Lenovo Legion Tab (8.8”, 3)を貸し出していただきました。
高性能な8.8インチタブレット
Lenovo Legion Tab (8.8”, 3)はSnapdragon 8 Gen 3を搭載したハイエンドな8.8インチタブレットです。
このレビューは12GB+256GB版・16.1.10.059バージョンで行っています。
- 高い性能のSnapdragon 8 Gen 3
- 8.8インチディスプレイ
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力対応
- バイパス充電に対応
- USB Type-Cポートを2つ搭載
- 消費電力がやや大きめ
- microSDカード対応なし、GPS非対応
Lenovo Legion Tab (8.8”, 3) (TB-321FU / ZAEF0052JP) | |
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OS | Android 14 |
RAM | 12GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB UFS 4.0 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 3 |
ディスプレイ | 8.8インチ 2560 x 1600 アスペクト比 16:10 165Hzリフレッシュレート LCD |
サイズ | 208.5 x 129.5 x 7.8mm |
重さ | 実測351.3g |
リアカメラ | 13MP + 2MP (マクロ) |
フロントカメラ | 8MP |
バッテリー | 6,550mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.2 Gen 2 + USB 2.0) |
説明書、充電ケーブル、充電器などが付属しています。
保護フィルムは貼り付けられていません。
ディスプレイ:ちょうどいい大きさ
Lenovo Legion Tab (8.8”, 3)は8.8インチ 2560 x 1600解像度のディスプレイを搭載しています。
手で持ったときに誤操作しにくい程度のベゼルが残されているため、持ちやすいです。
アスペクト比は16:10でマンガの見開き表示などが問題なくでき、左右に少し余白ができます。
なおゲームアシスタントでゲームとしてアプリを登録すれば、「ゲーミングビュー」でどんなアプリでもアスペクト比18:9や21:9で表示させられます。
ワイドな表示になるので、横方向の視野が広い方が有利になるゲームなどで役立ちます。
明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大792nitに達しました。
ディスプレイ→その他の表示設定→明るさの改善をオンにしたときだけ高輝度モードになります。
LCDでありつつも高めの輝度になるので、日中の屋外でも十分見やすいです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは165Hz対応で、内部的には30・60・90・120・144・165Hzを利用できます。
大抵は120や144Hz止まりなものの開発者向けオプションで165Hzを有効化するアプリを選べるため、対応ゲーム以外でも滑らかさを高めたい場合は自分好みに設定できます。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは165Hzリフレッシュレート時で平均165Hz程度でした。
ゲーミングタブレットとしては少し物足りません。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら大きめで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計47.4msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオなどで高画質なストリーミング再生ができます。
背面:さらっとした手触り
背面はマット加工されており、さらっとしています。
指紋汚れはくっきりとは付きにくいものの、跡が見えることがあります。
重さは351.3gです。
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スピーカー:広がりの良いステレオ
Lenovo Legion Tab (8.8”, 3)はステレオスピーカー搭載です。
左右対称で横持ちしたときに手の上側にスピーカーがくるため、手で覆われることなく広がりの良い音を鳴らしてくれます。
低音もしっかり聞こえます。
Dolby Atmos対応です。
ムービーや音楽向けのモードに変更でき、スピーカー時はオフにできません。
USB 3.2 Gen 2 + USB 2.0のデュアルUSB Type-Cポートを採用。
USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力や充電をしつつ側面のUSB 2.0ポートでUSB Type-Cイヤホンやハブを接続して使う、というような使い方ができるので便利です。
残念ながらmicroSDカードスロットはなく256GBストレージ版しか販売されていないため、容量が足りない場合はクラウドストレージなどを活用するしかありません。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptive / LDACに対応していました。
バッテリー容量は6550mAhで、68W急速充電に対応しています。
ゲームモードに追加したアプリではメニューからバイパス充電を有効にでき、バッテリーを充電することなく直接給電できます。
ゲーム以外でもバッテリー残量が指定した数値になったらバイパス充電に切り替える設定があるので、バッテリーに負荷を掛けることなく長持ちさせられます。
他にもバッテリー寿命を延ばすための「充電保護」と「最大充電量制限」の2つが用意されています。
「最大充電量制限」をオンにすれば基本的には80%までに制限されるため、バッテリーへの負荷を減らせます。
デュアルセルバッテリー搭載で、セルごとの状態も表示してくれます。
電源ボタンや音量ボタンは上部側面にあります。
指紋認証はなく、顔認証のみです。
近接センサーやジャイロスコープなども搭載しています。
GPSさえあればPokemon GOのような位置情報ゲームもプレイしやすかったのですが、残念ながらGPS非対応です。
一応USB GPSレシーバーを使う手があるものの、ゲームだと位置情報偽装を疑われて使えないケースが多いです。
性能:重いゲームも安定
Lenovo Legion Tab (8.8”, 3)はSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、8インチタブレットとして世界最高の性能を誇っています。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア2257・マルチコア6925、通常版でシングルコア2255・マルチコア6921でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
シングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア3683→3587でした。
安定度はかなり高いものの、Snapdragon 8 Gen 3としては控えめな数値です。
特定のゲーム以外では性能を抑える調整になっているようです。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア14682でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
CPDT Benchmarkで計測した結果では、ランダムリード・ランダムライトが共にトップクラスの速度です。
ランダム性能はゲームの読み込み速度に影響するため、特に力を入れてチューニングしているのだと思います。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・ナタ (ムアラニでスキルを使って道なりに移動) でプレイしてScene 8で計測すると、30分平均59.3FPSで1FPSあたり166.78mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大38.1℃程度まで上昇しました。
安定しているのはいいものの消費電力が高いため、長時間プレイする場合はバイパス充電するかバランスモードにしてパフォーマンスを落とす必要があります。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをパフォーマンスモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均53FPSでした。
こちらはバッテリー温度が45.1℃になり、消費電力は11.68Wに達しました。
原神プレイ時よりも発熱するのが早く消費電力も大きいため、少し画質を落とした方が安定してプレイしやすそうです。
ゲームモードはシンプルで、FPS値などを確認できるフローティングディスプレイやバイパス充電などを有効化できます。
マウスやキーボードなどを接続し、画面のどこを押したことにするか自分でマッピングする機能があるため、どんなゲームでもコントローラー対応させられます。
便利機能を搭載
Lenovo Legion Tab (8.8”, 3)はPCモードを利用でき、複数のアプリをウインドウ表示して使えます。
タスクバーもWindowsっぽい表示になり、マルチタスクがやりやすくなります。
アプリを切り替えやすくするタスクバーはPCモード以外でも表示できます。
ナビバーについてはジェスチャーと3ボタンを選択でき、かこって検索も問題なく利用できます。
まとめ
- 高い性能のSnapdragon 8 Gen 3
- 8.8インチディスプレイ
- USB 3.2 Gen 2ポートで映像出力対応
- バイパス充電に対応
- USB Type-Cポートを2つ搭載
- 消費電力がやや大きめ
- microSDカード対応なし、GPS非対応
8.8インチタブレットとして世界最高の性能を持っており、原神や崩壊:スターレイルといったCPU・GPU負荷が高めなゲームも快適にプレイできます。
ただし消費電力が大きめなので、長時間プレイする際はバイパス充電で残量を気にせずプレイできるようにしたほうが良さそうです。
ビルドクオリティや機能性は格安タブレットとは比べものにならないほどよく、3回のOSアップグレード予定やバッテリー保護機能もあって長く使えると思います。
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