vivo X200 Proを購入しました。
バッテリーやディスプレイが進化
vivo X200 ProはMediaTek Dimensity 9400を搭載しています。
バッテリーはなんと6,000mAh容量へと進化しており、省電力なDimensity 9400と相まってバッテリーが長持ちします。
ZEISSコラボのカメラを搭載し、200MPペリスコープ望遠レンズではテレマクロ、遠景、夜景も綺麗に撮影できます。
ディスプレイもエッジが小さくなって端の部分の見やすさが改善され、全白で1770nitとさらに明るくなるなどvivo X100 Ultraから全体的にアップグレードされています。
このレビューは12GB+256GB版・PD2405_A_15.0.16.8.W10.V000L1で行っています。
- 高い性能と省電力を両立したMediaTek Dimensity 9400
- 1770nitの明るいディスプレイ
- ZEISSコラボ、2億画素望遠カメラ搭載
- ワイヤレス充電対応6,000mAhバッテリー
- 前モデルからスピーカー位置が改善
- USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
- 高速な超音波式指紋認証
- IP69 & IP68防水防塵
- スペックを考えると妥当だが重い
- 逆光で撮影したい人にとってはフレアが問題
- 8 Eliteに性能面では負ける
vivo X200 Pro (V2405A / PD2405) | |
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OS | Android 15 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0 |
SoC | MediaTek Dimensity 9400 |
ディスプレイ | 6.78インチ 2800 × 1260 アスペクト比 20:9 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 162.36 × 75.95 × 8.49mm |
重さ | 228g (実測230.6g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
リアカメラ | 50MP (OIS / Sony LYT-818 IMX06C) + 50MP (超広角 Samsung S5KJN1) + 200MP (OIS / 望遠 Samsung S5KHP9) |
フロントカメラ | 32MP (Samsung S5KKD1) |
バッテリー | 6,000mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.2 Gen 1) |
バンド | 2G GSM: 850/900/1800/1900MHz; 3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19; 4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41; 4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B20/B26/B28A/B66; 5G: n1/n3/n5/n8/n28A/n38/n40/n41/n77/n78/n79 |
目次
説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
ディスプレイ:屋外でも見やすい
vivo X200 Proは6.78インチ2800 × 1260解像度のディスプレイを搭載しています。
急カーブだったvivo X100 Ultraのエッジディスプレイとは異なり、端の1~2mm程度が若干曲面になっている程度に抑えられています。
「高級感を出せてジェスチャー操作しやすいが、端が反射して見にくい」エッジディスプレイと「端まで見やすいが野暮ったい感じになりやすく、ジェスチャー操作で引っかかりやすい」完全フラットディスプレイのちょうど中間になっていてとても良いと思います。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1770nitに達しました。
日中の屋外でもかなり見やすいです。
周囲の明るさによって段階的に明るさの上限が引き上げられ、通常の屋内だと700nit、曇り気味の屋外だと1090nit、日差しが強い屋外では1770nitとなっていました。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートは120Hz対応です。
ゲームモードにてタッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは平均300Hz程度でした。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら大きめで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオなどで高画質なストリーミング再生ができます。
超音波式の画面内指紋認証センサーを搭載しており、認証は高精度です。
アンチグレアの保護フィルムを貼っていても問題なく認証できる一方、保護ガラスを付けてみると認証・登録できなくなったので、保護ガラスを使いたい場合は相性問題に気をつけないといけません。
日本語にはしっかり対応しており、設定→ディスプレイと明るさ→フォントスタイルで経典字体を選べば日本語フォントになります。
残念ながらロケーション履歴やAndroid Autoが使えるようになるアップデートはvivo X100 Proから引き継がれず、使えないままでした。
背面:光沢あり
背面は光沢があり、指紋汚れなどが付きやすいです。
光の反射で模様が浮かび上がり、光が強いと派手な印象になります。
光の反射がないと模様が出ず、濃いブルーになります。
重さは230.6gです。
5,500mAhバッテリーで232gだったvivo X100 Ultraよりバッテリー容量が増えたのに同程度の重さに収まっているのは凄いものの、やはり重たいです。
カメラ:高いズーム性能
vivo X200 Proは
- 50MP (OIS / Sony LYT-818 IMX06C)
- 50MP (超広角 Samsung S5KJN1)
- 200MP (OIS / 望遠 Samsung S5KHP9)
というトリプルカメラ構成です。
ZEISS T*コーティングがされており、カメラがない空き部分には「200MP」かなり薄く書かれています。何も書かなくて良いのに…。
フラッシュライトはデュアルだったvivo X100 Ultraとは異なり、シングルに削減されているようです。
とはいっても写真撮影でフラッシュライトを使うことは少ないと思いますし、豆粒ライトなので一つでも二つでもそこまで明るさは変わりません。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
中国では強い光源のとき一部の角度で大きなフレアが出やすい、と問題にしている人がいますが、現実的な撮影シーンではフレアが出ることは少なく、出たとしても逆光などvivo X200 Pro以外のスマホでもフレアが出るようなシーンでした。
X100シリーズでは起きないなどと主張している人もいるものの、大小の差はあれどX100シリーズを含め他のスマホでも普通に起きる問題です。
大口径になるほどフレアが目立ちやすくなるため、ある程度仕方が無いものだと割り切るしかないでしょう。(そもそもの話、カメラを太陽がある方向にあまり向けないほうが良いとは思います…)
200MPペリスコープ望遠とvivo V3+チップでの処理が相まって10倍ズーム (230mm) などでも綺麗な撮影ができ、テレマクロ撮影で細部をはっきり撮ることもできます。
ズームは最大で100倍 (2300mm) まで可能です。
AI生成も併用しているのだとは思いますが、100倍ズームでも全体的に破綻していないのは凄いです。
夜景モードやパノラマ、建築物の遠近法補正、ミニチュア、星空ポートレートといった機能は「風景」モードにひとまとめにされました。
風景モードで撮影すると自動的に周囲に合わせて夜景用に調整されます。
肉眼よりも明るく撮影できます。
スピーカー:音量アップ
vivo X200 Proはステレオスピーカー搭載で、通話用と兼用タイプなので左右非対称です。
ボーカル・中低音が特に明瞭に聞こえやすいです。
上部側面の穴はスピーカーではなく赤外線ポートです。
vivo X100 Ultraでは横持ちしたときに上部側面にあるスピーカー穴がちょうど手のひらで覆われてしまい、音量が落ちてしまっていました。
vivo X200 Proでは前面の手で覆われない位置に移動したこともあり、ゲーム中でもしっかりとした音量で鳴らしてくれます。
ステレオ感を増すには側面にスピーカーがあったほうが良いものの、それで聞こえにくくなっては元も子もないのでX200 Proの配置のほうが良いです。
ベースの音量も上がっているようで、X100 Ultraの音量5段階目がX200 Proの4段階目相当ぐらいになっています。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / LDAC / LHDC V5に対応していました。
LHDC V5対応イヤホンであれば、メーカー制限をされることなく使えます。
ポート:6,000mAhバッテリーを搭載
vivo X200 ProはIP68 + IP69防水防塵で、多少の水濡れは問題ありません。
バッテリーは6,000mAhとかなりの大容量で90W急速充電に対応しており、30Wワイヤレス充電も可能です。
USB 3.2 Gen 1ポートで高速なデータ転送ができ、DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。(Android 15から挙動に変更があり、接続時にすぐ出力するのではなく、まずミラーリングするかどうか聞かれます)
対応バンドは
- 2G GSM: 850/900/1800/1900MHz
- 3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19
- 4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41
- 4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B20/B26/B28A/B66
- 5G: n1/n3/n5/n8/n28A/n38/n40/n41/n77/n78/n79
でY! mobileやSoftBank、LINEMO
VoLTE通話も可能です。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
性能:8 Gen 3を超える性能で省電力
vivo X200 Proが搭載しているMediaTek Dimensity 9400はSnapdragon 8 Gen 3を少し上回る程度の性能で、省電力です。
さすがにSnapdragon 8 Eliteには負けてしまいますが、そのときの最高性能を追い求める人以外には十分でしょう。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア2605・マルチコア7548、通常版でシングルコア2675・マルチコア8163でした。
何度か計測しても通常版のほうがマルチコアが若干高くなる傾向のため、パッケージ名判定での小さな性能制御を行っているのかもしれません。
Snapdragon 8 EliteのOnePlus 13では通常版でシングルコア3125・マルチコア9460なのでワンランク下です。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
シングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア6147→3409で、バッテリー温度は43℃まで上昇しました。
ピーク性能はSnapdragon 8 Gen 3を超える一方、温度制御が掛かった後のスコアは8 Gen 3の上位陣と同程度です。
Snapdragon 8 EliteのOnePlus 13ではスコア6790→4203でバッテリー温度は46℃だったので、GPU性能も負けています。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア14920でした。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
8000以上あれば十分です。
UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。
CPDT Benchmarkで計測した結果では、ランダムライトとメモリコピー速度が特に速いようでした。
バックグラウンド動作を許可するよう設定しておけば一日以上経ってもアプリがメモリに残り続けますし、すぐタスクキルしたがるXiaomiなどと違って使いやすいです。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神を最高画質・60FPS設定・ナタ (ムアラニでスキルを使って道なりに移動) でプレイしてScene 8で計測すると、平均59.3FPSで1FPSあたり69.14mWの消費電力でした。
ほぼ60FPS貼り付きでありながらも消費電力をかなり抑えられているので、素晴らしいです。
バッテリー温度は最大37℃程度まで上昇しました。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルをパフォーマンスモード・最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均58.9FPSでした。
CPUに比べるとGPUは消費電力が高めなようですが、それでもSnapdragon 8 Gen 3搭載機の上位陣と並ぶほどです。
安定度が高く、カクツキが起きにくいので快適なプレイができます。
一つ目のコマンドでパッケージ名を指定しているので、好きなゲームに変えて使ってください。
gpid=`pidof -s com.miHoYo.GenshinImpact`
settings put system gamecube_frame_interpolation 1:3:$gpid:45:90
settings put global game_memc_request_touch_rate 180
まとめ
- 高い性能と省電力を両立したMediaTek Dimensity 9400
- 1770nitの明るいディスプレイ
- ZEISSコラボ、2億画素望遠カメラ搭載
- ワイヤレス充電対応6,000mAhバッテリー
- 前モデルからスピーカー位置が改善
- USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
- 高速な超音波式指紋認証
- IP69 & IP68防水防塵
- スペックを考えると妥当だが重い
- 逆光で撮影したい人にとってはフレアが問題
- 8 Eliteに性能面では負ける
vivo X100 Ultraからのアップグレード箇所は地味なものの、高性能かつ省電力なDimensity 9400、明るく平たくなったディスプレイ、6,000mAhの大容量バッテリー、音量が大きくなったスピーカーなど普段使いに響くものが多いです。
カメラ性能も高く、二億画素ペリスコープ望遠のおかげでテレマクロも遠景撮影も綺麗にできます。
高いゲーム性能とカメラ性能を両立したい方におすすめです。
vivo X200 Proは5299CNY (税込 約11.8万円)~で購入できます。
少し小型になってカメラ周りなどがスペックダウンしているvivo X200 Pro Miniは4699CNY (税込 約10.5万円)~で購入できます。