arrows We2 Plus M06を貸し出していただきました。
ソープで洗える防水や映像出力など盛りだくさん
arrows We2 PlusはSnapdragon 7s Gen 2を搭載したミドルレンジスマホです。
おサイフケータイやIP68防水防塵はもちろん、eSIMやmicroSDカード対応、USB 3.1 Gen 1ポートでの映像出力、ダイレクト給電など普段使いに便利な機能が大量に搭載されており、ハイエンドさながらです。
側面の指紋認証センサーは「Exlider」という指の動きを読み取る機能を内蔵しているため、片手で簡単にスクロールやズームができます。
3回のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートが約束されています。
- 1080nitの明るいディスプレイ
- Exliderで片手スクロールが簡単
- USB 3.1 Gen 1ポートで映像出力対応
- ダイレクト給電や85%止めでバッテリー負荷軽減
- microSDカード対応
- IP68防水防塵、ハンドソープで洗える
- 消費電力が大きめ
- 高温になると画面中央に注意ダイアログが出る
目次
説明書だけが付属している簡素なパッケージです。
ディスプレイ:屋外でも比較的見やすい
arrows We2 Plusは6.6インチ FHD+解像度のディスプレイを搭載しています。
フラットディスプレイなので端から端まで見やすいです。
配列はダイヤモンドピクセルです。
明るさ自動調整オンでの全白画像表示時に輝度をLX-1336Bで計測すると、最大1083nitに達しました。
日中の屋外でも見やすいです。
HDR動画再生時には457nitほどまでだったので、残念ながら室内では最大まで上がらないようです。
明るさの度合いを示す単位で、高いほど明るいという意味です。
屋内では400~500nit程度、屋外では800~1000nit程度でないと見にくいとされています。
ちなみに、明るさの自動調整をオンにしないと最大値が制限される機種が多いです。
リフレッシュレートはミドルレンジでありながらも144Hz対応です。
設定では60Hzか144Hzかという両極端な2択ですが内部的には90Hzや120Hzにも対応しているようなので、バッテリー持ちを優先する人のために中間の選択肢があればなぁ…と思います。
タッチサンプリングレートをTouch Sample Rate Testerで計測すると、シングルタッチ・マルチタッチともにMovement Rateは240Hz程度でした。
画面をタッチしたときの感度の高さに関係しています。
この数値が大きいほど、タッチに素早く反応してくれることが多いです。
ただし実際にはタッチ遅延はそれだけでは決まらず、他の要因が影響して最終的なタッチ遅延は大きいこともあります。
目安として、画面のリフレッシュレートに対してMovement Rateが2倍程度なら普通、3倍を超えるなら大きめで、ゲーミングスマホなら5~6倍程度になることが多いです。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延は合計39.6msでした。
画面をタッチしたときに反応してくれるまでの時間です。
この数値が小さいほど、素早く反応するということです。
ゲーミングスマホでは25msほど、通常のスマホでは30~40ms前半が一般的です。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオなどでHD画質でのストリーミング再生ができます。
背面:指紋が付きにくい
背面はさらっとしていて、指紋汚れなどが付きにくいです。
本体重量の約60%にリサイクル素材を使用しているとのことですが、安っぽさはあまり感じません。
防水防塵で1.5mからの落下にも耐えられる耐衝撃のほかMIL規格23項目に準拠したというタフネスさを備えており、ハンドソープでのまる洗いやアルコール除菌までできてしまいます。
重さは183.5gで、昨今のハイエンドスマホと比べれば軽めです。
タフネススマホ並の耐久性を普通のデザインと重さで実現できているというのは凄いですね。
カメラ:そこそこの画質
arrows We2 Plusは
- 50MP (Samsung S5KJNS)
- 8MP (Samsung S5K4H7)
というデュアルカメラ構成です。
手持ち撮影した写真はこちらに保存しています。
日中の明るい場所での撮影では十分良い画質で、ミドルレンジとしては合格ラインだと思います。
彩度が実際の見た目よりも高くなりがちで、記録用というよりはSNS映え重視のように思います。
1xと2xズームを比較してみると2xのほうがやや暗く、ノイズ混じりになりやすいです。
夜景は光源が十分でないと明るく撮影できず、イルミネーションだけの暗闇だと肉眼と同程度の暗さになりました。
スピーカー:ボーカルが目立つ
スピーカーは低音と高音が弱く、ボーカルや中低音が目立ちます。
3.5mmイヤホンジャックがあるため、音質を求める場合はイヤホンを使うほうが良いでしょう。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると9.7msで小さめでした。
Bluetooth Codec Changerで対応コーデックを確認するとAAC / aptX / aptX HD / aptX Adaptive / LDAC / LHDCに対応していました。
LHDCは公式の仕様には記載されていませんが、中国メーカースマホだとよくあるメーカー縛りがなく、どんなLHDC対応イヤホンでも使えます。
aptX関連の専用設定項目が用意されており、aptX Adaptiveの96KHzサンプルレートモードの有効化なども簡単に変更できます。
Dolby Atmosアプリでは音楽や映画、ゲームなどシーン毎に適したモードに変更できます。
他社スマホよりも選べるモードやカスタム項目が多めです。
ポート:USB 3.1 Gen 1で映像出力対応
IP68防水防塵で、泡ハンドソープで洗ったりアルコール消毒したりできるレベルの設計がされています。(他社のただのIP68防水スマホではやってはいけません)
USB 3.1 Gen 1ポートで高速なデータ転送ができ、DisplayPort Alt Modeでの映像・音声出力にも対応しています。
ミドルレンジスマホでありながらも、ケチらず細かいところまでこだわっているのは良いですね。
バッテリー残量85%までで充電を自動的に止める機能や、バッテリーを充電することなく直接給電することでバッテリーへの負荷を減らせるダイレクト給電などの機能があり、長持ちさせやすくなっています。
SIMトレイはピンを使わず手で取り出せるようになっています。
microSDカードとnano SIMを各1枚入れられ、eSIMでデュアルSIM運用ができます。
電源ボタンや音量ボタンは右側面にあります。
指紋認証センサーを使ってスクロールやズーム操作ができる「Exlider」が復活しているほか、スライドイン機能を使えばアプリ起動や文字のコピーなども楽になります。
Exliderを使うと片手でもスクロール操作がしやすくなるため、スクロールしようとして手を滑らせてしまうようなことも防げます。
性能:やや消費電力が大きめ
arrows We2 PlusはSnapdragon 7s Gen 2を搭載しています。
やはり悪名高いSamsung製なせいか消費電力が大きめで、何も動かしていない待機時でさえバッテリー残量が減っていきます。
性能重視のスマホでないので性能には目を瞑るとしても、消費電力が小さめなSoCを搭載してもらいたかったです。
Geekbench 6ではパッケージ名偽装版 (=メーカーの不正ブーストの影響を受けない) でシングルコア1025・マルチコア2737、通常版でシングルコア1024・マルチコア2726でした。
大きな差がないため、パッケージ名判定での性能制御は行っていないようです。
Snapdragon 778Gなどと変わらないレベルの性能です。
AnTuTuをはじめとする有名ベンチマークアプリをパッケージ名で判別して、ベンチマーク中だけスコアをよく見せかけるため熱制御を緩めたり高クロックに固定したりとチート行為をするメーカーが続出しています。
通常のアプリ使用時とは異なる挙動であるため、「ベンチマークは良いのに他のアプリの動きは大して良くない」ということが起こります。
メーカー毎にブーストの挙動が違うので、ブーストされた結果で比較しても何の意味もありません。
そのためパッケージ名を変更して一般アプリに偽装し、ブーストされていない正しいスコアを出すことが重要です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
背景ぼかしやテキスト処理などで使われる、CPUの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
普段使いの軽い作業にはシングルコア、重たいゲームなどにはマルチコアの性能が重要です。
2024年現在はシングルコアで1200、マルチコアで3000以上なら大抵快適に使えるでしょう。
ベンチマーク結果はこちらの記事にまとめています。
パッケージ名を偽装した3DMarkでのWild Life Extreme Stress Testではスコア796→788でした。
動画再生には十分なものの、3Dゲームなどには向いていません。
Wild Life ExtremeはVulkan APIを利用し、3840×2160解像度のグラフィックでGPU性能を数値化するベンチマークです。
スコアが高いほどゲームなどで滑らかな3D表示が可能で、Stability (安定度) が高いと高い性能を長時間維持できるという意味になります。
あくまでもVulkan API使用時の汎用的な簡易指標でしかないため、人気ゲームがほぼVulkan APIを使っていないことを考えるとスコアはあまり役に立たず、GPU使用時の発熱具合の確認が主となります。
Vulkanで性能が出るならOpenGLでも高い性能だろう、発熱しやすいなら実ゲームではFPS維持が難しいだろうといった推測しかできません。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0 (パッケージ名偽装版) ではスコア13025でした。
普段使いでストレスを感じることはありません。
ウェブの閲覧、画像・動画の編集などでの処理性能がどれほどあるかを数値化するベンチマークです。
高いほど高速な処理ができますがバッテリー消費とのバランスも重要なので、スコアが低めだからといって悪いとは限りません。
2024年現在は8000以上あれば十分です。
詳細が明らかにされていませんが、速度的にUFS 2.2ストレージ、LPDDR4Xメモリを搭載しているのだと思います。
普段使いには十分なスピードが出ています。
シーケンシャルリード・ライトは大きなファイルのコピー時や動画エンコード・デコード時などに影響する読み書き速度です。
ランダムリード・ライトは細かなファイルの読み書き速度で、アプリ・ゲーム使用時はこちらの速度が重要です。
CPUの使用率が高い原神をパフォーマンスモード・最高画質・60FPS設定・フォンテーヌ (水中→陸上) でプレイしてScene 7で計測すると、平均33.6FPSでした。
バッテリー温度は最大40℃程度まで上昇しました。
やはりゲームの快適なプレイには不向きなものの、画質を下げれば十分遊べるレベルだと思います。
1FPSあたりの消費電力が低いほうが電力効率が良いと言えます。
電力効率が良いとバッテリー消費が少なく、悪いと消費が激しくなってしまいます。
ゲームで電力効率が悪いスマホは他のアプリでもバッテリー消費が大きい傾向にあるため、バッテリーの減りが早いと感じることが多いです。
平均FPS (フレームレート) は、どれほど滑らかな表示を維持できているかを示し、高いほど良いです。
(細かく言うと平均FPSが高く、なおかつ「ジャンク」というちらつきが少ないほど体感の滑らかさが良くなります)
消費電力がおかしな数値になっているのは、おそらく電源プロファイルが5000mAhではなく1000mAhになってしまっているからだと思います。
通常は実容量と同じ数値になるのですが、1000mAhにしているのは何か理由があるのでしょうか…。
38℃を超えたあたりで画面の中央に温度上昇の注意が入ってしまい、OKを押さないとゲーム画面を操作できません。
一瞬操作できなくなるというのは特にアクション・音ゲーでは致命的で、性能以外の面でもゲームに不向きです。
あくまでもゲームや負荷の掛かることをしない人向けのスマホということでしょう。
OS:AOSPベースに細かな便利機能を追加
arrows We2 PlusはAOSP (純正Android) のデザインを踏襲しつつも色々な便利機能が搭載されています。
セットアップ時にはホーム画面をシンプルホームにするか選べます。
フォントは視認性に優れたユニバーサルデザイン書体であるUD新ゴNTになっています。
Noto Sansのほうが良ければ設定で変更できます。
意外とフォントのカスタマイズの有無でスマホを選ぶ人が結構いるので、UD新ゴだけでなくもっと選択の幅が増えれば良いですね。
FeliCa・おサイフケータイに対応しています。
カメラの下には心拍数を計測できるセンサーが付いています。
自律神経パワーを計測できるため、体の状態の把握に役立ちます。
まとめ
- 1080nitの明るいディスプレイ
- Exliderで片手スクロールが簡単
- USB 3.1 Gen 1ポートで映像出力対応
- ダイレクト給電や85%止めでバッテリー負荷軽減
- microSDカード対応
- IP68防水防塵、ハンドソープで洗える
- 消費電力が大きめ
- 高温になると画面中央に注意ダイアログが出る
ミドルレンジスマホでありつつも便利な機能がいくつも搭載されており、ディスプレイはフラットかつ明るめで使いやすいです。
バッテリーの負荷を軽減する機能や高い耐久性もあって、長く使えそうです。
arrows We2 Plus M06はAmazonでは59,950円で購入できます。
arrows We2 Plus自体はオープンマーケット以外に各MNO・MVNOからも発売されており、各社仕様が微妙に異なるところには要注意です。
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