、遠くのものを綺麗に撮影したい、という用途には向いていません。
スピーカー:低音は弱め
Xiaomi 14T Proはステレオスピーカー搭載です。
上部にスピーカー穴があるタイプで、左右非対称です。
低音が弱く音量バーを半分ほどに上げないとしっかり聞こえにくく、ボーカルのほうが目立ちやすいです。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると35msでした。
上部に赤外線センサーがあります。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / aptX Adaptive / LDAC / LHDCに対応していました。
Xiaomi以外のLHDC対応イヤホンでも使えます。
ポート:120W有線&50W無線充電に対応
Xiaomi 14T ProはIP68防水防塵で、多少の水濡れは問題ありません。
120W急速充電対応で、ついに50Wワイヤレス充電対応になりました。
設定を見てもリバースワイヤレス充電の項目はないため、イヤホンなどをワイヤレス充電することはできません。
対応バンドは
- 5G SA: n1/2/3/5/7/8/12/20/25/26/28/38/40/41/48/66/75/77/78
- 5G NSA: n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/66/75/77/78
- 4G: LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/32/66
- 4G: LTE TDD: B38/39/40/41/42/48
- 3G: UMTS: B1/2/4/5/6/8/19
- 2G: GSM: B2/3/5/8
でY! mobileやSoftBank、LINEMO
VoLTE通話も可能で、nano SIM 2枚かnano SIM + eSIMのデュアルSIM構成で使えます。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
電源ボタンはギザギザとしたデザインになっていて、格好良いです。
性能:普段使いは8 Gen 2~8+ Gen 1レベル
Xiaomi 14T ProはMediaTek Dimensity 9300+を搭載しており、ゲームでは高めの性能を発揮しつつ発熱も抑えられており快適にプレイできます。
一方、普段使いにおいてはSnapdragon 8 Gen 2~8+ Gen 1と同じくらいの性能に制限されており、より省電力に振った調整になっています。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1351・マルチコア4519、通常版でシングルコア2136・マルチコア6991でした。
大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。
普段使いではSnapdragon 8 Gen 2~8+ Gen 1レベルの性能に抑えることでバッテリー消費を抑えているのでしょう。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
シングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア2980→2624で、温度上昇は28℃→42℃ (14℃上昇)でした。
こちらもSnapdragon 8 Gen 2~8+ Gen 1レベルの性能です。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア14494でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
CPDT Benchmarkで計測した結果では、ランダムリードが少し遅めな感じですが全体的にはそこそこの速度が出ています。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・ナタ (ムアラニでスキルを使って道なりに移動) でプレイしてScene 7で計測すると、平均47.5FPSで1FPSあたり117.47mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大42.7℃程度まで上昇し、7分ほどで45FPS以下に制限されました。
比較的省電力に抑えられています。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをパフォーマンスモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均41.4FPSでした。
こちらは原神ほどカッチリとしたサーマルスロットリングがされていないようで、徐々に制限されていき最大でバッテリー温度は47.4℃となりました。
フレーム部分が熱くなるものの、持てなくなるほどではありませんでした。
まとめ
- 省電力なMediaTek Dimensity 9300+
- 実測900~1500nitの明るいディスプレイ
- フラットで見やすくベゼルも細い
- 2.6X望遠カメラ搭載
- ワイヤレス充電対応5,000mAhバッテリー
- IP68防水防塵
- eSIM対応
- 5,000mAhバッテリーながら実測215gの重さ
- ゲーム性能は8 Gen 3などに少し負ける
Xiaomi 14T Proグローバル版は$789~で購入できます。