REDMAGIC 9S Proレビュー。日本最速の高クロック版8 Gen 3搭載の全画面ゲーミングスマホ

REDMAGIC 9S Pro

日本版の発売に先駆け、REDMAGIC 9S Proを貸し出していただきました。

フラットでガタガタしない最強ゲーミングスマホ

REDMAGIC 9S Proは日本初となるSnapdragon 8 Gen 3 LEADING VERSIONを搭載しており、通常版と違ってCPU周波数が最大3.4GHzに、GPU周波数は最大1GHzとなっています。

画面内カメラ搭載で画面表示を邪魔するパンチホールなどは一切なく、背面カメラの出っ張りもないので机に置いてもガタガタしません。

充電分離 (バイパス充電) やショルダートリガー、AIトリガーといったゲームプレイを便利にする機能も備えています。

このレビューは12GB+256GB版・REDMAGICOS9.5.5_NX769Sで行っています。

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  • 高クロック版Snapdragon 8 Gen 3で高い性能
  • 実測1000nitの明るいディスプレイ
  • 大容量6,500mAhバッテリー
  • バイパス充電に対応
  • パンチホールなしのフラットディスプレイ
  • 背面カメラの出っ張りなし
  • ゲーム機能が盛りだくさん
  • USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
  • スペックを考えると妥当だが重い
  • 一部ゲームで熱制御が効いていない
  • 設定の一部が未翻訳
REDMAGIC 9S Pro
OS Android 14
RAM 12GB / 16GB LPDDR5X
ストレージ 256GB / 512GB UFS 4.0
SoC Snapdragon 8 Gen 3 LEADING VERSION
ディスプレイ 6.8インチ
FHD+ 2480 x 1116
アスペクト比 20:9
120Hzリフレッシュレート
AMOLED
サイズ 163.98 × 76.35 × 8.9mm
重さ 229g (実測233.1g)
SIM nano SIM + nano SIM
リアカメラ 50MP (OIS / Samsung S5KGN5SP03)
+ 50MP (超広角 Samsung S5KJN1SQ03)
+ 2MP (マクロ GalaxyCore GC02M1)
フロントカメラ 16MP (OMNIVISION OV16A)
バッテリー 6,500mAh
USB端子 USB Type-C (USB 3.2 Gen 1)

REDMAGIC 9S Pro

説明書、保護ケースや充電ケーブル、充電器などが付属しています。

保護ケースは側面が一切保護されておらず、ハードタイプです。

保護フィルムは最初から貼り付けられています。

付属品

充電器は80W急速充電ができます。

レビュー機では北米版の付属品が使用されていますが、日本版ではPSEマークがある日本版になっています。

充電器

ディスプレイ:穴なしで見やすい

REDMAGIC 9S ProはFHD+ 2480 x 1116解像度のディスプレイを搭載しています。

フラットで角丸も最小限になっており、パンチホール・ノッチがないのでかなり見やすいです。

ディスプレイ

画面内カメラを採用しており、白い背景のときや画面を明るくしたときぐらいしかインカメラが見えません。

インカメラの画質は落ちて白っぽくなってしまうものの、顔認証やeKYC 本人確認に使える程度ではあるので十分でしょう。

他のゲーミングスマホメーカーが妥協してパンチホールを採用してしまう中、ゲームを最優先にした設計を貫くのは素晴らしいと思います。

カメラ

明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1025nitに達しました。

日中の屋外でも見やすいです。

明るさ

nitとは?

明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。

屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。

ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。

リフレッシュレートは120Hz対応です。

960Hzタッチサンプリングレートを有効化した状態にしてTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは平均860Hz程度でした。

Touch Sample Rate Test

WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は12ms、画面描画遅延は28.3msで合計40.3msでした。

WALT

タッチ遅延とは?

画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。

この数値が小さいほど、素早く反応するということです。

ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。

Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。

DRM

背面:ほぼ出っ張りなし

背面は写真だとわかりにくいですが斜めの線が入ったデザインで、指紋汚れなどが付きにくいです。

ゲーミングスマホとしてはおとなしめのデザインで、普段使いしやすいと思います。

背面

背面のカメラは出っ張っておらず、フラッシュライトが若干出ている程度です。

机の上に置いた時にガタガタすることがないため、音ゲーなどをプレイするときに操作しやすくなります。

出っ張り

重さは233.1gで、重たいです…。

重さ

カメラ:十分な画質

REDMAGIC 9S Proは

  • 50MP (OIS / Samsung S5KGN5SP03)
  • 50MP (超広角 Samsung S5KJN1SQ03)
  • 2MP (マクロ GalaxyCore GC02M1)

というトリプルカメラ構成です。

手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。

写真

彩度が高めになりやすい傾向です。

ややフォーカスが合いにくいものの、普段使いには十分だと思います。

写真

暗めの場所でもそれなりに綺麗に撮影できます。

夕焼け

スピーカー:低音が弱め

REDMAGIC 9S Proはステレオスピーカー搭載です。

上部にスピーカー穴があるタイプで、左右非対称です。

低音が軽く、ボーカルのほうが目立ちます。

イヤホンジャックがあるため、音質を求めるならイヤホンを付けたほうが良いと思います。

スピーカー

WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると22.7msでした。

WALT

Snapdragon SoundとDTS:X Ultraに対応しています。

DTSサウンドはスピーカー時でもオフにできます。

WALTで計測する限りではとくに遅延には大きく影響しないようでした。

DTS

Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / aptX TWS+ / aptX Adaptive / LDACに対応していました。

Bluetooth

ポート:80W急速充電に対応

REDMAGIC 9S Proは6500mAhの大容量バッテリーを搭載し、80W急速充電に対応しています。

USB 3.2 Gen 1で高速なデータ転送ができ、DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。

USB Type-C

電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。

冷却ファンがある都合で一般的なスマホよりも下側にボタンが配置されているため、慣れるまでは押し間違えやすいと思います。

左右の端にあるのはショルダートリガーで、あらかじめ設定しておくことでゲーム中に画面をタッチすることなく操作できるようになります。

ボタン放熱ファンはゲーム中だけでなく、充電時の発熱を処理するために動かすようなこともできます。

冷却ファンファンが動いているときはこのように光らせることもできます。

ゲーム中には9Sの文字も光らせられます。

光る

性能:原神60FPS貼り付き

REDMAGIC 9S ProはSnapdragon 8 Gen 3 LEADING VERSIONを搭載しており、通常版よりも高クロックになっています。

 

Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア2279・マルチコア5967、通常版でシングルコア2286・マルチコア7045でした。

特にマルチコアで大きな差が出ているため、パッケージ名判定での性能制御を行っているようです。

Geekbench

パッケージ名偽装の必要性

AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。

通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。

メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。

そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。

こちらの記事で詳しく解説しています。

Geekbenchのスコアとは?

背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。

普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。

2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。

ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。

パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア5007→3487で、温度上昇は27℃→40℃ (13℃上昇)でした。

3DMark

3DMarkのスコアとは?

Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。

スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。

あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。

Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。

ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア13144でした。

PCMark

PCMarkのスコアとは?

ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。

高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。

2024年現在は8000以上あれば十分です。

UFS 4.0ストレージ、LPDDR5Xメモリを搭載しています。

CPDT Benchmarkで計測した結果では、特にリード性能がかなり高いようでした。

ゲームでは読み込み速度が速いほうがロード時間短縮などで役立つので、意図的にチューニングしているのだと思います。

CPDT

ストレージ性能とは?

シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。

ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。

CPUの使用率が高い原神をライズモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 7で計測すると、平均60.3FPSで1FPSあたり115.92mWの消費電力でした。

バッテリー温度は最大43.9℃程度まで上昇しました。

冷却ファンが動いていても43℃超えで熱いものの、ほぼ60FPS貼り付きでプレイできるとは驚きです。

あくまでも最高画質での計測なので、画質設定を少し落とせば発熱は抑えられると思います。

原神

電力効率と平均FPSとは?

1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。

電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。

ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。

 

平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。

(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)

REDMAGIC 9S Proのゲームモードにはバランス・ライズ・ビヨンド・ディアブロの4段階のモードがあり、順に性能重視の調整になっていきディアブロではCPU・GPUクロックが最大値固定となります。

ディアブロモードは外付け冷却ファン必須級なので素の状態で使える最高モードであるビヨンドモードを使い、GPUの使用率が高い崩壊:スターレイルを最高画質・ピノコニー「黄金の刻」で黄泉の秘技を連打して15分プレイすると平均58.1FPS、消費電力はなんと平均11.35Wでした。

ピノコニーと黄泉の秘技の合わせ技でかなりの負荷がかかるというのにかなりの高フレームレートを維持しており、バッテリー温度は48℃に達していて手で持てないほどでした。

HSR

…いや、さすがにおかしくないか…?ということでビヨンドモードではなく下位のライズモードで計測し直しましたが、やはり消費電力は平均11W。

平均FPSは55.8に若干落ちた一方、バッテリー温度は50℃にまで上昇しました。

手で持てず、画面に触り続けると火傷しそうなほどの熱さでした。

バランスモードにすると6~7Wの正常値になるため、ライズとビヨンドモード時の熱制御に何か不具合があるのではないかと思います。

この問題はREDMAGICへ報告済みで、今後のアップデートで修正されるものと思われます。

ライズ

OS:バイパス充電などゲーム向け機能が多数

ゲームに役立つ機能がいくつも搭載されており、中でも「充電分離 (バイパス充電)」は特にゲーマーには嬉しい機能でしょう。

バッテリーを充電することなく直接電力を供給できるため、バッテリー寿命への影響を減らしつつ充電残量を気にすることなくプレイし続けられます。

充電分離

充電分離はゲーム以外でも有効化できます。

自然放電していって一定値を下回ったら普通に充電させる、という設定もできます。

機能とは関係無いですが下の画像にあるように設定が一部英語のままになっている箇所がいくつかあるので、日本で発売するからには日本語翻訳を徹底してもらいたいところです。

充電分離

ショルダートリガー (タッチボタン) の設定ではL・Rそれぞれに画面の操作を割り当てられます。

単押しや長押し、マクロなどを設定でき、指の操作では難しいことも画面を触ることなく一発でできるようになります。

ショルダートリガー

画面の一部を選択して、別の場所に表示させる機能もあります。

例えば崩壊:スターレイルだと「敵の行動に合わせてカウンターしたいけど、左端の行動順を見てから必殺技ボタンを押すのは視点移動が大変だ…」というようなときに必殺技ボタンの横に行動順を表示させて見やすくできます。

ショルダートリガーと合わせればボタン操作も一発でできますし、かなり楽になります。

画面

AIトリガーでは画像や色を学習させて、画面内にそれが出てきたときに自動でアクションを起こさせることができます。

ただうまいこと汎用的に認識させるのが大変で、原神のアイテム自動収集をやろうとしましたがうまく行きませんでした。

REDMAGIC公式で設定マニュアルを用意してくれれば良いのですが…。

AIトリガー

Zスマートキャストを使えばワイヤレスや有線でモニターに映像を映せます。

HDMI/DPプロジェクションの設定では解像度とリフレッシュレートの設定ができます。

一般的なスマホだと4Kモニターに接続したとき大抵は最大解像度で出力することを優先して60FPSに制限されてしまうのですが、これなら120Hzのまま大画面でプレイできます。

Zスマートキャストダブルタップで画面オンオフや持ち上げて受話するジェスチャーなどがあります。

三本指のジェスチャーはマルチタッチに影響するため、指定したアプリでは無効化できる設定も用意されています。

ジェスチャーWi-Fi 7・6GHzに対応しており、リンク速度も2882Mbpsと高速です。

Wi-Fi

まとめ

  • 高クロック版Snapdragon 8 Gen 3で高い性能
  • 実測1000nitの明るいディスプレイ
  • 大容量6,500mAhバッテリー
  • バイパス充電に対応
  • パンチホールなしのフラットディスプレイ
  • 背面カメラの出っ張りなし
  • ゲーム機能が盛りだくさん
  • USB 3.2 Gen 1ポートで映像出力対応
  • スペックを考えると妥当だが重い
  • 一部ゲームで熱制御が効いていない
  • 設定の一部が未翻訳

Snapdragon 8 Gen 3の高い性能を最大限に発揮させる調整がされており、ゲームプレイを便利にする機能が一通り揃っています。

パンチホールがなくフラットで美しいディスプレイに加え、出っ張りのない背面のおかげでガタつきもありません。

一部ゲームで消費電力の制限がされず爆熱になってしまう不具合があるものの、逆に考えれば外付け冷却ファンさえ用意すれば他スマホでは味わえない高フレームレートプレイができるということでもあります。そのうち修正されると思いますが…。

ゲームをとにかくフレームレートを落とさずプレイしたいという方にREDMAGIC 9S Proは最適です。

 

REDMAGIC 公式サイトでは122,800円~で購入できます。

8/5 11:59までの先行予約販売期間中は4,000円オフになります。

今回はブラックのほかホワイトや黒スケルトン、シルバーも用意されており、好きな色を選びやすくなりました。

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