Lenovo Legion Y700 2025を購入しました。
高性能8.8インチタブレット
Lenovo Legion Tab Y700 2025は8.8インチタブレットでありながらもSnapdragon 8 Gen 3を搭載したハイエンドなタブレットです。
正式名称はLenovo Legion Tab Y700で、同名の旧モデルと区別する場合はLenovo Legion Tab Y700 2025またはLenovo Legion Tab Y700 Gen 3と呼ばれます。(2024年発表の製品ですがLegion Tab Y700 2024とLenovoが記載している例はありません)
このレビューは12GB+256GB版・TB321FU_CN_OPEN_USER_Q00040.0_U_ZUI_16.1.11.022_ST_241016で行っています。
コードネームは「Kirby」(カービィ) です。
- 高い性能のSnapdragon 8 Gen 3
- 最大890nitの8.8インチディスプレイ
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力対応
- バイパス充電に対応
- USB Type-Cポートを2つ搭載
- ADBコマンドで日本語化可能、BLUも可
- 消費電力が大きい
- microSDカード対応廃止、GPS非対応のまま
Lenovo Legion Tab Y700 2025 (TB-321FU) | |
---|---|
OS | Android 14 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 3 |
ディスプレイ | 8.8インチ 2560 x 1600 アスペクト比 16:10 165Hzリフレッシュレート LCD |
サイズ | 208.54 x 129.46 x 7.79 mm |
重さ | 347.4g |
リアカメラ | 13MP (GalaxyCore GC13A0) + 2MP (マクロ SmartSens SC202CS) |
フロントカメラ | 8MP (SmartSens SC820CS) |
バッテリー | 6,550mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.2 Gen 2 + USB 2.0) |
目次
説明書、充電ケーブル、充電器などが付属しています。
保護フィルムは貼り付けられていません。
充電器は最大で68.2Wの急速充電ができます。
ディスプレイ:ちょうどいい大きさ
Lenovo Legion Tab Y700 2025は8.8インチ 2560 x 1600解像度のディスプレイを搭載しています。
手で持ったときに誤操作しにくい程度のベゼルが残されているため、持ちやすいです。
素の状態だと反射するため、アンチグレアの保護フィルムを貼った方が快適に使えると思います。
アスペクト比は16:10のため、今時の縦長なスマホに慣れているとこぢんまりした印象を受けます。
マンガの見開き表示は問題なくでき、左右に余白ができます。
明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大891nitに達しました。
日中の屋外でも見やすくなっています。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは165Hz対応です。
ただしほとんどのアプリは120Hzまたは144Hzまでに制限されるため、165Hzを活かせる場面はかなり限られます。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは平均120Hz程度でした。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら大きめで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオなどで高画質なストリーミング再生ができます。
Lenovo Legion Tab Y700 2023とは異なり、Bootloader Unlockした後でもWidevine L1が維持されます。
背面:さらっとした手触り
背面はマット加工されており、指紋汚れなどが付きにくいです。
重さは347.4gです。
スピーカー:広がりの良いステレオ
Lenovo Legion Tab Y700 2025はステレオスピーカー搭載です。
左右対称で横持ちしたときに手の上側にスピーカーがくるため、手で覆われることなく広がりの良い音を鳴らしてくれます。
1~2段階目の音量はやや小さめなものの、音量レベルを上げればしっかり鳴ります。
Lenovo Legion Tab Y700 2023から引き続きデュアルUSB Type-Cポートを採用しています。
USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力や充電をしつつ側面のUSB 2.0ポートでUSB Type-Cイヤホンやハブを接続して使う、というような使い方ができるので便利です。
残念ながらmicroSDカードスロットは廃止されてしまいました。動画を保存して再生したい人は初めから大容量モデルを買うか、USB Type-CのmicroSDカードアダプターを買って付けるしかありません。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptive / LDACに対応していました。
底部にあるUSB 3.2 Gen 2ポートでは高速なデータ転送ができ、DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。
ゲームモードに追加したアプリではバイパス充電が可能で、バッテリーを充電することなく直接給電ができます。
バッテリー残量が80%になったら充電を止める設定もあるので、バッテリーに負荷を掛けることなく長持ちさせられます。
電源ボタンや音量ボタンは上部側面にあります。
初代にあったゲームモードを開くキーは搭載されていません。
性能:重いゲームも安定、ただし消費電力高め
Lenovo Legion Tab Y700 2025はSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、8インチタブレットとして世界最高の性能を誇っています。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア2239・マルチコア6922、通常版でシングルコア2201・マルチコア6852でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
シングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア5092→3642でした。
放熱に自信があるためか、バッテリー温度が47℃になってもあまり性能が制限されず、安定度は71.5%となりました。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア13894でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
CPDT Benchmarkで計測した結果では、ランダムリード・ランダムライトが共にトップクラスの速度です。
ランダム性能はゲームの読み込み速度に影響するため、特に力を入れてチューニングしているのでしょう。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・ナタ (ムアラニでスキルを使って道なりに移動) でプレイしてScene 8で計測すると、平均59.7FPSで1FPSあたり152.09mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大41.1℃程度まで上昇しました。
ほぼ60FPS貼り付きでスムーズな動作なのは素晴らしいものの、9Wと消費電力が大きすぎるためバッテリー消費が激しく、長時間プレイするには充電が必須です。
バイパス充電ができるためそれを前提とした調整をしているのだと思いますが、他社スマホのようにもう少しパワーを抑えつつ高FPSを維持しやすいモードが欲しいです。
夜間のスタンバイではバッテリー消費は1~2%程度だったので、ゲーム中のみ消費が激しいようです。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをパフォーマンスモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均55.8FPSでした。
こちらはバッテリー温度が44.5℃になり、消費電力はなんと10.86Wに達しました。
電力効率が悪い上に原神と違ってFPSがあまり安定していないため、GPUのチューニングも今後改善してもらいたいですね。
OS:日本語化可能
初期設定では日本語を選べないものの、設定のZUIバージョンのところを7回連打してDeveloper optionsを出してUSB debuggingを有効にした上でPCでadb shell settings put system system_locales ja-JP
を実行して再起動することで日本語設定にできます。
設定や他のアプリを含め、ほぼすべてがちゃんとした日本語になります。
Y700 2023の一部バージョンではja-JPzhzhで設定しないとダメでAmazonプライムビデオなどが開けなくなっていましたが、Y700 2025では問題なく開けます。
また、APKMirrorなどでPlayストアのAPKをダウンロードしてインストールしたあと、設定→アプリでGoogle Basic Servicesを有効化するとPlayストアを使えます。
本来はLenovoに申請しないとsn.imgを用意できませんがこちらのURLからsn.imgをダウンロードし、バイナリエディタで00000800にあるHA1K6R59を自分のY700 2025の背面シールに書かれているシリアルNo.に書き換えて保存すれば申請せずともsn.imgを用意できます。
まとめ
- 高い性能のSnapdragon 8 Gen 3
- 最大890nitの8.8インチディスプレイ
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力対応
- バイパス充電に対応
- USB Type-Cポートを2つ搭載
- ADBコマンドで日本語化可能、BLUも可
- 消費電力が大きい
- microSDカード対応廃止、GPS非対応のまま
8.8インチタブレットとして世界最高の性能を持っており、原神や崩壊:スターレイルといったCPU・GPU負荷が高めなゲームも快適にプレイできます。
ただ今のバージョンでは消費電力が高めなため、画質を落としてバランスモードにするか、バイパス充電しながらプレイしないとバッテリーがすぐ尽きてしまいます。
Y700 2023と違って日本語化が簡単でBootloader Unlockもでき自由度が高いため、もしグローバル版ROMを焼けないとしてもそこまで影響はありません。
中国では2899CNY (税込 約6.2万円)~で購入できます。
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