TABWEE T90のメモリ容量が本当に公称どおりなのか、偽装スペックチェッカーで確認しました。
公称8GBのRAMは実際3GB
TABWEE T90はAmazonで販売されている11インチでUNISOC T615搭載のAndroid 16タブレットです。
商品ページでは8GBのRAMに最大16GBの拡張メモリを加えた「24GB」とうたっています。
しかし実際に【TABWEE 公式直営店】から購入して調べてみると、使える物理RAMは3GBのみでした。
偽装スペックチェッカーで検証
検証のため、偽装スペックチェッカーを作りました。
設定アプリの表示やbuild.propが書き換えられていても、カーネルの値や実測値と突き合わせて矛盾を探します。
RAM実測テストでは別プロセスでメモリにランダムデータを書き込み、物理RAMが埋まるまで確保して実際の容量を推定。
ストレージも空き容量にデータを書き込んで読み戻す、H2testwやF3と同じ方式で検証できます。
Shizukuと連携すれば、shell権限でしか読めない情報も確認できます。
アプリはGitHubで公開しており、Android 7.0以上で利用できます。

カーネル上のRAMは2.79GB
チェックを実行すると、上記の画像のようにLinuxカーネルが報告する物理RAM(/proc/meminfoのMemTotal)は2.79GBでした。
MemTotalは公称値より数%少なく出るのが普通なので、3GB相当の物理RAMということになります。
さらにRAM実測テストで確保して書き込めた量から推定した物理RAMは2.89GB。
正常に使える物理RAMは約3GBだという結果です。
宣伝通りの8GBは使えないことを示しているため、商品ページ(魚拓はこちら)の「8GBのRAM」とは大きく食い違っています。

設定アプリの表示を水増し
一方で、Android APIが返す物理RAMは7.48GBでした。
カーネルの値と約2.7倍もの差があり、Android APIの値を読む設定アプリなどでは8GBのRAMを搭載しているように見えます。
Shizuku連携でdumpsys meminfoを確認すると、システムサービスが認識する総RAMは5.57GB。
カーネル(2.79GB)とAndroid API(7.48GB)とシステムサービス(5.57GB)で、すべて値が異なります。
これはAndroidのフレームワークを改造してRAM容量を水増しした典型的な痕跡です。

改造箇所を詳しく解説すると、まずframework.jarにあるandroid/app/ActivityManager$MemoryInfo.writeToParcel() が改変されており、dest.writeLong((this.totalMem * 8) / 3);のように値がプロセス間通信でアプリへ渡るときに8/3倍(2.67倍)されています。(→2.79 x 2.67 = 7.45でAndroid APIの値の元)
さらにlibandroid_runtime.soではandroid_os_Debug_getMemInfo でMemTotalとMemFreeをコピーする部分が lsl x8, x8, #1(1ビット左シフト=2倍)に変えられています。(→2.79 x 2 = 5.58でシステムサービスの値の元)
ブートローダーでもro.boot.ddr_size=8192Mでプロパティが8GBに書き換えられています。

T90の場合ストレージ128GBは本物
ストレージは空き容量107.68GBのうち107.18GBに書き込み、すべて正しく読み戻せました。
破損データはなく、容量の偽装はありません。
ただ、TABWEEの他機種ではストレージ容量まで偽装されていたという情報もあります。

TABWEEの見解は?
TABWEEはBlackviewを抱えるDOKE COMMUNICATION傘下のブランドのためBlackview・OSCAL営業担当者に確認したところ、「技術担当部門に確認が必要」との2026/10/26の返答を最後に記事公開時点(2026/10/29)まで返信がありません。
今後回答があれば追記します。
なお、Amazonにも報告済みで担当部署に上申し報告するとのことでした。

まとめ
TABWEE T90は公称RAM 8GBですが、実際に使える物理RAMは約3GBでした。
Android APIやシステムサービスの値が水増しされており、設定アプリの表示だけでは見抜けません。
システム上は8GBあると判断してメモリを使おうとするものの実際は3GBしかないので、空きメモリが0.2GBなどカツカツになってしまい、アプリを切り替えたときの再読み込みが増えます。
格安タブレットを手に入れたら、偽装スペックチェッカーで実際のスペックを確かめるのがおすすめです。
リスクの割にメリットが小さい容量偽装をするメーカーは、今どき少数派だとは思いますが…。
ちなみにレビュー依頼で本体が手元にあったので他社のTECLAST M60もテストしてみたところ、メモリ・ストレージともに容量偽装していませんでした。
SoCはT7250(T615のリネーム)で同じような価格帯だというのに、実RAMは3GBと6GBで倍違います。

